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2012年5月19日 (土)

沼尻竜典/群響(2012/5/19)

2012年5月19日(土)18:45
群馬音楽センター

指揮:沼尻竜典
群馬交響楽団

(第481回定期演奏会)
ヴィオラ:今井信子

三善晃:祝典序曲
バルトーク:ヴィオラ協奏曲
ショスタコーヴィチ:交響曲第4番

高崎で沼尻さんのショスタコーヴィチを聴くのは、昨年6月以来、11ヶ月ぶり、2回目。
チケットは購入したものの、新日本フィルからのハシゴになるので、迷っていましたが、行って大正解!
全ての曲の演奏が良かったのですが、驚いたことにショスタコーヴィチが、あのインバルさんと都響の演奏に匹敵するほどの素晴らしさ!

三善晃さんの祝典序曲は、プレトークによれば、屋外での演奏を想定した大編成、大音量の作品…とのことでしたが、そこはデッドな群馬音楽センター、飽和せずに見事に音を吸収?してくれました。
意外と通俗的…などと言ったら叱られるかな?
大阪万博の開会式用の曲とのことです。

理解して聴いているなどとは口が裂けても言えませんが、三善晃さんと武満徹さんでは、私は断然、三善晃さんの曲の方が好きです。
しかし、この作品は、三善晃さんの曲からよく感じる怖さのようなものが感じられず、ちょっと意外。
まあ、用途が用途ですからね。
三善晃さんの、私の知らなかった側面を聴く機会を得たことは収穫かもしれません。

続く今井信子さん独奏によるバルトークのヴィオラ協奏曲は、“普通の版”による演奏とのこと。
専門的なことはよくわかりませんが、やはり聴きなじんだ曲の方が私はしっくり来ます。
演奏も(たぶん)正攻法。

版の問題については、プレトークで沼尻さんが、「校訂ビジネスがはやっています。詳しくはレコード芸術の5月号に…。」とおっしゃったので、帰宅して確認。
「レコード芸術」誌、2012年5月号の81ページでした。
いわく
『校訂ビジネスみたいなのがはやっているのは残念ですね。ある高名な作曲家の息子が「これが親父の本当の気持ちです」と言って、校訂版を出して版権を延ばしたりしている。著作権でひ孫の代まで良い暮らしをしようという香りが漂っています(笑)。』と。
プレトークでは、「校訂ビジネスがどれだけうまくいっているかは、楽譜を出版している会社のビルの大きさを見ればわかります」ともおっしゃっていました。

それはともかく、今井信子さんによるバルトークのヴィオラ協奏曲は、もちろん、座った席にもよるのでしょうけど、デッドな音響ながらも弦楽器の艶やかさは十分感じられました。
完全に手のうちに入っていて、美しい音楽として奏でられたバルトーク。
沼尻さんの指揮するバックのオケも万全。

そして後半のショスタコーヴィチ。
デッドな音響のホールでショスタコーヴィチを聴くのが快感になってきました。
そしてこの日の群響の演奏は、長大な静寂でも緊張感が全く途切れない驚異的な演奏。
このホールの音響で、特に弦楽器群の音に潤いを感じたくらい。

プレトークで沼尻さんは「○番はまだよくわかりません」と言っていました。
(15番だったと思います。)
ショスタコーヴィチなら何番でも振るわけではなく、手の内に入った曲だけを振っているのでしょう。
本日の交響曲第4番も、全く迷いのない意思が、隅々まで徹底されていました。

大編成が咆哮する場面も、なにしろ東京文化会館なみにデッドな音響ですから、少なくとも私の座った席では、混濁せず、分解能が高い明晰な音に聴こえます。
残響感は体感的には0.2秒くらい?
演奏の緊張感が最後まで途切れなかったのは驚異です。
最後の部分も恐ろしい静寂の中、緊張感を維持して終わりました。
で、フライングの拍手ではなかったのですが、沼尻さんが脱力する前に拍手を始めてしまった人が数人いたのはちょっと残念。
あと2~3秒、待てなかったものでしょうか?

まあ、拍手開始に対する思いはありましたが、この曲のこんな演奏が聴けたので、新幹線に乗って高崎までハシゴして来て、良かったと言うべきでしょう。
さすがにそう頻繁には行けませんが、1年に一回くらいは聴きに行きたいな。

感想をツィートしていたら、あっという間に上野駅。
終点東京駅はすぐです。
新幹線を使えば、群馬音楽センターは近い、近い。
いや、近いのではなくて、所要時間が短い。
いや、短く感じられる。
千葉県民の私から見れば、パルテノン多摩や所沢ミューズよりも、行くのに心理的抵抗感が小さい。
もちろん、金銭的抵抗感は忘れての話しですが…。

錦糸町駅を6時間ぶりに通り、帰宅。
長い一日でしたが、演奏が良かったので疲労感はありません。
たぶん、音楽による覚醒作用のせいだと思いますが…。

追記(2012/5/29):
会場でアンケートを書いて提出してきたら当選し、沼尻さんと今井さんのサインを群響さんからいただきました。
ありがとうございます。
思い出と一緒に宝物にします。
20120519

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