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2012年4月30日 (月)

ジルベルシュタイン(P)(2012/4/30)

2012年4月30日(月・祝)15:00
すみだトリフォニーホール

≪ロシア・ピアニズムの継承者たち≫
第6回 リリヤ・ジルベルシュタイン

ピアノ:リリヤ・ジルベルシュタイン
指揮:ヴァシリス・クリストプロス
新日本フィルハーモニー交響楽団

ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」
ストラヴィンスキー:組曲「火の鳥」
(1919年版)
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
リャードフ:ワルツOp.9-1
(アンコール)
リャードフ:ミュージック・ボックス(音楽玉手箱)(アンコール)

チャイコフスキーのピアノ協奏曲後に2曲のアンコール。
後ろに控える新日本フィルの楽員さんの多くが、身を乗り出して、目を輝かせて聴き、儀礼的でない両手を使った拍手をしている様子からして、ただ事ではありませんでした。

ソロ、管弦楽、協奏曲というバラエティに富んだ曲目。
1曲目はソロで「展覧会の絵」。
聴き惚れているうちに、あっという間に終わってしまった感じです。
ピアノ「だけ」のハンディなど皆無。
ラヴェルが編曲したくなった気持ちもわかるし、冨田勲先生には悪いですが、シンセサイザーが主流にならなかった理由もよくわかります。
ジルベルシュタインさんのピアノの音は、テクニックを駆使していることを全く感じさせない旋律美。
音の粒子の細かさを誇示してはいなくて、全体として一体化した音響の印象。
しかし、フル・オーケストラに匹敵するようなスケール感。
その上深みもあります。

休憩後の2曲目はピアノはお休み。
指揮者とオーケストラだけで「火の鳥」。
前半のピアノ独奏時の照明を抑え目にした舞台とは印象が一変。
明るい舞台にオケの皆さんが勢揃い。
クリストプロスさんの指揮は、基本的に切れ味鋭く、豪快なのですが、乱暴ではなく、木管の歌わせ方など、かなり魅惑的。
クリストプロスさんのことを、以前、どなたか評論家の先生が「ドイツ若手三羽烏の一人」というようなことを書いていました。
トーマス・ファイさんと、あともう一人…は忘れましたが…。
その期待通り、若々しい音づくりながらも非凡な才能の印象。
この演奏会のためだけの来日なのでしょうか?

3曲目は協奏曲。
チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番。
この曲が、豪快で乱暴な難曲などではなく、チャイコフスキーの旋律美の散りばめられた美しい曲であることを、まるで初めて知ったような気分。
凄すぎ!
協奏曲でもクリストプロスさんは非凡な才能を発揮し、歌わせ、鳴らす。
その勢いを、いきり立つことなく堂々と受け止め、泰然と貫禄の横綱相撲の演奏をしてのけた女傑ピアニスト、恐るべし!
聴き手の私は、ただただ唖然。

《ロシア・ピアニズムの継承者たち》シリーズは、企画はいつも素晴らしいと思うのですが、集客が伴っていないことも少なくありません。
しかし、この日はかなり入っていました。
(3階正面はほとんど空いていましたが)。
有料入場者の割合は門外漢の私には不明ですが、聴衆の鑑賞マナー、集中力はかなり良かったと思います。

アンコールで再びソロの妙技を披露してくれたジルベルシュタインさん。
展覧会の絵や協奏曲での女傑の印象から一転、可愛らしい少女のような演奏。
チャーミングな音でした。

20120430

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