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2012年8月11日 (土)

山田和樹/新日本フィル(2012/8/11)

2012年8月11日(土)14:00
すみだトリフォニーホール

指揮:山田和樹
新日本フィルハーモニー交響楽団

(新・クラシックへの扉 第24回)
ピアノ:萩原麻未

ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
ラヴェル:ピアノ協奏曲
ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女
(アンコール)
サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付」
ビゼー:「アルルの女」~アダージェット
(アンコール)

亡き王女のためのパヴァーヌは、指揮棒を持たずに暗譜での指揮。
例によって「20歳くらい年上、年齢、ごまかしてません?」の印象さえ受ける自然体の指揮。
新日本フィルの比較的シャープな音との相性はわかりませんが、音から香り立つようなニュアンスの豊かさは、やはりただの若手ではありません。

続く萩原麻未さんの独奏によるラヴェルの協奏曲。
このピアノの音は、すでに「自分の音色」を持っている、確立している印象です。
和風…なのかどうかはわかりませんが、暖かい温和な体感のする音。
日本茶と味噌汁が飲みたくなる音?(←私だけだと思いますが。)
指揮者で言えば、デュトワさん系ではなく、フルネさん系の音?
若い指揮者と若いピアニストだが、音はどちらもすでに熟成されている印象。
エッジが立っていない、弾力のあるようなピアノの音のニュアンスも絶妙。
アンコールに弾かれた「亜麻色の髪の乙女」も絶妙のニュアンス(←語彙が枯渇して参りました)。

休憩後のサン=サーンスの交響曲では、再び暗譜での指揮。
協奏曲では譜面を置いて振っていました。
協奏曲以降は指揮棒を持っての指揮(アンコールはどうだったか忘れました)。
あまり豪快な側面を出さず、あくまでも美しい、ニュアンス豊か(←語彙枯渇)な歌い回しが魅力的な演奏。
すでに成熟の極みに達しています。
細かく振らない箇所も多く、中には最後の音を止める時すらオケに任せたりまでして、この若さで「立っているだけ」(は言い過ぎかもしれませんが)の巨匠級の指揮をして、それで音が鳴ってしまうのは末恐ろしいかもしれません。
大音量を出せばそれで良いというような安易な演奏ではなく、細部まで表情付けが徹底されているのも見事です。
特に弱音部のゆるやかな音の持続を、これだけ弛緩させずに鳴らせる懐の深さには脱帽するのみです。
(本当は何歳ですか?)

アンコールに弦楽のみで「アルルの女」のアダージェット。
これまた、微弱音のニュアンス(←語彙枯渇)の美しい、永遠に続いてほしい、至福の境地。

ごく一部で、管楽器が完璧ではなかったかもしれませんが、それでも「扉」シリーズののクオリティをはるかに凌駕する、オケにとっても会心の演奏会だったのではないでしょうか?
「扉」シリーズの年間ラインナップが発表された時、指揮者とソリストの名前を見て「絶対行く」と決心して、待ちに待ったNJP今シーズン最後の主催演奏会。
山田マエストロは日フィルにポストを得るので、次のNJP客演はしばらくないのでしょうか?
聴けて良かったです。
萩原さんも、どうやら「本物」のようです。

201208111

201208112

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