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2012年5月の28件の記事

2012年5月31日 (木)

小泉和裕/新日本フィル(2012/5/31)

2012年5月30日(水)19:30
すみだトリフォニーホール

東京スカイツリー®×トリフォニーホール×新日本フィル
《ベートーヴェン・ザ・634》第3日夜
オルガン:室住素子
指揮:小泉和裕
新日本フィルハーモニー交響楽団

前半:[オルガン独奏]
ヴィドール:オルガン交響曲第5番より「トッカータ」
ボエルマン:ノートルダムの祈り
アラン:リタニー(連祷)

後半:[オーケストラ]
ベートーヴェン:交響曲第4番

この日も行ってしまいました、錦糸町。
日課のようになったパイプオルガンとベートーヴェン。
しかし、この日が最終日。

バイエルン放送響のベートーヴェン・ツィクルスの一回券すら買えない私の強い味方、小泉和裕さんと新日本フィルのミニ・ツィクルス、
6番3番、4番、3日連続の最終日です。
トリフォニークラブ会員は(墨田区民も?)、3回連続券がなんと¥2,000、一回あたり¥700を切る価格。

前半のパイプオルガンでの荘厳な強い音はこの日も健在。
しかし、この日は特に、2曲目の静かなしっとりとした音色に陶酔しました。
サンサーンスの交響曲第3番の第1楽章後半でオルガンが静かに鳴る場面と同じような音量での演奏です。

照明がグラデーションのようにパイプオルガンからステージに移り、まるで夢から覚めたような体感で後半は、小泉和裕さんと新日本フィルによるベートーヴェン、この日は第4番。
昨日までの6番3番では「定期演奏会なら…」という思いが多少ありました。
(偉そうにすみません。)
しかし、この日の演奏は、十分に良かったと思います。
少しだけ斜に構えて(すみません)聴いていた昨日までと違い、ワクワクするような気分で心から楽しませていただきました。
相対比較は失礼かもしれませんが、この日の4番が3日間で一番良かったと思いました。

重箱の隅を突けば、多少は「細部の仕上げが…」という箇所が僅かながらもあったかもしれません。
しかしそれは「ヒヤリ」というほどのものではありませんでした。
ハーモニーは美しく溶け合い、推進力も十分。

こうして3日続けて聴いてみた後で言えば、初日の「田園」は、完全にはエンジンが暖まっていなかったかな…という気もします。
2日目の「英雄」は、第4楽章は十分に良かったと思います。
この日の第4番は、全楽章通して良かったと思いました。

小泉和裕さんのベートーヴェンは、ピリオド風ではなく、普通のベートーヴェン。
基本的に、やや速めのテンポで疾走しながら、音はしなやか。
弾力性を感じさせる音が心地良い。
せっかく調子が出てきたところで終わってしまうのは残念ですが、聴けたことを感謝しましょう。

この日は名前のついていない交響曲のせいか、私が会場に入った時は、1階席後方は閑散としていたような…。
でも、勝手に適当なタイトルはつけられませんしね。
もし、番号無しの交響曲に名前が付いていたら…。
交響曲第7番「舞踏の聖化」。
交響曲第4番「2人の北欧神話の巨人の間にはさまれたギリシアの乙女」(長い…)。
交響曲第5番「運命」?
交響曲第9番「合唱付き」?

20120531

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2012年5月30日 (水)

小泉和裕/新日本フィル(2012/5/30)

2012年5月30日(水)19:30
すみだトリフォニーホール

東京スカイツリー®×トリフォニーホール×新日本フィル
《ベートーヴェン・ザ・634》 第2日 夜
オルガン:室住素子
指揮:小泉和裕
新日本フィルハーモニー交響楽団

前半:[オルガン独奏]
ヴィヴァルディ(J.S.バッハ編):協奏曲ト長調BWV592より第1楽章
ボネ:英雄的なカプリース

後半:[オーケストラ]
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」

前日は「田園」だったので60分のショート・プログラム。
この日は「英雄」なので70分。

前半は、照明を落としてパイプオルガンが浮かび上がるシルエット。
幻想的な空間に響く荘厳な音色に包まれる体感は格別。
強く、美しい音です。
心を洗われるようなひとときでした。

休憩無しで後半の「英雄」。
結果的には第4楽章がハーモニーの溶け具合の面で一番良かったと思いましたが、それは「比べれば」の話し。
第1楽章から第3楽章も、基本、速めの、疾走するベートーヴェンが心地良い。
第1楽章あたりで1-2回、完全には揃わなくて(むごいと言うほどではありません)ひやっとする場面があったような気がしますが、まあ、練習時間の多い定期演奏会ではないのですから(←推測)、全般的には十分に良かったと言うべきでしょう。

最後は全奏者一丸となっての渾身の力演でクライマックスを築いたと思います。
終演後、汗を拭いている楽団員の方もいらっしゃいました。
小泉和裕さんのベートーヴェンを定期演奏会で聴きたい…という思いはゼロではありませんが、聴ける機会を得た喜びの方が大きいです。

20120530

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2012年5月29日 (火)

小泉和裕/新日本フィル(2012/5/29)

2012年5月29日(火)19:30
すみだトリフォニーホール

東京スカイツリー®×トリフォニーホール×新日本フィル
《ベートーヴェン・ザ・634》第1日夜
オルガン:室住素子
指揮:小泉和裕
新日本フィルハーモニー交響楽団

前半:[オルガン独奏]
ギルマン:凱旋の大合唱
J.S.バッハ:コラール前奏曲「イエスよ、いまぞ汝御空より降り来たりて」BWV650
ヴィエルヌ:ウェストミンスターの鐘

後半:[オーケストラ]
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」

トリフォニーホールでオルガン独奏を聴くのは初めてかもしれません。
新日本フィル定期で、オルガンの入った曲を聴いたことはありますが…。
こうしてホールに響く美しい音色を聴いていると、シンセサイザーが音楽の主流にならない理由が見えてきます。
シンセサイザーがなくても、魔術のように多彩な音色が何層にも重ね合わさって、それに包まれる天然サラウンド。
どの曲も上品ながらも多彩に変化するオルガンの音色を満喫しましたが、さすがの「バッハ音痴」の私でも、3曲の中でバッハの作品がひときわ高みにあることを、身をもって体感しました。
シンセサイザーもない時代によくもまあこんな曲を!と脱帽です。
もちろん、それを音にして“見せて”くださった室住素子さんにも感謝!

オルガン独奏の室住素子さんが拍手を受けて下がると、新日本フィルのメンバーが入場し、西江コンマスが登場し、小泉和裕さんが登場して「田園」。
基本、速めの小泉さんの「田園」はさわやか。
しかし、疾走する第2楽章も、鳥のさえずりが聴こえはじめると空気が一変。
その“空気一変”は、第3楽章から第4楽章でも、第4楽章から第5楽章でも。
「そういう曲だよ!」と言われればそれまでですが、この、あっと言う間に、まるで舞台の照明の色が変わったかのような体感は、小泉さんの指揮の魔術があったと信じたい。
オケの演奏が完璧だったかと言うと、多少の瑕疵はありました(たぶん)。
弦楽器の飛び出し?
ホルンは「明日の英雄は、大丈夫ですか?」
しかしそれは些細なこと。
定期演奏会では座れないS席エリアで(均一料金なのです)、小泉和裕さんのベートーヴェンが聴ける幸せ。
しかも、ショート・プログラム(休憩無しの約60分)とは言え、格安料金です。

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2012年5月27日 (日)

佐渡裕/日フィル(2012/5/27)

2012年5月27日(日)14:30
サントリーホール

指揮:佐渡裕
日本フィルハーモニー交響楽団

(第350回名曲コンサート)

マーラー:交響曲第6番「悲劇的」

ラザレフさんが大掃除して帰った後とは言え、これだけの音を「きれいに」を鳴らした日フィルは本当に素晴らしい。
こういう、きれいすぎるマーラーは好悪が分かれるかもしれないが、ここまで徹頭徹尾、徹底されると、好みを超越して、お見事!と言うしかありません。

きれいに、ストレートに、シンフォニック!
人工美を感じるような音づくり。
そう、あの、最近、NHKで1シーンがよく放映される、ベルリン・フィルとのショスタコーヴィチの5番の音と印象がそっくり。
ここまで来れば、スタイルなのでしょう。

ドロドロしたところをあまり感じないマーラー。
しかし、前日に聴いたスダーンさんと東響による、ピュア・トーンと言いたくなるような音とも全く違います。
良い意味での「騒々しさ」のような、外に発散するサウンド。
それでも第3楽章は、永遠に続いてほしいほどの美しさでした。

私は、最初のうちは、割りと冷静に聴いていて、途中から少し眠くなり(←演奏のせいではなく、私の個人的体調が原因です)、それでも第3楽章の美しさには心底酔い、第4楽章も冷静に観察していたつもりだったのですが、最後は音にねじ伏せられて、興奮してしまいました。

好きなタイプの演奏か?と問われれば少し躊躇すると思います。
今日の私の体調だと、少し聴き疲れします。
しかし、最近の客演はさほど多くはないと思われる日フィルに、これだけ自分の音(←たぶん)を徹底してしまったのは、さすがと言わざるを得なません。

この日は、演奏会開始前にオケが入場している間、拍手がずっと続き、外来オケ並み?
客席は佐渡さんのファンと思われる御婦人が多かったようですが、鑑賞マナーは良い時の定期演奏会並みに良かったです。
最後の音が消えた後、それなりに静寂も保たれました。

第2楽章がスケルツォでの演奏。
私はまだこちらの順番の方がしっくり来ます。
そしてこの日の第3楽章は、人工的であるにせよ、本当に美しかった。
もしマーラーがここで筆を折ったら、ブルックナーの9番と並ぶ未完の傑作となったのでは?とさえ思いました。

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2012年5月26日 (土)

スダーン/東響(2012/5/26)

2012年5月26日(土)18:00
サントリーホール

指揮:ユベール・スダーン
東京交響楽団

(第600回定期演奏会)
《定期演奏会600回記念公演》
メゾ・ソプラノ:ビルギット・レンメルト
テノール:イシュトヴァーン・コヴァーチハーズィ

モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」
マーラー:大地の歌

盤石の首位と思えた都響に強敵現る!
インバルさんと都響の圧勝と思えた“在京オーケストラ・リーグ”のマーラー交流戦。
スダーン監督と東響の「大地の歌」が驚異の名演で首位肉薄!
これは都響も、うかうかしていられない!?

当初、タクシーも選択肢に入れていたハシゴ。
ティアラこうとうでは、最後まで拍手していましたが、住吉駅へ向かう歩道が満杯になる前に会場を出ることが出来たので、地下鉄で余裕でした。
住吉~永田町~六本木一丁目。

驚異のメインディッシュ「大地の歌」だけでなく、前半にスダーン監督式(色、指揮)のモーツァルトという、前菜ならぬハーフコース?くらいのご馳走がついた演奏会。
600回という“区切り”の回数は、かつてほど重みをつけて語られなくなっている昨今ですが、600回記念にふさわしい、素晴らしい演奏でした。

モーツァルトの「ハフナー」 は、私にとっては(東響にとっても)日曜日のモーツァルト・マチネの続き。
スダーン監督のピリオド風だけど、音が痩せすぎず、クールでもホットでもない、常温の?モーツァルトがこうして何回も聴けるのは、本当に嬉しいことです。
日曜日のモーツァルト・マチネでは違う奏者の方だったバロック・ティンパニは、今日はいつもの奥田さん。
まあ、ホールと席の位置の違いの方が大きいのでしょうけれど、私は今日の演奏でのティンパニの音量の方が、より好ましく感じます。
コンマスは同じニキティンさんでした。

前半のモーツァルトで、もう幸せいっぱいの休憩時間。
しかし 、休憩後のマーラー「大地の歌」は、驚異の「音響」。
あまりドロドロしていないスッキリ系のマーラーは、私にとっては「音響」と呼ぶのがふさわしい…かも…。
スダーン監督のマーラーって、私はこれまであまり聴いた記憶がありません。
こういうマーラーだとは想像していませんでした。
(違うよ!と叱られるかもしれませんが)どことなく、デヴィッド・ジンマンさんのマーラーを想起させるピュア・トーンのサウンド。
東響の木管、強し!
歌手のお二方は、私の席だと逆側になるので、脳内補正回路を駆使して想像するしかないのですが、 尻上がりに高揚していった印象。
(音量が上がったという意味ではなく。)
おそらくそれを引き出したのは、バックの東響の素晴らしい音色だったのではないでしょうか?

「レコード芸術」誌の4月号で、スダーン監督は、2014年の契約満了で「10年というのはひとつの区切り」「そろそろ新しい方に交代すべきタイミングかもしれません」と語っています。
しかし、この日のような演奏を聴くとポスト・スダーン(スダーン後)の東響は、なかなかイメージしにくいのです。
もちろん、まだ、退任と決まったわけではないのでしょうが…。

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宮本文昭/東京シティ・フィル(2012/5/26)

2012年5月26日(土)15:00
ティアラこうとう大ホール

指揮:宮本文昭
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

(第29回ティアラこうとう定期演奏会)
ヴァイオリン:小林美樹

ウェーバー:歌劇「オイリアンテ」序曲
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」

良かった、良かった、期待以上に良かった!
宮本さんの指揮、かなり上手くなりました!
(プロに向かって失礼!)
特に「新世界より」は、今まで私が聴いた宮本さんの指揮した演奏のベストかもしれません。

冒頭の「オイリアンテ」序曲からして(そんなに何回も聴いているわけではありませんが)宮本さんの指揮、だいぶ「らしく」なってきたと思います。
(プロに対して偉そうにすみません。)
空回りすることなく、音にパワーがやどるようになってきました。
あえて言えば、まだ少しだけ平板に感じる時がないわけではありません。
こういうの、どこかで聴いたことがあります。
そうそう、指揮を始めて日が浅かった頃のアシュケナージさん。
強奏で音がやや団子状態…と言ったら言い過ぎでしょうか?
(しかも、そのだんごの音色はオーボエ色。)(失礼!)
でも、宮本さん、だいぶその印象が薄れてきました。

2曲目の小林美樹さんの独奏によるブルッフは、眠くなってしまったので、断片的な感想です。
(すみません。)
重箱の隅をつつけば、細部で多少荒削りの箇所はあるかもしれません。
しかし全般的には十分美しく、プロの卵のレベルではなく、プロの音楽家の域での演奏をしていたと思います。
まだ年代やキャリアからして「新人」の部類だと思いますが、順調に伸びれば、10年後には、かなりのところに行っている方でしょう。
宮本さんの指揮するオケも、かなりの気迫で、はじけるような音を出していました。

そして、休憩後の「新世界より」。
特に第2楽章以降が、素晴らしく良かったと思います。
表情付けが次々と決まり、強奏でも芯の強い音がビシッと決まる。
宮本さん経験蓄積と、シティ・フィルと息が合ってきたことと…。
その両方でしょうか?
先日の飯守泰次郎さん指揮のオペラシティでの定期演奏会でも思いましたが、4月から鷹栖さんに代わってオーボエを吹いている方、4月よりも、アンサンブル的に格段の進歩のように感じました。
ゲスト奏者が多いとは思いますが、木管のアンサンブル、素晴らしかった!
木管の音って、オケの音に色を与える重要な存在ですね。

終演後の宮本さんのスピーチ。
「このオケのメンバーは皆、皆さんには想像できないような、普通なら逃げ出したくなるようなギリギリの環境で、音楽に一生懸命取り組んでいます。その努力には本当に頭が下がります。」
「定期演奏会をやっても収入が増えるわけではありませんが、皆さんが聴きに来て下さることがメンバーの励みです。皆さんに聴いていただけなければ、メンバーの心は折れてしまうでしょう。」
「もちろん営業公演(依頼されて演奏する公演のことですかね?)も頑張って増やしていきますが、これからも、ご近所、ご親戚をお誘いいただき、足をお運び下さるようお願いいたします。」
ちょっと、…いや、かなり、じーーんと来ました。

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2012年5月25日 (金)

フォルクス・オーパー「メリー・ウィドウ」(2012/5/25)

2012年5月25日(金)18:30
東京文化会館

ウィーン・フォルクスオーパー2012年日本公演
レハール:メリー・ウィドウ

良かった!
少なくとも後半は…。
本来のフォルクスオーパーに期待している舞台にようやく巡り合った気分です。
PAを使っていりのかどうかは私にはわかりませんが、これだけ楽しませてくれれば不問、文句なし。
前半で帰ってはいけません。

第1幕が終わる頃にようやく、クスクス笑う気になってきたのは、おそらく観客側の私の心の準備のせいかもしれません。
なにしろ、つい1~2時間前まで、本業で神経を使っていたのですから。
第1幕だって、コミカルな動作や、笑わせる仕掛けは、多々ありました。
しあkし、休憩前は、ごく一部の人が「これは笑わなければならないのだ」と、無理して笑っている感もあったような…。
後半は違います。
字幕や所作に自然な反応。
音楽が鳴り終わらないのに拍手を始めてしまうのは…まあ、仕方ないのでしょうか、こういう演目では。

オケの音は、日曜日に指揮のゲッツェル氏が引き出した上質で艶やかな音とは少し違い、少し薄めだけど、動き出すと良い意味で腰の軽い、キレのある音。
こういう音の方が、私の数少ない体験に照らしても、フォルクスオーパーのオケの音にふさわしい音のような気がしました。

3幕もののオペレッタで、第2幕の途中で休憩を入れるのが本当に良いのかな?という思いはありました。
(現地でもそうしているのでしょうか?)
「おっ、面白くなってきたぞ…」というところ「はいCMです」みたいな…。
ちなみにこの日も、入り口で渡された紙片には「第1幕、休憩25分、第2幕」とありました…。

途中から再開!した第2幕、観客側のこちらは、いきなりハイテンションにはなれませんが、舞台上は、いきなりハイテンション(の続き)。
客席側は、先述のように、ようやく自然な笑いが出るようになった感がありました。

フォルクスオーパーに求めるものは、歌声はそこそこでも、演技のスピード感、笑いのツボをくすぐるコミカルな演技、肩ひじはらずに心から娯楽として楽しめること。
そういう意味では、先日の「ウィンザーの陽気な女房たち」よりも、この日の上演の方が私のニーズにはマッチしていました。

終演後、カーテンコール途中でアンコールがあったのですが、その際のピットにおけるサプライズ(一瞬、何が起こったのか理解できませんでした)は、ネタバレ厳禁なのでしょうか?
それとも、ネット上でもうすでに知れ渡っているのかな?
麻倉怜士先生 @ReijiAsakura にツィッターで教えていただきました。
この演出の目玉で、ウィーンでのプレミエの時も、そうだったとのことです。

当初は鑑賞見送りの予定だったフォルクスオーパーですが、プレミアム・エコノミー券の罠にはまって、2公演も購入してしまいました。
なんとなく空席を埋めるための大放出…の餌食になったような気もしますが、部外者の私には実情はわかりません。
この日も空席はそれなりに…、

プレミアム・エコノミー券のカモになりながら、「ウィンザーの陽気な女房たち」で“取り残された”感を味わい、「こうもり」をパスしたことを悔やみました。
しかし、この日の後半で、ようやく溜飲を下げた思い。
しかし、野暮とは言え、舞台上方のスピーカーらしきものは、何なのでしょう?

指揮:エンリコ・ドヴィコ
演出:マルコ・アルトゥーロ・マレッリ

ミルコ・ツェータ男爵:アンドレアス・ダウム
ヴァランシェンヌ:マルティーナ・ドラーク
ハンナ・グラヴァリ:アレクサンドラ・ラインブレヒト
ダニロ・ダニロヴィッチ伯爵:マルコ・ディ・サピア
カミーユ・ド・ロション:ヴィンセント・シルマッハー
カスカーダ子爵:ミヒャエル・ハヴリチェク
ラウル・ド・サン・ブリオシュ:ロマン・マルティン
モダノヴィッチ:ヨアヒム・モーザー
シルヴィアーヌ:リディア・ペスキ
クロモウ:マルティン・ヴィンクラー
オルガ:ベアーテ・リッター
プリチッチ:ハインツ・フィツカ
プラシュコヴィア:スーリエ・ジラルディ
ニェヒシュ:ロベルト・マイヤー

ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団
ウィーン・フォルクスオーパー合唱団
ウィーン国立バレエ団

20120525

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2012年5月21日 (月)

マリン/都響(2012/5/21)

2012年5月21日(月)19:00
東京文化会館

指揮:イオン・マリン
東京都交響楽団

(第735回定期演奏会Aシリーズ)
チェロ:アントニオ・メネセス

ワーグナー:歌劇「リエンツィ」序曲
シューマン:チェロ協奏曲
バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番~サラバンド
(アンコール)
フランク:交響曲

メネセスさんの美音をEx席料金で堪能出来るとは、なんとコストパフォーマンスの良いこと!
いや、都響だって、音の極上さでは負けていなかったと思いました。

冒頭のワーグナー「リエンツィ」序曲では、一瞬、二瞬、三瞬、冒頭のトランペットにひやり。
都響にしては珍しいのでは?
しかし、滑り出してしまえばもう都響の極上の音。
割りと明るめで均質化された音。
ゴージャスと言って良い響きですが、重苦しくはない、良い意味で楽天的(失礼!)な音かも。

続くメネセスさんによるシューマンのチェロ協奏曲は、「あのー、この値段(Ex席)でこんな音を聴かせていただいて、本当によろしいのでしょうか?」と恐縮したくなるくらい極上の音。
メネセスさんがこんなになる(大成する、お年を召す)のだから、こちらも歳をとるわけです…。
ふわっ、ふわふわ、ふわっ…と極上の音が立ち上がる第1楽章。
息の長い旋律も、歌い、歌い、甘美な音で歌い、終楽章は少しだけ畳み掛ける場面も。
しかし全般的な印象は「こんな美しい音が、この世にあっていいのか!」でした。
東京文化会館の音響で、この美しさは驚異的かもしれません。

アンコールのバッハ無伴奏は、指揮者のマリンさんもヴァイオリン奏者の後方の空いている椅子に座って聴いていました。
太めの筆でゆったりと書いたようなバッハ。
神経質な音ではありませんが、無神経でこういう極上の音は出ないでしょう。

前半でメネセスの美音と対等?と言って良いくらいに美しく響いていた都響。
後半のフランクでも、その美音は健在。
ただ美しいだけでなく、スピード感や、ここぞというときの気合いを含めての美しさ。
弦はもちろん、木管の美しいソロには悶絶しそうなくらい。
両端楽章の畳み掛けるような音の連射はもちろん、第2楽章の美しさは、今夜、初めて知ったような気分。
デッドな音響の東京文化会館で、出した音がすぐに消えてしまう東京文化会館で、これだけの響きを積み上げたのは、さすが都響!

この日は18:30頃、総武線各駅停車が「浅草橋駅でホーム上の安全確認を行っている」とのことで、錦糸町駅で約10分ほど運転見合わせ。
これは遅れるな…といったん諦めましたが、なんのなんの、杞憂でした。
18:54に上野駅に着き、普通に歩いて入場し、階段を普通の上り、トイレに行き、席に座ったのは18:58。
開演は定刻?の19:05でした。
音響がデッドでも、この便利さ、アクセスの良さは、通いたくなります。

20120521

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2012年5月20日 (日)

フォルクスオーパー「ウィンザーの陽気な女房たち」(2012/5/20)

2012年5月20日(日)15:00
東京文化会館

ウィーン・フォルクスオーパー2012年日本公演
ニコライ:ウィンザーの陽気な女房たち

当初は鑑賞見送りの予定だったのですが、直前までプレミアム・エコノミー券が残っているのを発見。
まんまと罠に…。

しかし、正直、よくわからなかったなぁ…とほほ…というのが偽らざる気持ちです。
もちろん、良いところは多々ありました。
しかし、ドタバタ騒ぎに没入出来ず、追従も出来ず、後半かなり惹きつけられたのもの、最後まで取り残された感は消えず…。

良かったところ。
フォルクスオーパーのオケの音って、少し荒め…という先入観があったのですが、今日の音は魅惑的!と言って良いくらい美しく鳴っていたこと。
これは指揮のゲッツェル氏の引き出したものでしょうか?

良かったところ、その2。
一度も、映像も音源も、序曲以外接したことがない演目を、日本語の字幕付きで、生で観ることが出来たこと。
例え、ウィーンへ行って現地で観ても(英語簡略字幕は付くにせよ)もっとわけがわからなかったでしょう。

良かったこと、その3。
歌手陣の中には、コミカルなだけではなしに、歌唱としてなかなか素晴らしい!と思える人が居たこと。
例えば、アンナ役の方。

良かったこと、その4。
演出はよくわからなかったのですが、それでも視覚的な面白さは、それなりにあったこと。

う~ん、無理矢理上げている感も…。

もう一回観たい?と問われたら、躊躇せずNoと答えると思います。
オペラ初心者の私が手を出す演目ではない…と、自虐的になりました。
第一、ヴェルディの「ファルスタッフ」ですら、なぜ大傑作なのか、いまだによくわからない私なのですから…。

あと、演出は視覚的な面白さはあるとは思いましたたが、なぜなんな小さい家が出てくるのか、あの車は何だったのか、よくわかりません。
歌手の演技(動作)もよくわからない所作多数。
最後の大騒ぎは、観ていて少しつらかった…。
体当たりの熱演であるだけに…。

指揮者の真上あたりの、反響板の中央に設置されたスピーカーのようなものは何だったのでしょう?
2,000円のプログラム冊子に3幕構成と書いてあるのに、休憩1回としたのは良かったのでしょうか?
(よくわかりませんが、ストーリーを読む限り、“場”は違うとは言え、第2幕途中で休憩に入ったのでしょうか?)
しかも、入場口で渡された配役表の紙片には、下部に「第1幕、休憩20分、第2幕」と書いてある…。

あの震災直後の新国立「ばらの騎士」のオックス男爵で嵐のようなブラボーを浴びたハヴラタさんも、この日はさほどブラボーも飛ばず。

うーん、ネガティブ過ぎるかな?
でも、幕が降りるや否や席を立つ人も多数。

やはりオペラ初心者の私は、「こうもり」はもういいや…などと考えず、素直に有名作を観れば良かったかな?と思いました。
しかし観なければわからないし、観なければ後悔したかもしてないので、とりあえず、プレミアムエコノミー券に感謝しようと思います。
ただ、意地の悪い見方をすれば、席を埋めるために大放出した券だったように見えなくもありません。
空席は、それなりに目立ちました。
(すみません、喧嘩を売っているみたいですね。)

指揮:サッシャ・ゲッツェル
演出:アルフレート・キルヒナー

ファルスタッフ:フランツ・ハヴラタ
フルート氏:モルテン・フランク・ラーセン
ライヒ氏:マルティン・ヴィンクラー
フェントン:ダニエル・ベーレ
シュペルリヒ:ジェフリー・トレガンツァ
カーユス:マルコ・ディ・サピア
フルート夫人:ジェニファー・オローリン
ライヒ夫人:アレクサンドラ・クルーゼ
アンナ:アーニャ=ニーナ・バールマン
給仕:フランツ・ズラーダ
野ウサギ:フロレンティーナ・クビツェク

ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団
ウィーン・フォルクスオーパー合唱団
ウィーン国立バレエ団

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スダーン/東響(2012/5/20)

2012年5月20日(日)11:00
NEC玉川ルネッサンスシティホール

指揮:ユベール・スダーン
東京交響楽団

(モーツァルト・マチネ第9回)
オーボエ:荒絵理子
クラリネット:近藤千花子
ファゴット:福士マリ子
ホルン:上間善之

モーツァルト:管楽器のための協奏交響曲
モーツァルト:交響曲第38番「プラハ」

「モーツァルト・マチネ」は昨シーズンもミューザの特等席(均一料金なので早い者勝ち!)を買ってあったのに、天井崩落で代替会場での開催。
そこまではともかく、指定席購入者向けの優先エリアは設定されたものの、自由席に。
それでも2回は通いましたが、やはり並ぶのは嫌になり、残り2回は払い戻しの案内が来たのでキャンセルしてしまいました。
今シーズンは指定席に戻ったので、再びチケットを購入しました。
11時開演で休憩なし。
終わる頃にはちょうどお腹も空いてくると言う、素晴らしい時間帯設定なのです。

一曲目の協奏交響曲、私の席の位置のせいかもしれませんが、荒さんの圧勝のような印象でした。
いや、たぶん席の位置のせいだと思います。
近藤さんも入団した頃から聴いていますが、本当に上手くなりました。
(プロに向かって偉そうにすみません!)
それでも荒さんのオーボエの音を聴くと、ああ、東響の音を作っている人は(一人だけでとは言いませんが)この人ですよ…と思います。
それはこのモーツァルト・マチネで以前、荒さんのソロでオーボエ協奏曲を聴いたときにも思いました。
とにかく極上の音としか言いようのない絶妙の音。

クラリネットの近藤さんも、首席ではないですが協奏曲でソロを吹くまでになって感無量…と言ったら大袈裟でしょうか…。
確か、先週のロウヴァリ指揮によるシベリウスの交響曲第1番でも、長いソロを吹いて、終演後に同僚の木管奏者の皆さんから握手攻めにあっていたような…。

余談のついでに…。

協奏交響曲の後は、管楽器奏者が増え、バロック・ティンパニも加わって交響曲。
ゲストにオーボエの池田昭子さんがいらっしゃっていましたが、これは例の荒さんがオーボエ協奏曲を吹いた時も、確かそうでした。
協奏曲のソロの後は、さすがに、吹かないのですね。

バロック・ティンパニが加わると、さらにメリハリが増す“スダーンさん節”。
しかし、今日はずいぶんティンパニの叩きが強く感じました。
これはやはり私の座った席の位置のせいかもしれません。
さらには、奥行きのあまりないステージでしたし。
ちなみに奏者は、いつもの奥田さんではありませんでした。

まあ、些細なことはともかく、このコンビで聴けるピリオド風のモーツァルトは、何度聴いてもある種のスリリング感を覚える、楽しさこの上ない演奏であり、もう何度も、何度も聴いているのに、今日もそのワクワク感を体感できました。

終演は12:15-20頃だったでしょうか。
メンバー表に載っている方は45人。
このうち、何名の方が初台の新国立劇場へ移動されるのかは存じ上げませんが、過密スケジュールはいつものこととは言え、お疲れ様です。
私は行きません、初台には。

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2012年5月19日 (土)

沼尻竜典/群響(2012/5/19)

2012年5月19日(土)18:45
群馬音楽センター

指揮:沼尻竜典
群馬交響楽団

(第481回定期演奏会)
ヴィオラ:今井信子

三善晃:祝典序曲
バルトーク:ヴィオラ協奏曲
ショスタコーヴィチ:交響曲第4番

高崎で沼尻さんのショスタコーヴィチを聴くのは、昨年6月以来、11ヶ月ぶり、2回目。
チケットは購入したものの、新日本フィルからのハシゴになるので、迷っていましたが、行って大正解!
全ての曲の演奏が良かったのですが、驚いたことにショスタコーヴィチが、あのインバルさんと都響の演奏に匹敵するほどの素晴らしさ!

三善晃さんの祝典序曲は、プレトークによれば、屋外での演奏を想定した大編成、大音量の作品…とのことでしたが、そこはデッドな群馬音楽センター、飽和せずに見事に音を吸収?してくれました。
意外と通俗的…などと言ったら叱られるかな?
大阪万博の開会式用の曲とのことです。

理解して聴いているなどとは口が裂けても言えませんが、三善晃さんと武満徹さんでは、私は断然、三善晃さんの曲の方が好きです。
しかし、この作品は、三善晃さんの曲からよく感じる怖さのようなものが感じられず、ちょっと意外。
まあ、用途が用途ですからね。
三善晃さんの、私の知らなかった側面を聴く機会を得たことは収穫かもしれません。

続く今井信子さん独奏によるバルトークのヴィオラ協奏曲は、“普通の版”による演奏とのこと。
専門的なことはよくわかりませんが、やはり聴きなじんだ曲の方が私はしっくり来ます。
演奏も(たぶん)正攻法。

版の問題については、プレトークで沼尻さんが、「校訂ビジネスがはやっています。詳しくはレコード芸術の5月号に…。」とおっしゃったので、帰宅して確認。
「レコード芸術」誌、2012年5月号の81ページでした。
いわく
『校訂ビジネスみたいなのがはやっているのは残念ですね。ある高名な作曲家の息子が「これが親父の本当の気持ちです」と言って、校訂版を出して版権を延ばしたりしている。著作権でひ孫の代まで良い暮らしをしようという香りが漂っています(笑)。』と。
プレトークでは、「校訂ビジネスがどれだけうまくいっているかは、楽譜を出版している会社のビルの大きさを見ればわかります」ともおっしゃっていました。

それはともかく、今井信子さんによるバルトークのヴィオラ協奏曲は、もちろん、座った席にもよるのでしょうけど、デッドな音響ながらも弦楽器の艶やかさは十分感じられました。
完全に手のうちに入っていて、美しい音楽として奏でられたバルトーク。
沼尻さんの指揮するバックのオケも万全。

そして後半のショスタコーヴィチ。
デッドな音響のホールでショスタコーヴィチを聴くのが快感になってきました。
そしてこの日の群響の演奏は、長大な静寂でも緊張感が全く途切れない驚異的な演奏。
このホールの音響で、特に弦楽器群の音に潤いを感じたくらい。

プレトークで沼尻さんは「○番はまだよくわかりません」と言っていました。
(15番だったと思います。)
ショスタコーヴィチなら何番でも振るわけではなく、手の内に入った曲だけを振っているのでしょう。
本日の交響曲第4番も、全く迷いのない意思が、隅々まで徹底されていました。

大編成が咆哮する場面も、なにしろ東京文化会館なみにデッドな音響ですから、少なくとも私の座った席では、混濁せず、分解能が高い明晰な音に聴こえます。
残響感は体感的には0.2秒くらい?
演奏の緊張感が最後まで途切れなかったのは驚異です。
最後の部分も恐ろしい静寂の中、緊張感を維持して終わりました。
で、フライングの拍手ではなかったのですが、沼尻さんが脱力する前に拍手を始めてしまった人が数人いたのはちょっと残念。
あと2~3秒、待てなかったものでしょうか?

まあ、拍手開始に対する思いはありましたが、この曲のこんな演奏が聴けたので、新幹線に乗って高崎までハシゴして来て、良かったと言うべきでしょう。
さすがにそう頻繁には行けませんが、1年に一回くらいは聴きに行きたいな。

感想をツィートしていたら、あっという間に上野駅。
終点東京駅はすぐです。
新幹線を使えば、群馬音楽センターは近い、近い。
いや、近いのではなくて、所要時間が短い。
いや、短く感じられる。
千葉県民の私から見れば、パルテノン多摩や所沢ミューズよりも、行くのに心理的抵抗感が小さい。
もちろん、金銭的抵抗感は忘れての話しですが…。

錦糸町駅を6時間ぶりに通り、帰宅。
長い一日でしたが、演奏が良かったので疲労感はありません。
たぶん、音楽による覚醒作用のせいだと思いますが…。

追記(2012/5/29):
会場でアンケートを書いて提出してきたら当選し、沼尻さんと今井さんのサインを群響さんからいただきました。
ありがとうございます。
思い出と一緒に宝物にします。
20120519

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アルミンク/新日本フィル(2012/5/19)

2012年5月19日(土)14:00
すみだトリフォニーホール

指揮:クリスティアン・アルミンク
新日本フィルハーモニー交響楽団

(第494回定期演奏会)
ソプラノ:天羽明惠
アルト:アネリー・ペーボ
テノール:望月哲也
バリトン:イシュトヴァーン・コヴァーチ

ボーイソプラノ:髙坂祐人、田代新
ボーイアルト:小林雪音、髙坂幸代

(東京少年少女合唱隊メンバー)
指導:長谷川久恵

合唱:栗友会合唱団
合唱指揮:栗山文昭

ドヴォルザーク:交響詩「金の紡ぎ車」
マーラー:「嘆きの歌」
(初稿版)

企画の勝利です。
しかし、それだけではありません。
演奏の勝利、歌唱の勝利、指揮の勝利。
悲しい(哀しい)曲ですけど。

やや類似したストーリーを題材にし、ルーツの近い二人の作曲家の曲を並べたアルミンクさんらしい企画。
こういうの、もっと評価されるべきだよな~と開演前から少し感動します。

ドヴォルザークでは、さほど作曲家の民族的な側面は出していなかったように感じます。
あくまでもシンフォニックなストーリーや描写する音楽としての、熱弁さの側面を強く出した演奏の印象。
音は強く、揃ってよく鳴っており、指揮者とオケの関係は復調したのかな?と嬉しくなるくらい。
アルミンクさんの貴公子のような風貌で時々忘れてしまいますが、地理的には、アルミンクさんの出身地のウィーンと東欧は、結構近いはず。
かつての「ハーリ・ヤーノシュ」での熱く激しい演奏や、先週のモルダウの情感も思い出します。
この日の演奏のようなスタイリッシュでないときもあるのも面白い。
曲によって使い分けているのかな。

前半の演奏終了後も会場はかなり湧いていましたが、後半のマーラーでの、演奏終了後、数秒の静寂を保った後に始まった拍手も熱かった。
アルミンクさんの時にこれだけ会場が湧くのは久しぶり?(暴言失礼!)
確かに賞賛に値する、秀逸な、音楽監督による定期演奏会にふさわしい演奏でした。

独唱、合唱だけでなく、バンダと副指揮者、いや、舞台上のオケだって小編成ではありません。
これを統率し、これだけの統一感を持った演奏、歌唱に仕上げたアルミンクさんの力量は、もっと、もっと、評価されて良いと思います。

作品としての「嘆きの歌」は、個人的には、音を聴く“予習”はしたのですが、せっかく先週聴きに来てプログラム冊子を入手したのに、歌詞対訳を“予習”しなかったのを後悔しました。
演奏直前にざっと和訳を読んだだけですが、読まないより読んだ方が良かったのは言うまでもありません。
ただ、演奏中に字面を追ってしまうと、せっかくの生演奏を聴いているのにつまらなくなってしまうのは体験済みですので、プログラム冊子はしまって聴きました。

「嘆きの歌」という作品は、マーラーが大作曲家として扱われるようになったから、頻繁に演奏されるようになった曲なのでしょうか?
いや、もし仮にそうであっても、このマーラー最初期の作品は、マーラーが大作曲家であることを証明する傑作であることを、アルミンクさんは教えてくれました。

今シーズンの定期演奏会のラインナップは、恒例だったオペラが無くて残念でしたが、この日の「嘆きの歌」は、その穴を埋めるような素晴らしい“総合芸術”だったように受け止めました。
アルミンクさんが任期中にマーラーを振る機会は残り僅か。
もっと聴いておけば良かった…。

新日本フィルのトリフォニー定期は、今シーズンはあと一回(2日)で終わり。
早いものです。
この分だと、アルミンクさんが任期中に振るマーラーの回、最終回も、あっという間に来てしまうような気がします。

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2012年5月18日 (金)

ラザレフ/日フィル(2012/5/18)

2012年5月18日(金)19:00
サントリーホール

指揮:アレクサンドル・ラザレフ
日本フィルハーモニー交響楽団

(第640回定期演奏会)
ピアノ:上原彩子

【ラザレフが刻むロシアの魂《season1 ラフマニノフ》】
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番
チャイコフスキー:交響曲第3番「ポーランド」

この日の演奏が100点満点だとすると、明日はもしかしたら110点くらいになるかもしれません。
しかし、100点満点でも十分!
チケット代払ってお釣りが返って来たような気分です、前半も、後半も。

まずは、偶然とは言え、上原彩子さんのピアノで、中5日で、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番、第3番が聴けた幸せ。
先週の土曜日は、ノーマークだった、ロウヴァリさん指揮、東響交響楽団「川崎名曲」の、代役での第2番でした。

上原さんは今日もアンコール無し。
いらない、いらない、本編だけでも十分過ぎてお釣りが返ってきました。
アンコールを弾く気力・体力は協奏曲本編に、惜しまずつぎ込んでくれました。
演奏終了直後の客席は、フライングすれすれのブラボーと拍手だったのですが、まあ無理もないでしょう。
上原さんはクリアーな音の粒子を絶妙に散りばめた上に、音を置きに行く様子は皆無の迫真の熱演。
所々、腰を椅子から完全に浮かせて、立ち上がるのでは?と思うくらい。
それでいて自分だけの世界に没頭せずに、オケの方を見ながら弾く場面も…。

前半も後半も、ラザレフさん大暴れ。
明日に備えて体力温存を図るオケとの綱引き…と見たのはひねくれ過ぎでしょうか?
でも、結局はラザレフさんの、怒濤のがぶり寄りで指揮者の圧勝!

チャイコフスキー:交響曲第3番「ポーランド」は、専門的なことはわかりませんが、悲愴交響曲と比べるのは、演奏と言うよりも、曲の格が違うのでしょう。
(飯守泰次郎さんがレクチャーで「4番で突然の円熟」と仰っていました。)
日曜日の同じコンビの悲愴を聴いた身としては…。
まあ、それはさておき、いや、それを差し引いても、今日の第3番も、細部へのこだわりと、萎縮しない豪快さが両立した高次元の演奏だったことは確かです。
静かな部分の音の出だしでも、全く音が雑にならず、フワリと。
こんな音、他の、世評で“うまい”と言われている他の在京オケでも、よほど好調のときでないと出ませんよ。
ああ、やっぱり、指揮者って本当に重要なんだな~と、しみじみ思います、このコンビの演奏を聴くと。
日本フィルさん @Japanphil の終演後のツィートによれば、
>初日、1日かかっても1楽章すら終わらない、
> と思えるほど延々とリハーサルしていた
> チャイコフスキー、見事な本番はあっという間!
とのことで、やはりあの完成度の高い音は、徹底的にオケを鍛えたリハーサルから産み出されたのですね。

次第にエンジンが暖まり、ヒートアップしていく様子が手に取るようにわかりましたが、第1楽章や第2楽章の最後は、割りと脱力してサラッと終わらせ、アッサリ味でちょっと意外。
しかし第5楽章の終結部は、半狂乱の獅子のごとき凄まじさ。

終演後のラザレフさんは、オケを讃えて拍手をし、握手を繰り返し、しまいには舞台下手の少しくぼんだ所(ガラスのある所)に腰掛けてオケに拍手を贈り、場内からはどっと笑いが…。
最後は総譜を持って高く掲げながら引き上げたラザレフさん、客席あちこちに目を向けて会釈を続けます。
ラザレフさんは本当によく客席を見ています。
前半の協奏曲では、第1楽章が終わった所で正面客席の奥の方に視線をやり、遅れて入場したお客さんがいないか確認?
(1階席は途中入場者ゼロだったのですぐに指揮を始めましたが、実は2階席後方から、ぞろぞろと途中入場は続いていたのでした。それはともかく…)
後半の交響曲では例によって正面客席を向いての演奏終了。
在京オケのシェフで、愛嬌の良さでラザレフさんにかなう指揮者は居ないですね。

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2012年5月16日 (水)

飯守泰次郎/東京シティ・フィル(2012/5/16)

2012年5月16日(水)19:00
東京オペラシティ コンサートホール

指揮:飯守泰次郎
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

(第259回定期演奏会
ブルックナー交響曲ツィクルス第1回)
ヴァイオリン:ジェニファー・ギルバート
ヴィオラ:ハーヴィー・デ・スーザ

モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲
ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」

終演後、会場を出たところで、中高年(失礼!)の御婦人二人連れが、「すごいねー。よくわからないけど、すごいねー。」と。
そう、よくわからなくても、すごいんです、すごかったんです。
“各論”に少しだけ目をつぶって“総論”大賛成!
こういう音響空間に身を置きたくて来たんだよ!…と幸せな時間帯、ゴールデン・タイム!

前半のモーツァルトの協奏交響曲では、小編成に刈り込んだ(←これが本来の東京シティ・フィルの姿かも?)オケの響きは意外なほど(失礼!)美しい。
飯守さんにしては、軽めに感じる音かもしれません。
でも、ティンパニも入っていない編成ですので…。
二人のソリストも、突出することなく、良い意味での“協奏交響曲の枠内”で美音を奏で、艶やかで嬉しくなります。
ノンビブラートではありませんが、スリリング感、スピード感よりも、しみじみと幸福感を与えてくれる演奏。

ジェニファー・ギルバートさんは、以前、都響A定期で聴いたときは、いまひとつもどかしさを感じたのですが、本日のモーツァルトでのソロは、私は文句なし。
客席の反応は(ブラボーの声こそありませんでしたが)かなり熱く、大喝采と言って良いと思います。

休憩後のブルックナーは、前半の微笑みのような幸福感から一転、とてつもないど迫力。
前半の協奏交響曲ではヴィオラ内側の配置でしたが、後半はヴィオラ外側の配置へ。
大編成になると、飯守さんらしい、ズシーンという重低音。
細部に難癖をつけようと思えば、いくらでもあると思います。
しかし、それをあげつらうことに何の意味がある?と思えてきます。
これだけ全奏者、超・熱演と言って良い全力投球、それが爆演ではなく、神々しい大音響になるとは…。

…と言いつつ、静かな部分では、所々、少し苦しい箇所は散見されたのは事実です。
しかし、弦や木管のニュアンスは、前半にモーツァルトを演奏した効果?と言いたくなるような美しい音が多々ありました。

最後の音が残響となって消えていく瞬間、拍手は始まりました。
正直、あと1~2秒待てなかったのかな…と言う思いはありますが、まあ、許容範囲でしょう。
飯守さんが答礼するときは、会場はブラボーの嵐。

プログラム冊子に挟まれていたチラシによれば、 飯守泰次郎さんと東京シティ・フィルによるブルックナー交響曲ツィクルスは、全5回とのこと。
全曲ではないみたいです。
この日の第4番を初回として、1年に1回、第5番、第7番、第8番、第9番とのことです。

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2012年5月15日 (火)

下野竜也/読響(2012/5/15)

2012年5月15日(火) 19:00
サントリーホール

指揮:下野竜也
読売日本交響楽団

(第515回定期演奏会)
ヴァイオリン:三浦文彰

ライマン:管弦楽のための7つの断章
     -ロベルト・シューマンを追悼して-
    
(日本初演)
シューマン:ヴァイオリン協奏曲
パガニーニ:パイジェルロの「水車屋の娘」の
     「わが心、もはやうつろになりて」
      による変奏曲Op.38
(アンコール)
シューマン:交響曲第2番

三浦文彰さんのアンコールとシューマンの交響曲第2番はエキサイティング!
シューマンのヴァイオリン協奏曲は捉え所がよくわからず、冒頭のライマンは気が狂いそうになりましたが、終わり良ければ全て良し…ですかね。

プレトークで「シューマンが精神を病んでいく様子…」と下野さんが語ったライマンの7つの断章、多少の現代音楽でも驚かないつもりでいたのですが、もしこの曲がBGMとして一日中かかっていたら、本当にメンタル的に異常をきたしてしまいそうな体感でした。
プレトークで「スピーカーを通した音ですが…」と下野さんが言って流したきれいなメロディ。
「シューマンが、自殺未遂の前、最後に作曲した曲」とのことで、「このメロディが現われます」とおっしゃっていて、確かに現われるのですが、きぃーー、きぃいーーというガラスをこすったような騒音(失礼!)の中から、断片的にきれいなメロディが浮かび上がると、かえって異常感が倍増。
いやはや、よくもまあ、こんな曲を書いたものだと…。
でも、本当に、シューマンは、こんな感じで病んでいったのかも…と思える曲ではありました。

続く、三浦文彰さんによるシューマンのヴァイオリン協奏曲、なんか、淡々と(?)弛緩した(?)テンポで弾かれたように感じたのは、私の理解力不足でしょうか?
しかし、アンコールが超絶技巧で、めちゃくちゃ面白かった。
「アンコールばかり練習してきたの?」と意地悪いことを考えたら、“三浦文彰さん・通”の友人に休憩時間にロビーで話しを聞くと、三浦さんは腕が立つので、協奏曲はさらりと弾けて(!)しまい、アンコールであっと驚かせることがよくあるのだとか…。
協奏曲から会場大喝采で、“取り残された・感”があったのですが、それにしても、アンコールは面白かった。
本編の協奏曲は…、うーん?

気を取り直して、休憩後のシューマンの交響曲第2番、これが下野さん気合い入りまくりの快演!
音楽を聴く喜びって、このワクワク感なんですよね。
スクロヴァチェフスキさんのレパートリーだったために、下野さん、これまで、あまり振らなかった(?)のかな?
下野さんの指揮の動作は切れ味鋭く、ときに広上淳一さんの動作みたいに大見得?を切る場面も…。
しかし、その見た目ほどはシャープなサウンドではなく、弾力性のあるなめらかな音の連続。
第3楽章のゆったりとした部分も含めて、音が語りかけてくるような魅惑。
第1、第2、第4楽章は、飛び跳ねたくなるような、はつらつとした躍動。

…というわけで、冒頭のライマンで気が狂いそうになり、協奏曲で長く感じた演奏会、三浦さんのアンコールで目を覚まし、シューマンの交響曲第2番で「そうそう、こういうのを期待して聴きに来たんだよ!」と喜んでお開き。
後味はものすごーーく良い!

しかし、秋の日生劇場「メデア」の予告編ですか?と邪推していたライマンの作品が、予想外に私と相性が悪かったので、「メデア」はどうしようかなぁ…。
聴きたくないような、相性をもう一回、確かめに行きたいような…。

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2012年5月14日 (月)

小泉和裕/都響(2012/5/14)

2012年5月14日(月)19:00
サントリーホール

指揮:小泉和裕
東京都交響楽団

(第734回定期演奏会Bシリーズ)
ピアノ:アンドレア・ルケシーニ

ブラームス:ピアノ協奏曲第1番
シューベルト:即興曲Op.90-2
(アンコール)
ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第1、第2組曲

ブラームス若書きの、豪快だけど荒削りな協奏曲…などという(私の)先入観を180度覆す滋味のある演奏。
第4交響曲よりも後に書かれた晩年の曲だよ…と言われても信じてしまいそうな枯淡の境地?
クリアなピアノの音色は一点の曇りもない透明感。
がなり立てず、淡々と、しかし、無限のニュアンスを込めて弾く。
例によって協奏曲でも暗譜!の小泉さんの作り出すオケの音も、例によってしなやかで美しい限り。

アンコールとして演奏された、シューベルトの即興曲。
リサイタルを聴いてみたいくらい良かったのですが、音のクリアーさ、透明感は協奏曲の方が魅惑的だったかもしれません。
(贅沢なこと…いや、偉そうなことを言ってすみません!)

後半の「ダフニスとクロエ」、もしかしたら、私は、第1組曲を聴くのは初めてかもしれません。
正直、ブラームスとラヴェルぅ?と思っていたのですが、第1組曲冒頭の静かなニュアンスで見事につながり、やがてブラームスには無かった爆発、炸裂を繰り返し、圧倒的な終結へ。
基本的に極彩色ではなく、もしかしたら水墨画風かもしれませんが、しなやかで力強く、墨が飛び散るような爆発は、太筆で思いっきり“描いた”書道のよう。

こういう一心同体のような演奏を聴くと、小泉さんの都響定期へに登場回数が多くないのが残念になってきます。
そう言えば私は、小泉さんは文化会館でばかり聴いているかもしれません。
それでも十分に満足してきましたが、サントリーホールの音響で聴く小泉さん、さらに素晴らしい!

「ダフニスとクロエ」第1、第2組曲、ああ、なぜ全曲をやってくれないんだろう、もう終わってしまった…という、素晴らしいご馳走を腹八分目…という体感なのですが、そうか、全曲をやると合唱が必要なのでしたね。
ダフニスとクロエの合唱ってステージに乗りましたっけ?
(覚えていない
全曲聴きたかった!と思いつつ、あれ、もしかして全曲だと、私はP席を追い出されたのかな?と。
組曲でも、聴けたことを喜びましょう。

…と言いつつ、昨年10月の、ジョナサン・ノット/東響の「ダフニスとクロエ」のパンフレットを引っぱり出して見たら、P席も販売していました。
(記憶は曖昧)
合唱はステージに乗るのか!
よし、これで堂々と言えます。
全曲を聴きたかったぁ!

20120514

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2012年5月13日 (日)

ラザレフ/日フィル(2012/5/13)

2012年5月13日(日)15:00
杉並公会堂大ホール

指揮:アレクサンドル・ラザレフ
日本フィルハーモニー交響楽団

(日本フィル杉並公会堂シリーズ第1回)

グラズノフ:バレエ音楽「ライモンダ」より
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」

一度、杉並公会堂に行ってみたいと思って買った本日のチケット。
その恩恵で昨夜は横浜には行かず、予定が空いており、東響「川崎名曲」という定期会員から見ればノーマークだった演奏会に起こった奇跡のような出来事に立ち会うことが出来たのは喜ばしい限りです。
そして今日はラザレフさんが指揮をするという、私の杉並公会堂への初見参としては、これ以上無い役者。

開演のベルが鳴った後、通訳付きのラザレフさんによるプレトークがあり、語る、語る、熱く熱く語る。
オケのメンバーが入ってきたのは15:20くらいになりました。

前半のグラズノフのバレエ音楽「ライモンダ」からの抜粋、指揮者が登場した時、あれ、オケが立たない、立たせない…。
ラザレフさん、答礼後、振り向いた瞬間の振り下ろしました。
爆発すりような曲ばかりで、いつ終わるのか…いや、終わってしまうのか、お、まだ続くぞ、よしよし。
この曲の、これだけ気合いの入ったど迫力の演奏は、おそらく、そうそう聴けるものではないでしょう(昨夜の、みなとみらいホールを除いて)。
この日のラザレフさんは、曲が終わるごとに、すぐに次の曲の指揮動作に入り、途中での拍手はなし。
こういう、比較的耳に優しい(はずの)曲で、超・豪快な演奏。
この演奏で踊れるのかどうか、私にはわかりませんが、そんなことはどうでも良い。
休憩前にすでに満腹感。
しかし期待通り、休憩後は、やはりもっと凄かった!

プレトークでラザレフさんは「静寂を味わって下さい」というようなことを何度も言っていました。
「第1楽章と第4楽章が重要、中間楽章は間奏曲のような位置づけ」
「シューベルトの未完成交響曲とよく似ている」
とも。

そのプレトークの言葉の通り、第1楽章は凄まじい。
豪快に見えるラザレフさんの指揮、実は細部にかなりこだわっています。
大きな腕の振り回しの間に、数えきれないほどのキューの出しまくり。
本番でこれでは、リハーサルでは相当しごいたのかもしれません。
そういう細部にこだわった上での豪快な鳴らし方だから威力抜群。
あるいは、長い休止の後の音出しなども、ピッタリ揃った上でフワリと音が立ち上がり、絶妙。
第1楽章が終わった時は、聴いていたこちらの方もホッと一息。

そしてプレトークの通り、第2楽章、第3楽章は、少し肩の力を抜いて聴ける演奏。
そうは言っても、相当に凄い音響だったですけど。

第3楽章終了後、ラザレフさんは客席に「ちょっと待って」というように手を上げた後、、コンサートマスターの木野さんに話しかけて、待ちました。
私は左側のバルコニー席に座っていたので良くわかりませんでしたが、コンサートマスターの楽器にトラブル(弦が切れたとか)があって、それを調整して戻って来るのを待っていたのかな?
楽器が戻った後、ラザレフさんの指示で、オーボエが音を出し、軽く調弦してから第4楽章へ。

おそらくラザレフさんは、第4楽章を万全の体制で演奏したかったのでしょう。
そして、その演奏は、本当に、涙が出そうになるくらい素晴らしかった!
目頭が熱くなり、鼻水が出そうになり、困りました。
そして長い静寂。

会場の聴衆は、ラザレフさんが手を下ろしても、身体の力を抜くまで静寂を守り、その後、静かに始まった拍手は少しずつ大きくなり、大喝采へ。
本当に感動的な、指揮者、オケ、聴衆が一体となった演奏会でした。

冒頭に書いたように、杉並公会堂は初めて行ったのですが、駅から徒歩7分と言う割には、歩いてもさほど遠く感じず、会場の雰囲気もコンサートホールそのもの。
空間はかなり小さく、天井もさほど高くありません。
おそらくどの席からでも、舞台との距離感は感じないのではないでしょうか。
開演前に2階正面席も行ってみましたが、「うわっ、近!」という印象でした。
日フィルも空間の鳴らし方を心得ていると見えて、比較的小空間(1190席)の割には金管の強奏でも音の飽和感は感じませんでした。
ただ、静寂の時に、空調?の暗騒音をかすかに感じたような気がしました。
まあ、神奈川県民ホールほどでないので、さほどは気になりませんでしたが…。

杉並公会堂は、私の住まいからだと、たぶん、横浜みなとみらいホールよりも所要時間が短かいと思います。
しかし、なぜか「遠い」という思い込みがあり、心理的ハードルが高くて、敬遠していました。
しばらく、ラザレフさんも、インキネンさんも予定がないようですが、また行ってみたいホールです。

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2012年5月12日 (土)

ロウヴァリ/東響(2012/5/12)

2012年5月12日(土)18:00
川崎市教育文化会館

指揮:サンットゥ=マティアス・ロウヴァリ
東京交響楽団

(名曲全集第77回)
ピアノ:上原彩子

シベリウス:交響詩「フィンランディア」
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
シベリウス:交響曲第1番
シベリウス:アンダンテ・フェスティーヴォ
(アンコール)


この指揮者、26歳!
もしかして、只者ではないのでは?
すぐに定期演奏会に招聘すべし!?
直ちにウルバンスキさんと同格に扱った方が良いかもしれません!
早く次の招聘をしないと売れっ子になって、もう来てくれないかも…。

この若き指揮者による冒頭の「フィンランディア」、すでに成熟した音楽。
表情付け、メリハリ、アクセント、申し分ない!
動作はしなやかで変に肩に力の入ったところはなく、指揮の指、手、腕、そして身体の動きが見事に音に変換。
そう、指先まで駆使した指揮!

今回は予期せぬアクシデント。
昨夜のオペラシティでの演奏会では、ヴァイオリン協奏曲のソリストのヴィルデ・フラングさんが開演直前に急病で降板し、ニールセンのヴァイオリン協奏曲がまるごとカットされ、払い戻しも行われたとのこと。
この日は曲目をラフマニノフのピアノ協奏曲第2番に変更したとは言え、急きょ代役に上原彩子さん!
これは敢闘賞!ものの対応だと思います。

「上原彩子さんによるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番」と聞いただけで凄い演奏になることは十分予感できましたが、やっぱり恐ろしく凄い!
硬軟、剛柔、豪快・繊細を駆使した脅威のピアノ。
それも軽自動車で無理やりスピードを出しているのではなく、ベンツ級の車の快走!
近々、日フィル定期で弾く3番に配慮して2番を選択したのかもしれませんが、余裕で代打の満塁ホームラン。
バックのオケも、交響曲並に気合いの入った演奏。
この若き指揮者、やはり只者ではない?
昨日の今日ですよ。
よくぞ急ごしらえでここまで…。

そして後半のシベリウスの交響曲第1番。
よくもまあ、これだけオケをドライブすること、この若さで。
いや、冷静に考えれば、この若さでツアーが出来る指揮者ということなのですね。
相当の才能と見ました。
それに一糸乱れず、泰然とトレースした(トレースすれば凄い演奏になるはずの指揮!)東響のポテンシャル高し!
このような「引っ掻き回し」の指揮をこの若さでやったら、普通は粗雑な「爆演」になってもおかしくありません。
それが、この高次元のサウンドの嵐にしてしまう指揮者と、それに応えた東響、素晴らし過ぎ!

昨日は、フィンランディアの後に休憩、休憩後に交響曲第1番を演奏し、第3楽章をアンコールに演奏したと伝えられています。
アンコールに昨日と同じ交響曲の第3楽章を聴けるのかとワクワクして待っていたら、今日は違いました。
シベリウスのアンダンテ・フェスティーヴォとのこと。
しかし、これまたたっぷり歌った素晴らしい演奏。

川崎市教育文化会館、旧称・川崎市産業文化会館。
このホールは、私は1979年以来、なんと33年ぶり!
(そのときは、この日の指揮者、ロウヴァリさんは生まれていなかった!)
心配した音響は、やはり残響感は乏しいですが、私の座った1階席前方に関しては、さほど悪いとも思わずに音楽を楽しむことが出来ました。
もちろん、ミューザと比べるのは酷でしょうが。少なくとも、きょう私が座った席では、むごいというほどの音響ではなかったので「今シーズンは全部パス」と決めていた東響「川崎名曲」に対する方針を、少しは見直さないといけないかな。

ちなみに、この日の私は、TSOフレンズ対象の招待券。
「私のような一般人の所に招待が来るということは、売れていないから席を埋めてくれということ?」とひねくれたことを考えておりましたが、ネット上で昨日の初台での演奏の評判がすこぶる良い上に、上原彩子さんというサプライズまで付いて、喜々として足を運んだのですが、その価値は十分にありました。
お金を払ってでも、聴くべき演奏会でした。
いや、TSOフレンズの年会費は払っていますよ。

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追記(2012/5/13)

この日の演奏、シベリウスが良かったのは、それなりに主催公演用の日数をかけてリハーサルをしたのでしょうから、まあ、それほど驚きません。
(いや、演奏自体は驚くほど凄かったのですが…。)
それよりも、金曜日の夜のアクシデントから土曜日の本番までの間で、ラフマニノフのピアノ協奏曲のオーケストラ・パートが、あのレベルの演奏に仕上がった…いや、ハイクオリティの演奏になったということは驚嘆する以外にありません。
さすがは過密日程の東響!

私は、てっきり、若き指揮者は、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を、何度か指揮したことがあったものだと思いましたが、楽団員の方のツィートを拝見すると、
> 若い指揮者が不慣れなレパートリーをぶっつけで指揮、
> しかもゲネプロからたった一時間半で手の内に入れて
> しまったというミラクル
とのことで、またまたびっくり。
あれだけの魅惑的な表情付けが出来ていたのに!ですよ。

昔の話しと比較することは意味が無いかもしれませんが、たぶん1980年代くらいまでは、東響も都響も、たぶん他の在京オケも、協奏曲まで練習の手が回らず、序曲=快演、協奏曲の伴奏=粗雑、交響曲=快演、…ということが結構あったように思います。
それも、地方公演ではなく、東京文化会館での定期演奏会での話しです。
秋山和慶さんの時ですら、ジャン・フィリップ・コラールが弾いたラフマニノフの2番の伴奏は音が荒かった。
休憩後のチャイコフスキーの交響曲第4番がもの凄い快演で、私の秋山/東響ファンは、そこからスタートしているのですけれど。

あるいは、CD化されているペーター・マーク/都響のシューマンの2番の名演。
私は会場で聴いたのですが、その日の休憩前に演奏されたドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲のオーケストラ・パートは、かなり粗雑でしたた。
今の都響ではあり得ませんが…。

そういう時代も多少は知っているので、いまの東響、この日の東響が、本当に限られた時間で、いまの時代の定期演奏会に持ってきてもおかしくないレベルに協奏曲を仕上げてしまったことは、本当に驚嘆します。
東響って、本当に凄い。
過密スケジュールに強すぎる!

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アルミンク/新日本フィル(2012/5/12)

2012年5月12日(土)14:00
すみだトリフォニーホール

指揮:クリスティアン・アルミンク
新日本フィルハーモニー交響楽団

(新・クラシックへの扉 第21回)

ワーグナー:歌劇「さまよえるオランダ人」序曲
ブリテン:4つの海の間奏曲
ドビュッシー:「海」-3つの交響的素描
スメタナ:連作交響詩「わが祖国」より「モルダウ」
ヨゼフ・シュトラウス:ポルカ・マズルカ「とんぼ」
(アンコール)

「さまよえるオランダ人」序曲、パワフル・アルミンク炸裂!
軽金属などではなくて重金属ですよ。
ズシンと。豹変したときの君子、激しい。
分厚い辞典のような総譜で指揮していましたけど、あの続きのページ、心底、聴きたい!と思いました。
もう、たぶん、かなわぬ夢ですけど…。

ブリテンの「4つの海の間奏曲」も十分過ぎるほどテンションの高い演奏。
私はアルミンクさまを就任当時から聴き続けてきたわけではないのですが、当時、若すぎるくらい若かった指揮者は、年月を経て研鑽を積み重ね、成長しているのだろうなぁ…と想像させてくれる高品位のサウンド。

休憩後のドビュッシー「海」は凄いうねり、嵐のような。
何度も咆哮するオケ、半狂乱に近い熱血の指揮。
この演奏、定期演奏会並みのクオリティです。
繊細と言うより大胆。
確かに、今の新日本フィルには、こういうアプローチの方がはまるかもしれません。

最後のスメタナの「モルダウ」は、確か私がチケットを購入した時点では記載されていなかったと思います。
3曲からなる「海」プログラムに「川」が追加された理由は、音楽的なものか、時間的なものか、興行的なものなのか?
確かに、残念なことに、この日も客席は空席が多い。
安価な3階正面席はかなり埋まっていましたけど、1階席はかなりの空席。
それはともかく、、3つの「海」に追加された「川」、まあ全部「水」なんですけど、なにもドビュッシーの「海」の後に演奏しなくても…と言う思いは多少あったものの、最後の方はワーグナーみたいになって豪快!
これはこれで聴けて良かったと言うべきでしょう。

アンコールポルカ・マズルカ「とんぼ」は、静かなところのニュアンスは多少「課題あり」のような気もしないではないですが、野暮なことを言わずに楽しむべき曲でしょう。

音楽監督とオケのメンバーのわだかまりが解消したのかどうかは、部外者の私にはわかりません。
しかし、少なくとも私には、演奏のクオリティは私には十分に満足出来るレベルです。
そもそも、例のキャンセルで、かなりの感情的な波風が立ったと言うことは、それまで、いかにオケのメンバーが、音楽監督を頼りにしていたか、ということではないでしょうか?
これも、部外者の私には、想像するしかありませんが…。
任期満了まで15ヶ月。
まだ、さらに、このコンビの実績を積み重ねる時間は十分にあるはずだと思います。

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追記:
終演後のCD購入者向けサイン会。
アルミンクさまは、一人一人に、自分から先に「コンニチワ~」と声をかけ、握手。
私はあまり言葉が浮かばなくて、下手な英語で、
「今日のパワフルなサウンドは、私にとってエキサイティングな体験でした。」
と伝えるのがやっと。
(日本語で言っても、隣りにいらした方が通訳してアルミンクさんに説明してくれていたようですが。)
アルミンクさまは「アリガトー、thank you for coming.」と返事をして下さいました。

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2012年5月10日 (木)

下野竜也/読響(2012/5/10)

2012年5月10日(木)19:00
サントリーホール

指揮:下野竜也
読売日本交響楽団

(第549回サントリーホール名曲シリーズ)
ヴァイオリン:クリストフ・バラーティ

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
エルンスト:シューベルトの「魔王」による大奇想曲
(アンコール)
≪下野竜也・ドヴォルザーク交響曲シリーズVIII≫
ドヴォルザーク:交響曲第2番

下野さんのドヴォルザーク・シリーズは、この日で全曲完結とのことです。

この日、私が座った席は、生々しい、直接音に近い音響で、ちょっとびっくり。
位置的には、壁からの反射音だと思われます。
そんな音で始まったブラームス、普通に良い。
…としか言いようがないのですが、正攻法でブラームスをブラームスらしく鳴らした演奏。
普通の太さの筆で、普通に描いたブラームス。

バックの読響も、普通に正攻法で素晴らしい。
最初にオケが鳴り始めたとき、「ああ、ブラームスだ!」(←当たり前)と身体がとろけるような感覚を覚えました。
そう、下野さんのブラームス、たまたま私が聴いていないだけかもしれませんが、(私は)あまり聴いたことがない…かも…しれません??
忘れているだけかもしれませんが…。
正攻法で絶妙。
弾力性があり、適度な重みもあって…。
ただ、第2楽章の管楽器のアンサンブルは多少の課題あり?
いや、私の席の音響のせいかもしれません。

ソリストのバラーティさんの、協奏曲の後のソロ・アンコール、またこの曲を聴くことになるとは少し驚きました。
3月の東京シティ・フィル定期で、渡辺玲子さんがアンコールに弾きました。
実はヴァイオリンの世界では有名曲なのでしょうか??
超絶技巧、しかし、シューベルトとは別物のような気も…。

後半のドヴォルザークの交響曲第2番は、この曲の、これほど献身的で(指揮者もオケも)、感興が乗って、最後は白熱した演奏は、もう当分(一生?)聴くことが出来ないだろう…ということは十分に理解して聴いていました。
終演後は、しばし終楽章の旋律が耳から離れませんでした。
しかし、…。
う~ん…。
「お前の“予習”不足だよ」と言われればそれまでですが、正直、もう一回聴きたい?と問われれば、返答に窮するのは否めません。
特に第2楽章、展開がわからず、長く感じました。
途中からドヴォルザークを聴いているのか、ブルックナー?を聴いているのか、妙な感覚に。
こんな珍曲(暴言失礼)でも、終演後の会場はかなり湧いていました。
すぐ席を立つ人々も結構多かったですが、それはいつものこと?
私は最後まで残って拍手をしました。
献身的な演奏に。
感動…と言って良いのかわからないですけれど、手抜きのない指揮、演奏に、感謝…の気持ちは間違いありません。

曲にネガティブな感想を書いてしまいましたが(←大作曲家ドヴォルザークに対して素人の分際で)、この日で全曲完結した下野さんのドヴォルザーク交響曲シリーズの偉業を讃える気持ちは、十分に持ち合わせています。
短期間ではなく、何年もかけて少しずつ取り組み、途中で頓挫しなかったのは、下野さんは当然のこととして、読響の事務局も敢闘賞!だと思います。

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2012年5月 7日 (月)

ハーディング/新日本フィル(2012/5/7)

2012年5月7日(月)19:15
すみだトリフォニーホール

指揮:ダニエル・ハーディング
新日本フィルハーモニー交響楽団

(創立40周年記念特別演奏会)
メゾ・ソプラノ:藤村実穂子

R.シュトラウス:組曲「町人貴族」
ワーグナー(モットル編):女声のための5つの詩
          「ヴェーゼンドンク歌曲集」
マーラー:交響曲第1番「巨人」

おととい、一度、十分に驚いているのに、今日も口をあんぐりと開けて、目を丸くして、ただただ驚くしかない演奏。
激しい、激しい、激しい、指揮者もオケも。
今回も、崔コンマスのオーバー・アクションが全く目立たない“全員・崔”状態!

この日の記者会見で、アルミンクさんの音楽監督退任後の新・指揮者陣が発表され、留任が決定したハーディングさま。
体感的には、今日がゴールデンウィーク最終日。
(昼間は、仕事もちゃんとしましたけど。)
そして、今日が、錦糸町版、熱狂の“火”の最終日。

某・海外超一流歌劇場の日本公演鑑賞を諦める(←現時点の情報に基づく)代わりに、もう一回聴くことにした演奏会。
その決心は、吉と出ました。

一曲目の「町人貴族」、ホールも違えば席も違うので、それなりに印象が異なります。
この日に私が座った席の方が音の分解能が高く、明晰、冷静に聴こえます。
ウキウキするような楽しさはサントリーホールの方があったような気もしますけど、この日の演奏にも、不満があるはずもありません。

ヴェーゼンドンク歌曲集での藤村実穂子さんは、この日も貫禄の歌唱。
声楽で“反対側”で聴いているハンディをほとんど感じないのは本当に驚異的なこと。
オケが音を張り上げても全く埋没しません。
オケに張り合わなくても、無理せず、余裕で、美しい声で、ホールの空間を制圧!

しかし、後半のマーラーの「巨人」で、オケは制空権を奪還しました。
壮絶な演奏で。
ホールも席も違うから…かもしれないけど、おとといよりもさらに激しく、特に低弦の音の切れ味がさらに際立っていたように感じたこの日の演奏。
ハーディングさまの動作の切れ味も、半狂乱一歩手前の瞬間芸の機銃掃射。
いや、もちろん、動かずに構えていて、オケから地の底から響いてくるような静かで凄みのある音が出ている瞬間も、多々あったのですが…。

「これなら、何回聴いても驚けるぞ!」という、「よくぞもう一回聴きに来た!」と自分を褒めたくなる演奏。
ハーディングさまの要求に応えるには、まだオケのアンサンブルに多少課題があることは事実かもしれませんが、そんなことで価値の減ずる演奏ではありません。
いや、まだ“伸び代”がある分、先が楽しみではないですか!

ところで、第1楽章の舞台裏のトランペットの一回目の音がずいぶん小さく聴こえたのは、私の気のせいでしょうか?
まさか扉を開け忘れたとか?
そんなわけないか…。
この、制空権を奪還した熱狂の後では、もう、どうでも良いことですけど…。

しかし、いくら19:15開演と言っても、終演が21:50?くらいになると言うのは、…、なんとサービスの良いことでしょうか!
振っているのは、ハーディングさまですよ!
今回の“小澤さん料金”のチケット代、時間換算で考えると(いや、その前に演奏の密度も濃すぎたのですが)決して高くはなかったのでは?(と、クレジットカードの請求が来るまでは信じておきましょう。)
予算外申請をして(←誰に?)聴きに来て、本当に良かったです!

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2012年5月 6日 (日)

LFJ会場の雑感(2012/5/6)

近場で忙しく過ごすことを目論んだゴールデンウィーク。
インバル/都響新国立「ドン・ジョヴァンニ」ジルベルシュタインみなとみらいクラシック・クルーズ、までは計画通り順調でした。
しかし、横浜からの帰路に微熱と風邪の初期症状で、病院に直行することに。
早期受診、早期服薬で軽症で済み、翌日には平熱に戻りましたが、その後の予定は削減を余儀なくされました。

体調を無視して組んだスケジュールを強行することも一度は考えましたが、やはり無理はしないことにしました。
全面自粛ではなく、予定の削減…という折衷案。
削減対象公演は、多くがLFJ、あとは新百合ケ丘で開催されている「アルテリッカしんゆり」。
公演のチケットを買えなかった方には本当に申し訳ないことです。

自粛した公演の中で特に心残りだったのは、小曽根さんと児玉桃さんの「春の祭典」の2台ピアノ版。
一方、会場に向かう途中で、人身事故により電車が1時間近く止まり、強制的にカットさせられたのも「春の祭典」で、こちらは連弾。
同じ奏者たちで前日に「ペトルーシュカ」の連弾は聴きました。

それにしても、自粛して再認識したのは、(わかっていましたけど)LFJは、安いと思って次々にチケットを買うと、結構な合計金額になっている…ということです。
次々とクリックして、気がついたら…というビジネスモデルは、まさに「熱狂の費」。
あと、過密ダイヤが破綻したときの影響度は首都圏の鉄道網みたい。
もっとも、今回の破綻の原因は、私の健康管理の失敗と、新小岩駅での人身事故だったのですけれど。

ところで、今年は初めてG402という部屋(153席)で聴いたのですが、その印象は、部屋が小さければ良いというものではない…と言ったら言い過ぎでしょうか?
天井の低さ、近すぎる音源との距離感…。
もしかしたら、場所さえ選べばホールC(1494席)や、よみうりホール(1100席)の方が良いのでは?とさえ思いました。

天井の低さでは、822席が平面に配置されているホールB7も苦しい。
このホールは、何年か前に安い席、最後列で聴いて懲りましたので、今年は前方の端の方、NHKホールでのN響定期で言えば、1階B席のような場所で聴きました。
直接音は結構浴びることが出来たのでまずまずでしたが、「NHKホール1階B席とどちらが良い?」と問われたら、NHKホールの方を選んでしまいそうです。

今年も敬遠したホールAは、何年か前に最安席、2階席最後方で聴いて懲りました。
天井のスピーカの音を聴き、スクリーンの映像を見ながらの鑑賞。
これだったら、千葉マリンスタジアム(現、QVCマリンフィールド)で野球を見た方が、はるかに楽しい…と思いました。
ポピュラー音楽でもここでは嫌だ、と思いました。ポピュラー音楽のコンサートに行ったことはないのですが。
このホールの1階席前方、および2階席前方は未体験です。
一時は1階席前方挑戦を検討したのですが、風邪の病み上がりで購入前に削減対象になりました。
ツィッターで教えて下さった方がいらして、一階前方では、「PAが霞のようにかかっていて、奇妙に人口的に浅く綺麗な響きで、残念でした」とのことです。

小ホールの中では、今年は入りませんでしたが、昨年までの体験だと、ホールD7(221席)は結構快適に聴けた印象があります。
G409(153席)、ホールB5(256席)、相田みつを(110席)は、いまだ足を踏み入れたことがありません。

これも昨年までの体験からですが、ホールC(1494席)の3階席は、結構良かったと思います。
ツィッターで教えて下さった方がいらして、2階席前方も、まあまあ…とのことです。
前方は“雨宿り”にはなっていないそうです。

今年の私のLFJ鑑賞は、いろいろあって、2公演のみで終わりました。
(チケットはもっと買いましたが…。)
しかし、ゴールデンウィーク全体で言えば、都響東フィル新日フィルがサントリーホールで公演し、新国立のオペラもあったので、良いゴールデンだったと思います。
来年は、あまり熱狂せず、冷静に公演と会場を選びたいと思います。

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2012年5月 5日 (土)

ハーディング/新日本フィル(2012/5/5)

2012年5月5日(土)18:00
サントリーホール

指揮:ダニエル・ハーディング
新日本フィルハーモニー交響楽団

(創立40周年記念特別演奏会)
メゾ・ソプラノ:藤村実穂子

R.シュトラウス:組曲「町人貴族」
ワーグナー(モットル編):女声のための5つの詩
          「ヴェーゼンドンク歌曲集」
マーラー:交響曲第1番「巨人」

いつもは目立つ崔コンマスのオーバー・アクションが全く溶け込んでしまうほど、全奏者一丸となっていました。
いや、ハーディングさまだって、息づかいの荒さは広上淳一さんなみ?
ああ、ハーディングさまは、こういう音を求めていたのか!…と思いました。
小澤さん以外にも、新日本フィルをこんなハイグレードの音に染めることの出来る指揮者が居たことに驚嘆!
“ダニエル・ハーディング”という“ビッグ・ネーム”は、名前だけではありませんでした。
まさにワールドクラスの音!
「世界の」などという形容詞はあまり好きではありませんが、まさに「世界の」…。

演奏が終わって指揮者が一回目に引っ込んだときに、楽団員の皆さんが笑顔で「すごかったね~」みたいに会話している様子は、新日本フィルでは珍しいかもしれません。
その様子は、よく読響で見かけます。
スクロヴァチェフスキさんのときとか、テミルカーノフさんのときとか…。

前半も期待を遥かに上回る素晴らしい演奏でしたが、マーラー「巨人」のもの凄い嵐で吹き飛んでしまった感もあります。
前半で驚いていたら、休憩後のマーラーはさらに凄かった…という感じ。
恐ろしいまでの静けさ、爆発する気迫、第3楽章の情感、…。
これを今の時期に震災と結びつけるのは早計かもしれません。
ハーディングさまの心の中では、あの体験は昇華されて、さらなる高みに登ったのでしょう。

いや、前半も凄かったのです、思い出せば。
一曲目の組曲「町人貴族」の小編成でさえ、芳醇なサウンドがふわりと立ち上がる。
ある意味、室内楽的な編成なのに、音のつなぎ目が全く見えない流線形。
ピッカピカに磨き上げられたサウンド。
楽しい、楽しい!
この曲、こんなに楽しかったっけ?…と目から鱗。

藤村実穂子さんの独唱でのヴェーゼンドンク歌曲集は、私はP席で聴いていたのに、全く音響的不満を感じない貫禄の歌唱。
私はドイツ語はわかりませんが、それでも言葉の美しさは比類がないことは、私にもわかります。
それをバックで支えるハーディングさまの敷き詰めた音のじゅうたんも極上品!

昨年6月は、代替公演もあってハードスケジュールの影響はあったのでしょう。
今年の1月は私はインフルエンザに感染して聴けませんでした。
ようやく巡り合った本物のハーディングさまの音!
本当に素晴らしい!

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2012年5月 3日 (木)

ルーディン/ムジカ・ヴィーヴァ(2012/5/3)

2012年5月3日(木・祝)12:30-13:30
東京国際フォーラムB7

指揮:アレクサンドル・ルーディン
ムジカ・ヴィーヴァ

ピアノ:プラメナ・マンゴーヴァ

(ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン
「熱狂の日」2012・公演番号122)

チャイコフスキー(クリモフ編):交響曲変ホ長調
シュニトケ:ピアノと弦楽のための協奏曲Op.136

チャイコフスキー交響曲変ホ長調は、ピアノ協奏曲第3番に転用された素材から、2005年にロシアの作曲家クリモフが補筆復元したものとのこと。
同様のボガティレフ補筆版(オーマンディ指揮のCDがあります)は4楽章ですが、この版は3楽章とのこと。

オケの編成は良く見えませんでしたが、ヴィオラ奏者が6人。
管楽器も打楽器も入る編成です。
曲自体は、チャイコフスキーの完成された交響曲と比べるのは酷と言うべきなのでしょうが、それでも結構面白い。
古今東西の名曲の末席に連なることができるかどうかは別として。
演奏は結構激しく、気合の入ったもの。
歯切れの良いリズムの刻みに、ここぞというところで出てくる甘美なメロディの歌い回し。
曲が演奏に助けられた感もあったかもしれませんが、音楽を聴く楽しみを普通に与えてくれる、おそらく希少な体験でした。

続くシュニトケの協奏曲は、激しい上に、一筋縄ではいかない多様性に彩られた曲。
公式ガイドには「基本トーンは悲劇的」とありますが、聴いた印象は「そんな単純なものではない!」。
弦の編成はヴィオラ奏者が4人になりましたので、少し編成が小さくなったのかな。
叩きつけるようなピアノの気迫!
オケも激しく応酬!
静かな箇所も多々あり、最後は消えて行くように終わるのですが、聴いた後の印象は、多様性を内包した凄まじい激しさ…でした。

クリモフ編のチャイコフスキーの交響曲はともかく、シュニトケの協奏曲は、また聴きたいと思いました。
演奏も気合い十分の真剣勝負。
ただ、会場は空席が結構目立ちました。

ホールB7は、以前、安い、最後列に近い席で懲りたので、今日はハジの方ではありますが、前方の席を購入。
NHKホールで言えば1階B席に該当するような場所。
よって直接音は十分に感じることが出来ましたが、天井にも側面にも反響板が設置されているとは言え、残響感は皆無。
まあ演奏会用の部屋ではありませんしね。
こういう演目なら、むしろホールCの方が良かったのではないか…という気もしました。
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リディヤ&サンヤ・ビジャーク(P)(G402)(2012/5/3)

2012年5月3日(木・祝)10:45-11:30
東京国際フォーラムG402

ピアノ:リディヤ・ビジャーク、
     サンヤ・ビジャーク

(ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン
「熱狂の日」2012・公演番号161)

ストラヴィンスキー:5つのやさしい小品
ストラヴィンスキー:3つのやさしい小品
ストラヴィンスキー:ペトルーシュカ(4手ピアノ版)

この部屋(←部屋と呼ぶのがふさわしい)は私は初めて行きましたが、狭い部屋で天井も低く、音響的にはいかがなものかと…。
ピアノは1台で連弾。
曲ごとに左右入れ替わりますが、どちらがどなたか私は存じ上げておりません。
お二人は、愛嬌を振りまくと言うよりは、すました印象で、どことなく近寄りがたい感じ。

初日の朝一番のせいかどうかはわかりませんが、最初の曲の一曲目では、多少固さがあったかもしれません。
次第にほぐれてきた感じですが、弾けるようなノリノリの演奏ではなく、落ち着いた音づくり。
(どうしても、ラベック姉妹とかを連想してしまうんですよね…。)

ペトルーシュカの連弾は、オケでないハンディを感じずに、珍曲としてではなく、普通の音楽として楽しむことが出来ました。
終わり方は、静かに終わる方の終わり方でした。

興奮させるようなタイプの演奏ではなく、堅実な演奏。
それでも、優等生的に「とりあえず音にしてみました」というような低レベルの音楽ではありませんので、むしろ、じっくりと味わうべき演奏なのでしょう。

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2012年5月 2日 (水)

チョン・ミョンフン/東京フィル(2012/5/2)

2012年5月2日(水)16:00
サントリーホール

指揮:チョン・ミョンフン
東京フィルハーモニー交響楽団

(創立100周年特別演奏会)

ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
ラヴェル:ボレロ
(東京フィル150人編成版)
ロッシーニ:「ウィリアム・テル」序曲
      ~終曲(スイス軍の行進)
(アンコール)

行く前は“怖いもの見たさ”の気持ちがあったことは事実ですが、意外にも至極まともで、変な演奏などではなく、普通に素晴らしい演奏でした。
普通でなかったのは、大編成だったことだけ。

チケットが高価な上に、ネット上でもコアなファンの方々にはあまり評判が芳しくない演奏会。
それでも私は、150人ボレロを見たくて(←すみません、見たくて、です)チケットを買ってしまいました。

確かに大編成。
一曲目の「新世界」は、たぶん第1ヴァイオリンが18人だったのでは?
私は、これまで、大編成の東フィルにおけるチョンさん指揮の時は、あまり好意的な印象ではなかったのですが、この日は違いました。
何と言っても、首席奏者勢揃いの効果か、音色がめちゃくちゃ良い。
なにしろコンサートマスター勢揃いは視覚的にも威圧されるくらいですが、大編成でも音の切れ味が犠牲になっていないのも凄い。
シェフだった時代に私が聴いたチョンさんの指揮による大編成での演奏での印象とは、かなり違っていました。
「チョンさん、本当は、こういう音を求めていたんだ…。」
在任中の、豪快だけど若干粗野にも感じられた演奏とは全く違う、極上のハーモニーでした。

休憩時間に、前半は空席だったP席に譜面台が設置され、150人編成のボレロ。
最初から叩く小太鼓は舞台中央の木管の前。
P席に座った楽員さんはたぶん約30人。
舞台上は第1ヴァイオリンはたぶん24人の巨大編成。
こちらも、予想は良い方に外れました!
しつこいですが、在任中の「凄いけど…ちょっと粗野?」という印象は皆無。
この巨大編成のハーモニーが濁らず、ホール空間を飽和させず、高らかに昇華したときは至福の瞬間でした。
前述のように在任中のことを考えると、少し複雑な気分もありましたが、ともあれ100周年をこういう演奏で祝えたのは慶賀のいたり。

ボレロの後にチョンさんはマイクを持ち、通訳を伴って英語でスピーチ。
「100歳の誕生日を祝えることは、そうそうあることではありません」
などと言った後で、聴衆の起立を求め、会場全体で「Happy Birthday TPO !」の唱和。

ボレロの150人編成のまま演奏されたアンコールは「ウィリアム・テル」序曲の終曲。
その後のカーテンコールでは、チョンさんは舞台下に飛び降りて、最前列の聴衆と一緒にオーケストラに拍手を贈る場面も。
確かに祝祭ではありましたが、それだけではない音楽による感動でした。

なお、以下は蛇足ですが、この日、ロビーに入場すると、招待客を待ち受ける係の方が、AとかBとかの札を持ってお待ちかね。
残念ながら私は(あまり優良ではない)有料入場者なので、首をすくめてすり抜けました。
ロビーには各方面から贈られたお花。
その置いてある位置関係が個人的には面白かったので、写真に撮ってきました。

ホール入り口、入ってすぐの右側に『中村紘子』さんからのお花。
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同じく左側には『小山実稚恵』さんからのお花。
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ロビー奥の1階席正面入り口付近(チケットの半券を切っている場所)の左側には『尾高忠明』さんからのお花。
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同じく右側には『大野和士』さんからのお花。
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『渡辺玲子』さんと『南紫音』さんからのお花の場所はCD売り場の横。
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2階ロビーの正面席への入り口付近には『東京二期会』、
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『新日本フィル』、
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『東京交響楽団』からのお花。
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これも蛇足ですが、東京フィルの主催公演からの帰りは、荷物が軽いです。
ホール入り口で渡されるチラシの束が無いから。
個人的には、賛同できないのですが、嫌なら聴きに行かなければ良いだけなので、文句は言えません。

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2012年5月 1日 (火)

デュオ・プリマ(2012/5/1)

2012年5月1日(火)14:30
横浜みなとみらいホール

Duo Prima~デュオ・プリマ~
 ヴァイオリン:礒絵里子
 ヴァイオリン:神谷未穂

 ピアノ:石岡久乃

みなとみらいクラシック・クルーズ Vol.38
ティータイム・クルーズ

モーツァルト(E.コヴァチク編):歌劇「フィガロの結婚」
      ~「恋とはどんなものかしら」
        「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」
イギリス民謡(玉木宏樹編):グリーンスリーヴス
バルトーク(啼鵬編):ルーマニア民族舞曲
モンティ(山本佑ノ介編):チャールダーシュ
サラサーテ(玉木宏樹編):ツィゴイネルワイゼン
賛美歌:主よ御許に近づかん
(アンコール)

40分のショート・プログラムが2回の演奏会。
ランチタイムが13:00少し前に終演し、ティータイム・クルーズは14:30開演。
お二人は、前半の緑色、黄色の「新緑をイメージした」ドレスから一転、「情熱的な」赤と黒のドレスで登場。

ティータイムは情熱的な有名曲が並び、さらなる熱演。
それが高度な技巧を駆使して音楽的に全く雑にならずに奏されます。
磯さんはソリストだがら当然かもしれませんが、仙台フィルのコンマス(ミス)の神谷さん、侮れません!
凄い!

格安の短時間プログラムですが、演奏の質、めちゃくちゃ高い。
それを2公演聴いても千円台前半。
コストパフォーマンス抜群!
同じくゴールデンウィークに熱狂的に開催される、某お祭りは比較にもなりません。
(暴言失礼!)

情熱的な本編からアンコールは一転、会場の興奮を冷ますように、映画「タイタニック」でも使われた讃美歌とのこと。
心に染み入る感動的なエンディング。

繰り返しになりますが、ソリストの磯さんは当然としても、仙台フィルのコンマス(ミス)の神谷さんの演奏、やはり、わが国では、在京・地方問わず、狭き門のオケに入り、指揮者に日々しごかれている方々の力量は侮り難し…と再認識しました。
ましてやコンマス(ミス)、首席ともなれば…。

ランチタイム、ティータイムとも、私はかなり早期に購入したので、前半は12列、後半は7列のほぼど真ん中という、普段はとても座れない良席での鑑賞。
ステージの見晴らしはかなり良い。
この席でいつかはカンブルランさまを聴いて…いや、観てみたいものです。

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デュオ・プリマ(2012/5/1)

2012年5月1日(火)12:10
横浜みなとみらいホール

Duo Prima~デュオ・プリマ~
 ヴァイオリン:礒絵里子
 ヴァイオリン:神谷未穂

 ピアノ:石岡久乃

みなとみらいクラシック・クルーズ Vol.38
ランチタイム・クルーズ

ルクレール:2つのヴァイオリンのためのソナタ集Op.3-2
モーツァルト(E.コヴァチク編):歌劇「魔笛」
      ~「おいらは鳥刺し」「夜の女王のアリア」
バルトーク:44のデュオよりNo.26,32,35,36
ショスタコーヴィチ(アトヴミヤン編):
            5つのヴァイオリン二重奏曲
サラサーテ:ナヴァラOp.33
ベッリーニ:歌劇「ノルマ」~カスタ・ティーヴァ
(アンコール)

平日昼間の短く安価な演奏会。
ゴールデンウィークでもなければなかなか行く機会はありません。
ショート・プログラムが2回。
ランチタイム・クルーズは12:10開演。
40分とのこと。
アンコールも含めて終演は13:00少し前でした。

今回の出演、Duo Primaのお二人、礒絵里子さんと神谷未穂さんは、1歳違いの従姉妹。
神谷さんは仙台フィルのコンマス(ミス)です。
ピアノの石岡さんは、ピアノ・デュオのプリムローズ・マジックのお一人です。

ヴァイオリン二重奏に始まり、途中(ショスタコーヴィチ)からピアノも加わっての小品集。
気軽に聴きに来たのですが、なんとなんと、ハイレベル!
バルトークではお二人とも弓の一部が切れる気合いの入りよう。

よく考えてみれば、いくら小品集の短時間プログラムでも、場所がみなとみらいホールで、しかもホール主催公演ともなれば、気の抜けた演奏など出来ないですよね。
むしろ、こういう演目に来場した人たちを退屈させないためには、真剣勝負の熱演をするのが一番。
極上の芸術は、極上のエンターテインメントでもあるてん!ということを証明してくれたような演奏。

事前の予想を上回る真剣勝負の熱演に圧倒されて、CDを購入してしまいました。
収益の一部は仙台フィルの活動資金に寄付されるとのこと。
神谷さんは2月の仙台フィル東京公演(あれも凄かった!)でもコンマス(ミス)を務めていらしたのを思い出しました。

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