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2012年3月16日 (金)

飯守泰次郎/東京シティ・フィル(2012/3/16)

2012年3月16日(金)19:00
東京オペラシティコンサートホール

指揮:飯守泰次郎
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

(第257回定期演奏会
チャイコフスキー交響曲全曲シリーズ第4回(最終回))
ヴァイオリン:渡辺玲子
合唱:東京シティ・フィル・コーア
合唱指揮:藤丸崇浩
バンダ:東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部

チャイコフスキー:交響曲第2番「小ロシア」
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
エルンスト:シューベルトの「魔王」による大奇想曲
(アンコール)
チャイコフスキー:祝典序曲「1812年」作品49(合唱付き)

飯守泰次郎さんの常任指揮者としての最後の定期演奏会で、東京シティ・フィル定期初!の全席完売!と来れば、それはオケのメンバーだって燃えないわけにはいかないでしょう。
全席完売でも若干の空席があるのは読響で慣れているので気にしない、気にしない。

1曲目の交響曲第2番「小ロシア」の冒頭から、オケには気合い…を通り越して“殺気”がみなぎる。
お世辞にもきれいな音とは言えない土俗的な重低音。
砲丸投げの重たい玉でテニスの打ち合い(撃ち合い)をしているような重量感×スピード感。
唖然としたまま全4楽章が、あっという間に終わってしまいました。

休憩後の渡辺玲子さん独奏のヴァイオリン協奏曲では、その“殺気”が独奏者の方に乗り移ってしまった感もあり。
ノーカットでは無い方の版での演奏だったと思いますが、渡辺玲子さんの気迫は尋常ではなかったと思います。
まだまだ若くてきれいなだけの子には負けないわよ、私だってまだ若いのよ、でもキャリアは十分に積んでいるのよ…みたいな(違うか…)。
飯守さんも結構足を踏み鳴らして指揮していましたけど、飯守さんの再三の煽りのにもかかわらず、オケは少しおとなしい感も…。
第3楽章は爆発しましたけど、まあ、前半の交響曲で全力投球し、後には1812年が控えているのでね。
手抜きというほどのレベルではなかったですけど。

ヴァイオリン協奏曲の後の渡辺玲子さんのアンコールにはびっくり。
ただ、超絶技巧は凄かったけど、アクロバティックなスポーツみたいで、音楽の感動と言うのとはちょっと違うような…。
でもまあ、“殺気”の続きという意味では、緊張感が連続するアンコールで良かったです。

さて、最後の「1812年」、合唱付き。
この日はP列の座席は撤去されていて、コーラスはその狭いところに2列で無理矢理並んでスタンバイ。
曲はいきなりアカペラで始まりビックリ。
オルガンも入ってきて、ようやくオケが弾き始めると、もう曲は全開。
冒頭のアカペラを聴いて「あ、こりゃワーグナー的だよ」と思いましたが、それのどこが悪い!
飯守さんが振れば、こうなるに決まっています?
いや、こうなることを期待しています!
「ワーグナー的」と思い、それをさらに期待して聴いていって、確かにそういう場面は多々あったのですが、オケと、合唱と、バンダが、全て全開になると、もうワーグナーを超越?した壮大な空間。
交響曲であれだけ土俗的な、良い意味で汚い音を出していたのに、この曲では洗練されたサウンドの側面が強い。
開演前のピアノを弾きながらのプレトークで、飯守さんは「1812年」のことを「200年前の大騒ぎの曲として気軽に聴いていますが、ナポレオンの遠征は当時のロシアの人たちにとっては、国が無くなるのではないかという、ものすごい恐怖の出来事だったんです。そして我々は、去年同じような恐怖を体験しました。」と。
確かに、合唱入りバージョンで聴いてみると、その混沌とした格闘のような側面も強く感じました。

この日は、交響曲も「1812年」も、残響が消えるまで拍手は起こらず、快適。
天井の高いオペラシティの特性か、残響は響くんだけどスッと消えていく感じで、そこへ間髪を入れずに拍手が恥じまる。
残響が消えるやいなや…ではあるのですが、残響をかき消すよりよほど良いです。

終演後は“一般参賀”にはならずちょっと残念。
でも、CDを買って、サインをいただいて、でも、マエストロを前にすると、感動、興奮、感謝、尊敬、…マエストロへの“思い”を言葉にすることは簡単にはできませんね。

201203161

201203162

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