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2012年7月30日 (月)

ルイジ/PMFオーケストラ(2012/7/30)

2012年7月30日(月)19:00
サントリーホール

指揮:ファビオ・ルイジ
PMFオーケストラ

ヴァイオリン:デイヴィッド・チャン
チェロ:ラファエル・フィゲロア


ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲
R. シュトラウス:アルプス交響曲

正直、休憩時間に帰ってしまおうか…とも思ったのですが、後半は見違えるような演奏で、帰らずに聴いていて良かった!という、終わりよければすべてよし。
前半はタマゴのまま、後半は殻を破ったヒナ、一流のヒナでした。

最初のブラームスの二重協奏曲。どうも軽い感じが…。
ソリストもそうですし、オケの音も…。
スタイリッシュでモダンなサウンドのブラームスも「あり」だとは思いますが、やはりここまで徹底されると、私の好みとはかなりかけ離れているので…。
プロのタマゴの集団はさすがに上手。
技巧的には非の打ち所がないのでしょう。
それでも「何かが足りない」という感じがつきまとう。
紙一重の差なのだとは思いますが、一体となったオケの、凝集された音になりきれていないもどかしさ。
ルイジさんがウィーン交響楽団を指揮したらどういう音になるのだろう?と何度も思いました。
いや、ルイジさんの音づくりは、私があまり知らないだけで、実はこういう方向なのかもしれませんが…。
もう少し重厚さや渋みが欲しいと思ってしまう私は古い人間なのでしょうか?

しかし!

後半のアルプス交響曲は、ある意味、はじけちゃって、相当に高揚した演奏になりました。
出だしは少々音が不安定で「おやおや」と心配したのですが、夜明けで例のルイジさんがよく見せる半狂乱のような煽りを入れ、その後のオケの音は、喜びを発散するような魅惑的で艶やかなものに!
こうなると、元々、技量は高い若者たち、管楽器のソロはもちろん、弦楽合奏までが、名人芸のような魅惑的な音を奏でる。
音大オケで時折感じるような、減点を恐れるような縮こまった演奏ではない、まさしくプロのタマゴが殻を破る瞬間!

演奏が終わった後、カーテンコールの合間に握手をし合う奏者の皆さん。
解散となった後は、舞台上でメンバーどうしの抱擁が随所で繰り広げられていました。
私はこの演奏会だけを聴いたので、ここに至るまでの過程は存じ上げませんが、やはり、“TOKYO”の“SUNTORY HALL”での演奏会、メンバーにとっても、ルイジさんにとっても、それなりに“意味”を持つ演奏会だったものと拝察します。

なお、出番の少ないチェレスタ?の方は、ずっと総譜をめくっていました。
きっと志のある方なのでしょう。

ルイジさんが歴史のある常設プロオケを振れば違った演奏になるのでしょうが、ルイジさんの指揮の動作は、学生相手の親切な拍子取りなどではなく、完全にプロを相手に想定したものだったのではないでしょうか?
もちろんプロになれば、2~3日で定期演奏会をひとつ仕上げなければならないでしょうから、皆さん、まだこれからではありますが、この経験が基盤となって成長して下されば、と思います。
(スポンサーでもないのに、偉そうにすみません。)

私の個人的感想はともかく、前半から会場は湧いていました。
入場者数はあまり多くはありませんでした。
“身内”も少なからずいらしたのかな。
2階正面の席で、立ち上がって、応援団のような大きい動作(手旗信号のようなと言った方が良いかも)で拍手をし、ブラボーを連呼、連呼、連呼している方までいらっしゃいました。

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