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2012年3月15日 (木)

ダウスゴー/新日本フィル(2012/3/15)

2012年3月15日(木)19:15
サントリーホール

指揮:トーマス・ダウスゴー
新日本フィルハーモニー交響楽団

(第491回定期演奏会)

チャイコフスキー:幻想的序曲「ロメオとジュリエット」
シベリウス:交響曲第7番
ニールセン:交響曲第4番「不滅」

驚いたことにこの北欧の巨人(長身!)は、3曲を全く違うオケのように異なる音色に染め上げました。

一曲目のチャイコフスキーでは、基本的に抑制された緊迫感(←萎縮ではなく)で、かなり限られた部分で全解放(開放)。
その分、解き放たれた箇所のパワーは凄まじいものがあります。
パッと見では、あまり打点を明確にしない指揮の印象がありましたが、そういう部分での、特に低弦のうごめくような様子は比類のない微細かつ迫力の揺らぎ。
もちろん、きちんと刻むときは、はっきり振ります。

2曲目のシベリウスでは、チャイコフスキーで見せたような抑制と解放のコントラストはさほど際立っておらず、全般的に高いテンション。
しかしその音はただ外へ向かうのではなく、深く深く内省的。
日頃の新日本フィルではあまり聴かないサウンドだったかもしれません。
「あ、新日本フィルって、こういう音も出せるんだ!」(失礼!)

そして後半のニールセン。出てきたダウスゴーさんは、振り向きざますぐに振り下ろしていきなり全開!
凄まじい気迫!
もはや冒頭のチャイコフスキーでの抑制された印象は皆無。
発散!
拡散!
微弱音ですらチャーミングなはっとする表情。
この交響曲の白眉はもちろんティンパニの競演。
私の席からは見えませんでしたが、終演後に確認すると、もう一組のティンパニはコントラバスの後ろの客席寄りに配置されていました。
もちろんティンパニだけではなく、フルオーケストラが熱狂的!

3曲を全く異なるオケのような違う系統の音に仕立て上げた北欧の巨人の指揮者は、3曲とも譜面台なし。
どの曲が一番日頃の新日本フィルの音に近かったかと言うと、ニールセンかな。
でも、全員、完全に、あっちの世界?へ行ってしまっていました。
もちろん、指揮者も一緒に。

いやはや、それにしても、この日の私は、日中、体調があまり良くなく、夕方サントリーホールへ向かうために電車に乗ったものの、途中で引き返そうか?…と思ったくらい。
でも、せっかく一回券を買ったのだから、行くだけ行って、駄目なら休憩時間に帰ればいいや…という状態だったのが、終演後は元気いっぱいで帰ってきました。
音楽の力は凄い。
いや、凄い音楽でした。

話しがあちこち飛びますが、この日の客席は、空席もそれなりにありましたが、むごいと言うほどでもなくてよかったです。
(「全席完売のはずなのに…」のときの読響の空席とどちらが多かったかな?)
定期会員で完売のはずのP席にもそれなりの空席があったのは残念。
B席エリアは結構埋まっていました。
…と言うことは、前売りの一回券を買った人(私もその一人)が多かったということでしょうか?
私は当初、P席会員の放出するチケットを狙って、Yahoo!オークションに「ダウスゴー」でアラートまでかけたのですが、普段の新日本フィルサントリー定期と違ってほとんど出品がなく、出品されても高額に競り上がるので、「これならB席会員割引価格とたいして変わらん!」と、あきらめて一回券を購入しました。

ダウスゴーさんの振る新日本フィルの演奏会が今夜の一回だけというのは、よっぽどスケジュールをやりくりして来てくれたのでしょう。
そんな北欧の巨人に対してわが国は、昨夜の地震で驚かせてしまいました。
これに懲りずに、また来て下さい!

それにしても…。
アルミンクさんには「ばらの騎士」キャンセル以降、いろいろな思いがあるがあるのは事実ですが、プロデューサーとしての新日本フィルへの貢献は、絶対に否定できないほどの素晴らしく大きなものがあると思います。
いっそのこと、音楽監督退任後は、来日しなくていいから(おいおい)欧州でプロモーターをやってもらってはどうでしょう?

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コメント

ダウスゴーさんの指揮ぶりに会場全体が引き込まれた一夜でしたね。骨太の音楽の流れに身も心も委ねて、「いい音楽だった」と満足できました。これまで好きではなかったシベリウスの魅力の初めて気付かされましたし、ニールセンでの鮮やかなコントラストも素晴らしい。
新日本フィルの最近の充実ぶりは見事です。にもかかわらず、客席の入りがいまひとつなのは勿体ない。
ご指摘のとおり、アルミンクさんに感謝。でも、2012-13シーズンはダウスゴーさんもスピノジさんも定期に出ないので残念。

投稿: 黒猫 | 2012年3月17日 (土) 13時55分

黒猫さま

同じ時間と空間を共有できたようで嬉しいです。

この演奏会については音楽評論家・東条碩夫先生が書かれた文章の最後に、やっぱりアルミンクさんのことを書いていらっしゃいますね。
http://concertdiary.blog118.fc2.com/blog-entry-1328.html

ダウスゴーさんとスピノジさんが、2シーズン後には再び来てくれることを心から願っています。

投稿: 稲毛海岸 | 2012年3月17日 (土) 19時41分

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