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2012年6月20日 (水)

ブッフビンダー(P)(2012/6/19)

2012年6月19日(火)19:00
すみだトリフォニーホール

ピアノ:ルドルフ・ブッフビンダー
指揮:クリスティアン・アルミンク
新日本フィルハーモニー交響楽団

(ルドルフ・ブッフビンダー・プロジェクト
in トリフォニーホール2012 第2夜:協奏曲)

ブラームス:ピアノ協奏曲第2番
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番

とてつもないものを体験してしまいました!!
凄いものを聴いてしまいました!!
こんなものを聴いてしまって、本当に許されるのだろうか?と思えてくる驚異的なピアノの音!
もしかして幻覚を引き起こす薬物でも含まれているのではないか?この音に…。
音楽監督の指揮するオケも、3.11以降で最高!と思える素晴らしいバック!

この日は、私は1番からだと思い込んでいまして、いきなり柔らかく2番が始まってびっくりしました。
しかし、あっという間に引き込まれました。
これはもう、言葉を失う素晴らしさ!
ブッフビンダーさんが、時にチャーミングに、時に豪快に…。
余裕で弾いている(ように見える)のに圧倒的な音!
粒子状だったり、滑らかだったり、もう、名人芸!としか言いようがない。

新日本フィルの音がこれまた素晴らしい。
もちろんピアニストの音に触発されたのでしょうが、最近の新日本フィルではベストに近い音だったかも。
繊細かつシャープなこのオケの音が戻ってきた!
ピアノの独り舞台…の立派なパートナー!

前半が終わったところでもうお腹いっぱいの幸せな気分。
休憩時間のロビーの、熱気、明るさ、高揚感!

そして、後半の第1番は、さらに輪をかけて凄かった!
ブラームス若書きの少し荒いところのある曲…などでは全くない、驚異的な演奏。
ピアニストがここぞというところで力んでも、びくともしない、排気量の大きい高級車?の音!
そう、このピアノは、オーストリアの隣国ドイツの高級車のような、がっしりとしたエンジンを積んでいるのです。
少々アクセルを踏んだくらいでは、びくともせずに加速する!
そして、全くうるさくならない!

新日本フィルが、主催公演ではなく、いわば「お呼ばれ」の演奏会で、こんなに気合いの入った演奏をしたのは、やはりピアニストの出す「稀有の音」を聴いてしまったからでしょう。
しかし…。

しかし、これは願望ですが、オケの皆さんは、このピアノの巨匠を迎えるにあたって、音楽監督は敵などではなく、最大の味方であることに、ようやく気がついた…いや、思い出したのではないでしょうか?
そうあってほしい!

アルミンクさんの指揮するオケの音は、ブッフビンダーさんの出すとてつもない音を支え、呼応し、対話をするのに十分なニュアンスを、強奏でも、微弱音でも、全く失わなかったと思います。
驚異的なピアノと渡り合えるオケだったのです、本来の新日本フィルは。

メンバーの皆さんは「音楽監督の棒に食らいつくことが、ピアノと渡り合える唯一の道!」と言うような目つきでした。
アルミンクさんの指揮も、相当に気合いが入っていました。

台風接近の中、危機に…いや、聴きに行って本当に良かったです。
仮に電車が運転見合わせになって、錦糸町で一夜を明かすこときなっても後悔しなかったでしょう。
いや、その前に、錦糸町に向かう時には、電車が止まって帰れなくなることも覚悟して行きました。
そして、幸い、電車は動いていました!
ずぶ濡れになって帰宅しましたが、そんなことはどうでも良い。
6月3日の多摩定期と、この日の協奏曲しか聴いていませんが、新日本フィルのコンディションがかなり良くなって来ている印象を受けました。
(その間の「新・クラシックへの扉」は聴いていないので、断言はできませんが。)
この状態での音楽監督とのシーズン最終日を、これ以上無い大興奮の会場で終え、ハーディングさまをお迎えするのは、素晴らしいこと。
奇跡の前触れかもしれません。

後日追記:
私はてっきりコンサートマスターは西江さんだと思っていて、でも、ふだんクールな西江さんとはちょっと表情が違うし、よほど嬉しかったのかな?と思っていたら、教えて下さった方がいらして、西江さんではなかったそうです。
新日本フィルのパーサネル・マネージャーの五島励二さんのTwitterによれば、元・客員コンマスの渡部基一さんとのことでした。

20120619p1

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コメント

こんにちは。
あぁ、ここに同じ興奮を共有できる方がいて本当に嬉しいです。
帰宅の足がなくなるかもしれないなぁという不安を抱えながらでしたが、始まった途端にどうでも良くなっちゃいました。あんなに柔らかいかと思えば、驚くほど強く。改めてピアノ1台の持つ力に感動させられました。
そしてオケが全然ひけをとっていないのがとても嬉しかったです。心配だったホルンも昨日は頑張っていたし、皆とても真剣でとても楽しそうだったのがこちらにも伝わってきました。
いろいろあったにせよ、長く一緒にやってきたのだから最後は気持ちよく送り出してやってほしいと切に願っています。

投稿: eterna | 2012年6月20日 (水) 09時19分

eternaさま
仰るとおり、この日の演奏会では、このところ続いていたホルンの危なっかしさはかなり解消されていましたね。
まあ、あんなピアノの音を聴かされては、不用意な音など出せないでしょうが、3.11前までの好調だったコンビの姿が戻ってきたようで、本当に嬉しくなりました。

投稿: 稲毛海岸 | 2012年6月21日 (木) 00時29分

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