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2012年5月12日 (土)

ロウヴァリ/東響(2012/5/12)

2012年5月12日(土)18:00
川崎市教育文化会館

指揮:サンットゥ=マティアス・ロウヴァリ
東京交響楽団

(名曲全集第77回)
ピアノ:上原彩子

シベリウス:交響詩「フィンランディア」
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
シベリウス:交響曲第1番
シベリウス:アンダンテ・フェスティーヴォ
(アンコール)


この指揮者、26歳!
もしかして、只者ではないのでは?
すぐに定期演奏会に招聘すべし!?
直ちにウルバンスキさんと同格に扱った方が良いかもしれません!
早く次の招聘をしないと売れっ子になって、もう来てくれないかも…。

この若き指揮者による冒頭の「フィンランディア」、すでに成熟した音楽。
表情付け、メリハリ、アクセント、申し分ない!
動作はしなやかで変に肩に力の入ったところはなく、指揮の指、手、腕、そして身体の動きが見事に音に変換。
そう、指先まで駆使した指揮!

今回は予期せぬアクシデント。
昨夜のオペラシティでの演奏会では、ヴァイオリン協奏曲のソリストのヴィルデ・フラングさんが開演直前に急病で降板し、ニールセンのヴァイオリン協奏曲がまるごとカットされ、払い戻しも行われたとのこと。
この日は曲目をラフマニノフのピアノ協奏曲第2番に変更したとは言え、急きょ代役に上原彩子さん!
これは敢闘賞!ものの対応だと思います。

「上原彩子さんによるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番」と聞いただけで凄い演奏になることは十分予感できましたが、やっぱり恐ろしく凄い!
硬軟、剛柔、豪快・繊細を駆使した脅威のピアノ。
それも軽自動車で無理やりスピードを出しているのではなく、ベンツ級の車の快走!
近々、日フィル定期で弾く3番に配慮して2番を選択したのかもしれませんが、余裕で代打の満塁ホームラン。
バックのオケも、交響曲並に気合いの入った演奏。
この若き指揮者、やはり只者ではない?
昨日の今日ですよ。
よくぞ急ごしらえでここまで…。

そして後半のシベリウスの交響曲第1番。
よくもまあ、これだけオケをドライブすること、この若さで。
いや、冷静に考えれば、この若さでツアーが出来る指揮者ということなのですね。
相当の才能と見ました。
それに一糸乱れず、泰然とトレースした(トレースすれば凄い演奏になるはずの指揮!)東響のポテンシャル高し!
このような「引っ掻き回し」の指揮をこの若さでやったら、普通は粗雑な「爆演」になってもおかしくありません。
それが、この高次元のサウンドの嵐にしてしまう指揮者と、それに応えた東響、素晴らし過ぎ!

昨日は、フィンランディアの後に休憩、休憩後に交響曲第1番を演奏し、第3楽章をアンコールに演奏したと伝えられています。
アンコールに昨日と同じ交響曲の第3楽章を聴けるのかとワクワクして待っていたら、今日は違いました。
シベリウスのアンダンテ・フェスティーヴォとのこと。
しかし、これまたたっぷり歌った素晴らしい演奏。

川崎市教育文化会館、旧称・川崎市産業文化会館。
このホールは、私は1979年以来、なんと33年ぶり!
(そのときは、この日の指揮者、ロウヴァリさんは生まれていなかった!)
心配した音響は、やはり残響感は乏しいですが、私の座った1階席前方に関しては、さほど悪いとも思わずに音楽を楽しむことが出来ました。
もちろん、ミューザと比べるのは酷でしょうが。少なくとも、きょう私が座った席では、むごいというほどの音響ではなかったので「今シーズンは全部パス」と決めていた東響「川崎名曲」に対する方針を、少しは見直さないといけないかな。

ちなみに、この日の私は、TSOフレンズ対象の招待券。
「私のような一般人の所に招待が来るということは、売れていないから席を埋めてくれということ?」とひねくれたことを考えておりましたが、ネット上で昨日の初台での演奏の評判がすこぶる良い上に、上原彩子さんというサプライズまで付いて、喜々として足を運んだのですが、その価値は十分にありました。
お金を払ってでも、聴くべき演奏会でした。
いや、TSOフレンズの年会費は払っていますよ。

201205121_2

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追記(2012/5/13)

この日の演奏、シベリウスが良かったのは、それなりに主催公演用の日数をかけてリハーサルをしたのでしょうから、まあ、それほど驚きません。
(いや、演奏自体は驚くほど凄かったのですが…。)
それよりも、金曜日の夜のアクシデントから土曜日の本番までの間で、ラフマニノフのピアノ協奏曲のオーケストラ・パートが、あのレベルの演奏に仕上がった…いや、ハイクオリティの演奏になったということは驚嘆する以外にありません。
さすがは過密日程の東響!

私は、てっきり、若き指揮者は、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を、何度か指揮したことがあったものだと思いましたが、楽団員の方のツィートを拝見すると、
> 若い指揮者が不慣れなレパートリーをぶっつけで指揮、
> しかもゲネプロからたった一時間半で手の内に入れて
> しまったというミラクル
とのことで、またまたびっくり。
あれだけの魅惑的な表情付けが出来ていたのに!ですよ。

昔の話しと比較することは意味が無いかもしれませんが、たぶん1980年代くらいまでは、東響も都響も、たぶん他の在京オケも、協奏曲まで練習の手が回らず、序曲=快演、協奏曲の伴奏=粗雑、交響曲=快演、…ということが結構あったように思います。
それも、地方公演ではなく、東京文化会館での定期演奏会での話しです。
秋山和慶さんの時ですら、ジャン・フィリップ・コラールが弾いたラフマニノフの2番の伴奏は音が荒かった。
休憩後のチャイコフスキーの交響曲第4番がもの凄い快演で、私の秋山/東響ファンは、そこからスタートしているのですけれど。

あるいは、CD化されているペーター・マーク/都響のシューマンの2番の名演。
私は会場で聴いたのですが、その日の休憩前に演奏されたドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲のオーケストラ・パートは、かなり粗雑でしたた。
今の都響ではあり得ませんが…。

そういう時代も多少は知っているので、いまの東響、この日の東響が、本当に限られた時間で、いまの時代の定期演奏会に持ってきてもおかしくないレベルに協奏曲を仕上げてしまったことは、本当に驚嘆します。
東響って、本当に凄い。
過密スケジュールに強すぎる!

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