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2012年5月18日 (金)

ラザレフ/日フィル(2012/5/18)

2012年5月18日(金)19:00
サントリーホール

指揮:アレクサンドル・ラザレフ
日本フィルハーモニー交響楽団

(第640回定期演奏会)
ピアノ:上原彩子

【ラザレフが刻むロシアの魂《season1 ラフマニノフ》】
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番
チャイコフスキー:交響曲第3番「ポーランド」

この日の演奏が100点満点だとすると、明日はもしかしたら110点くらいになるかもしれません。
しかし、100点満点でも十分!
チケット代払ってお釣りが返って来たような気分です、前半も、後半も。

まずは、偶然とは言え、上原彩子さんのピアノで、中5日で、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番、第3番が聴けた幸せ。
先週の土曜日は、ノーマークだった、ロウヴァリさん指揮、東響交響楽団「川崎名曲」の、代役での第2番でした。

上原さんは今日もアンコール無し。
いらない、いらない、本編だけでも十分過ぎてお釣りが返ってきました。
アンコールを弾く気力・体力は協奏曲本編に、惜しまずつぎ込んでくれました。
演奏終了直後の客席は、フライングすれすれのブラボーと拍手だったのですが、まあ無理もないでしょう。
上原さんはクリアーな音の粒子を絶妙に散りばめた上に、音を置きに行く様子は皆無の迫真の熱演。
所々、腰を椅子から完全に浮かせて、立ち上がるのでは?と思うくらい。
それでいて自分だけの世界に没頭せずに、オケの方を見ながら弾く場面も…。

前半も後半も、ラザレフさん大暴れ。
明日に備えて体力温存を図るオケとの綱引き…と見たのはひねくれ過ぎでしょうか?
でも、結局はラザレフさんの、怒濤のがぶり寄りで指揮者の圧勝!

チャイコフスキー:交響曲第3番「ポーランド」は、専門的なことはわかりませんが、悲愴交響曲と比べるのは、演奏と言うよりも、曲の格が違うのでしょう。
(飯守泰次郎さんがレクチャーで「4番で突然の円熟」と仰っていました。)
日曜日の同じコンビの悲愴を聴いた身としては…。
まあ、それはさておき、いや、それを差し引いても、今日の第3番も、細部へのこだわりと、萎縮しない豪快さが両立した高次元の演奏だったことは確かです。
静かな部分の音の出だしでも、全く音が雑にならず、フワリと。
こんな音、他の、世評で“うまい”と言われている他の在京オケでも、よほど好調のときでないと出ませんよ。
ああ、やっぱり、指揮者って本当に重要なんだな~と、しみじみ思います、このコンビの演奏を聴くと。
日本フィルさん @Japanphil の終演後のツィートによれば、
>初日、1日かかっても1楽章すら終わらない、
> と思えるほど延々とリハーサルしていた
> チャイコフスキー、見事な本番はあっという間!
とのことで、やはりあの完成度の高い音は、徹底的にオケを鍛えたリハーサルから産み出されたのですね。

次第にエンジンが暖まり、ヒートアップしていく様子が手に取るようにわかりましたが、第1楽章や第2楽章の最後は、割りと脱力してサラッと終わらせ、アッサリ味でちょっと意外。
しかし第5楽章の終結部は、半狂乱の獅子のごとき凄まじさ。

終演後のラザレフさんは、オケを讃えて拍手をし、握手を繰り返し、しまいには舞台下手の少しくぼんだ所(ガラスのある所)に腰掛けてオケに拍手を贈り、場内からはどっと笑いが…。
最後は総譜を持って高く掲げながら引き上げたラザレフさん、客席あちこちに目を向けて会釈を続けます。
ラザレフさんは本当によく客席を見ています。
前半の協奏曲では、第1楽章が終わった所で正面客席の奥の方に視線をやり、遅れて入場したお客さんがいないか確認?
(1階席は途中入場者ゼロだったのですぐに指揮を始めましたが、実は2階席後方から、ぞろぞろと途中入場は続いていたのでした。それはともかく…)
後半の交響曲では例によって正面客席を向いての演奏終了。
在京オケのシェフで、愛嬌の良さでラザレフさんにかなう指揮者は居ないですね。

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