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2012年6月11日 (月)

クヮトロ・ピアチェーリ(2012/6/11)

2012年6月11日(月)19:00
王子ホール

クヮトロ・ピアチェーリ
 第1ヴァイオリン:大谷康子
 第2ヴァイオリン齋藤真知亜
 ヴィオラ:百武由紀
 チェロ:苅田雅治

(ショスタコーヴィチ・プロジェクト12)
(第12回定期演奏会)

アリ=ザデー:ムガーム・サヤギ(1993)
菅野由弘:弦楽四重奏曲(1976)
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第13番(1970)

いやはや、前半(一曲目)、面白過ぎ!!

その、アリ=ザデーのムガーム・サヤギは、舞台上にチェロ奏者だけの状態で始まり、舞台裏からヴィオラ、ヴァイオリンが聴こえてきて、やがてピツィカートで弾きながら3人が登場し、全員が舞台上に揃った後は、激しい応酬。
その後、なんと百武由紀さんがドラを鳴らし、真知亜さんがトライアングルを鳴らす!

やがて真知亜さんは、トライアングルから民族楽器?のような、素手で叩く太鼓へ!
(解説によると、ここで電子音も挿入されたようですが、私はあっけに取られていて気がつきませんでした…。)
それにしても真知亜さん、打楽器、上手、上手!
(N響でも叩いてみてはいかが?)

最後は再びチェロ奏者だけ舞台上に残り、舞台裏のヴィオラ、ヴァイオリンと静かなやり取り。
舞台裏からはトライアングルも!
演奏終了後、最初に舞台に全員揃ったとき、真知亜さんがヴァイオリンではなく、トライアングルを持っていて、これには笑ってしまいました。

そして休憩後の、作曲者のトークの後に演奏された菅野由弘さんの弦楽四重奏曲は、大学2年生の時の「一曲目」の作品とのことです。
菅野さんは、海外での自作の演奏に立ち会ってこの日成田着で帰国し、駆けつけたそうです。
「先日、リハーサルに立ち会わせていただきましたが、細部にこだわって演奏して下さるのを聴いて、私も書いたときに細部にこだわったことを思い出しました。」
「学生の時に、1年くらいかけて書いた曲です。いま、1曲に1年かけていたら、生活していけませんが…」(場内爆笑)
などなど。

理解して聴いた…などとは口が裂けても言えませんが、僭越ながら「感じる」ことなら私でも出来ます。
感じさせてくれたのは「演奏」です。
現代音楽でも…
(…と言って良いのかわからないくらい年月が過ぎていますが)
いや、現代音楽こそは、曲の楽しみは「演奏」で決まると思います。
演奏が良ければ、演奏が真剣勝負なら、難解なはずの現代音楽でも、理屈を超えて、音の楽しみに変わります。
心底、そう思いました。

クヮトロピアチェーリの演奏会は、前回聴きに来て、あまりの知的好奇心をかきたてられる素晴らしい演奏に驚嘆しての2回目の鑑賞。
(現代音楽と言いたくなる)20世紀後半の曲を演奏した後に、20世紀後半(中盤)の作品でありながら、すでに古典の趣きもあるショスタコーヴィチという絶妙の選曲。
この選曲からして、与えられた曲を弾く、ではなく、弾きたい曲を弾く、という姿勢が伺えて、まさに「定期演奏会」と呼ぶにふさわしい演奏だと前回も今回も感心した次第。

菅野由弘さんの弦楽四重奏曲は、(たぶん)特殊奏法の類は無しかな?
それに対してショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲第13番は、部分的に楽器を叩く場面もあり、一曲目の打楽器を含んだ曲の選曲は、それも意識されていたのでしょうか?

ヴィオラ・ソナタ?と言いたくなるような長大なソロ?を集中力を切らさずに弾ききった百武由紀さんは本当に素晴らしい。
もちろん百武さんだけでなく、この4人全員の、弦楽四重奏にかける熱い思いは、音として伝わって来ます。

そしてこの演奏会の良いところは、おそらくお弟子さんと思われる音大生の方々が結構多く聴きにいらしていること。
先生方の真剣勝負の演奏を聴いた生徒さんの中から、必ずや将来…。

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