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2012年6月29日 (金)

ハーディング/新日本フィル(2012/6/29)

2012年6月29日(金)19:15
サントリーホール

指揮:ダニエル・ハーディング
新日本フィルハーモニー交響楽団

(第496回定期演奏会)

ワーグナー:歌劇「タンホイザー」序曲
      ―ヴェヌスベルクの音楽
(パリ版)
エルガー:交響曲第2番

前半、多少のもどかしさを感じたことは否めないのですが、少なくともエルガーの後半2楽章は、文句なしのハイグレード!
スーパーサウンド!
これぞハーディングさまさま!

しかし、このエルガーの音が静かに消えていった後、長い静寂…のはずだったのですが、ハーディングさまが完全に脱力する前にけたたましく拍手を始めた最前列の方。
会場が追従しなかったのに、ひるまずに一人拍手を続ける…。
あれだけ会場全体が無言の圧力で静止した(ように感じました、私は)のに、全く動ませんでした…。

「終わり良ければすべて良し」。
エルガーの後半の2楽章は、まさにこの言葉が当てはまります。
そして、音は消えていたのでフライングとは言わないのかもしれませんが、私とは感性の合わない方の拍手で、演奏会の方は「終わり良ければ…」にならなかったのは私だけでしょうか?

…。

まあ、音が消える前や、消えてすぐではなかったので、私の記憶から消して、無かったことにしようと思います。

さて、肝心の演奏の感想ですが、前半の「タンホイザー」の音楽では、弱音部の管のニュアンスにもう少し上を求めたいようなもどかしさは感じました。
弦は良かったし、ハーディングさまが求める世界も垣間見ることはできましたが、実はここで鳴っている音は、まだ、その片鱗ではないのかな?…と。

そして、後半のエルガーが始まって数分が経過すると「お、前半で感じたもどかしさが相当に解消されている!」と思いました。
特に第2楽章の壮麗さ、美しさは、もう夢見心地。
しかし、上には上がありました!
第3楽章からは、さらにハイグレードなサウンドに!

第3楽章に入ったとたん、音の磨き上げの度合いが増した印象。
音の溶け合い、艶やかさ、表情付け、微妙なニュアンス、その上、スピード感とギアチェンジ。
ハーディングさまの求めている音はこういう音だったのか、やはり…と。
そして、それは、第4楽章でも続きました。
第4楽章の一番最後の弱音部だけは、オケの方が(最後までたどり着いて)少しホッとしてしまったかな?という気もしましたが、まあそれは、欲を言えば…の些細なことなのでしょう。
この第3、第4楽章が聴けただけでも、足を運んだ甲斐はありました。
一応「お国もの」になるのでしょうが、ハーディングさまのクラスの指揮者には、それはもう、あまり関係ないですかね?
上品な英国の紳士のようなエルガーとは少し違って、多少やんちゃで、ところどころ暴れる箇所もあるエルガーだったような印象ですが、こういう演奏も楽しいです。

明日以降の三重と軽井沢の違う曲目もあったりして、リハーサル日程が多少厳しかったのかな?とも拝察しますが、ハーディングさまは、それでも、この曲を振りたかったのだろうな…と思います。
そして、振ってくれたことに感謝!
弾いてくれたオケにも感謝!

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コメント

エルガーは第3楽章から俄然輝きだしましたね。音の波間にたゆたい、しばし陶酔。とても心地よかった。。。できれば、指揮棒が下り切るまでの静寂と余韻を味わいたかった。あれもフライング拍手と言ってよいと思います。

投稿: 黒猫 | 2012年6月30日 (土) 07時46分

黒猫様に
まあ、私も、大昔、聴き始めの頃に、私が初めて聴く曲(有名曲です)で曲が終わっていないのに拍手をした人に釣られて、同調して大恥をかいたことがあるので、あまり偉そうなことは言えません。
言えませんが、「ああ、なんでここで手を叩くかなー」とがっかりした気持ちは抑えられませんでした。

投稿: 稲毛海岸 | 2012年6月30日 (土) 21時48分

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