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2012年6月 2日 (土)

パーヴォ・ヤルヴィ/フランクフルト放送響(2012/6/2)

2012年6月2日(土)16:00
横浜みなとみらいホール

指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
フランクフルト放送交響楽団
(hr交響楽団)
ヴァイオリン:ヒラリー・ハーン

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番
      ~アンダンテ、アレグロ
(アンコール)
ブルックナー:交響曲第8番
シベリウス:悲しいワルツ
(アンコール)

ブルックナーの大曲の後に、まさかのアンコール。
これが「本編より凄かったのでは?」と思うほどの素晴らしさ!
16:00開演で18:43頃の終演。
結果的に、時間的にはかなり長い演奏会でした。
しかし、長さを全く感じずに堪能させていただきました。
ヒラリーさままで出演しての、この演奏会、コストパフォーマンス(で論じるのも品が無いですが)抜群のお値打ち!です。

前半は、去年3月の来日が震災の影響で中止になった、待望久しいヒラリーさまの独奏。
メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲という選曲に、事前に「これがショスタコーヴィチだったら…」と少しでも考えた自分が恥ずかしい限り。
ヒラリーさまはこの有名曲を少しもバカにしていませんね。
高度にコントロールされた大技、小技の連射です。

ヒラリーさまの音は、かつてこの曲をレコーディングした頃も凄かったはずですが、私はその頃の生演奏は未聴。
想像するに、あの頃に比べてさらに進化(深化!)しているのでしょう。
2曲のアンコールは、これまた、今回はリサイタルを聴く予定のない私にとっては、最高の贈り物。
どこがどう…などと考えることは許されず、ひたすら美しさに酔うのみでした。

後半のブルックナーは、前半の2つの楽章は「もしかしてカラフルなブルックナー?」とも思ったのですが、後半の2つの楽章ではそういう印象も受けず、気のせいだったのでしょうか?
オケが100%の調子だったかどうかは私にはわかりませんが、十分に素晴らしい。

いや、ありていに言えば、ホルン、トランペットだけでなく、弦楽器の出もひやっとしたところがあったような…。
もっと重箱の隅を突けば、木管の音色も一瞬…。
しかし、総合的な音のレベルから類推するに、ベストコンディションだったら、このような箇所は、もっと少なかったのでしょう…と想像しました。
ちなみに、演奏会開始の日本時間で16:00は、フランクフルト時間(と言うか、中央ヨーロッパ時間、CET)の午前9時なのかな?
もちろん、時差のせいとは限りませんが…。

まあ、生演奏では不可避の傷もあったのかもしれませんが、そんなことでこの演奏会の価値は揺らがないでしょう。
特に第3楽章の美しさは秀逸で、永遠に終わらないでほしいと願いたくなりました。
第4楽章の最後の音が鳴り終わってすぐの拍手。
しかし会場の大半は追従せず、いったん拍手がおさまった後に盛大な拍手開始。

ブルックナーの後にアンコールをやるとは予想もしませんでしたが、聴いていて、悲しいワルツは、ブルックナーの後にやるのにベストの選曲かもしれないという気がしてきました。
普通なら「ブルックナーの後にアンコールをやるなんて!」と思うところですが、聴いていて、意外と不自然に感じなかったのが不思議でした。
ブルックナーでは比較的理性的に構築された音響だったのかもしれませんが、アンコールの悲しいワルツは、一転して情熱的と言って良いのでしょうか?
しかし、聴こえるか、聴こえないか…の微弱音は、美しいと同時に、凄みすら感じました。

終演後のサイン会は長蛇の列。
たぶん私は、40分以上並んだと思います。

私がパーヴォさんの演奏会本番を生で聴くのは、東響定期客演の時以来のような気がします。
出世されましたね。
今や、東響定期客演は、年寄りの回顧談のようになってきました。
「マゼールやゲルギエフも、以前…」の域に近づいたのかもしれません。

さらに言えば、私がフランクフルト放送響(現在の正式名称はhr-Sinfonieorchester)を生で聴くのはインバルさんとの1987年来日以来、なんと25年ぶり。
パーヴォさんとヒラリーさんで、私にとっては、来日団体中で「今年一番」の楽しみでした。
しかし、数日前に、ちょっとした個人的な、意図も予期もしていなかった出来事があり、少々気が重い状態で会場へ向かうことになったのだけは残念でした。
しかし演奏が、そのもやもやを跳ね飛ばしてくれました。

さらに蛇足ですが、この演奏会では、私の隣りの席の方が、演奏中に小さいながらも身動き、手振りなどをされるので、時々集中力をそがれました。
しかし、ブルックナーが終わったところで帰っていかれたので、アンコールの悲しいワルツは邪念を抱くことなく、楽しめました…。

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コメント

サントリーHの会に行きました。ヒラリー・ハーンさんの圧倒的な演奏に会場全体が魅せられた印象です。(それに、仕草がチャーミングで驚くほど小顔!で、すっかりファンになってしまいました。)
大好きなブル8では、パーヴォ・ヤルヴィさんの指揮ぶりは見ていて気持ちが良く、オケの反応も良好(特に第3楽章は素晴らしかった)。魂を揺さぶる系統の演奏ではなかったですが、こういうアプローチもアリだとは思いました。残念だったのは、みなとみらいの会と異なり、演奏終了直後の拍手がおさまらずに余韻を味わえなかったこと。終演時刻が遅くなり聴衆も待ち切れなかったのかも知れませんが。

投稿: 黒猫 | 2012年6月10日 (日) 09時58分

黒猫さま
ウワサでは、サントリーの方がオケのコンディションが良かったようなので(と言っても、両方聴き比べたわけではないのでわかりませんが)、サントリーの券を買えば良かったかな、と思っていました。
でも、拍手の件を伺うと、微妙ですね。

投稿: 稲毛海岸 | 2012年6月10日 (日) 20時15分

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