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2012年8月19日 (日)

サイトウ・キネン・フェスティバル松本「火刑台上のジャンヌ・ダルク」(2012/8/19)

2012年8月19日(日)16:00
まつもと市民芸術館・主ホール

サイトウ・キネン・フェスティバル松本
オネゲル:「火刑台上のジャンヌ・ダルク」

少なくとも、マエストロ・ヤマカズは期待以上(と言うことは、私的には文句無し!)、オケも十分過ぎるくらいに素晴らしかったと思います。
舞台作品である以上、全てを手放しで絶賛という公演はそうそうないので、私の個人的な好みと合わない「部分」があるのは致し方ありませんが、少なくともマエストロの指揮は、聴きに行った甲斐があったと大満足でした。

もう、山田さんに「若き」と言う形容詞を付けるのはやめよう…と思いました。
プログラム冊子(¥2,000)の東条碩夫先生の文章によれば、小澤征爾さんが初めてこの作品を指揮したのは31歳のとき。
山田和樹さんはいま33歳。
キャリアに不足はない。
…とのことです。

マエストロの唖然とするしかないスケールの大きさとニュアンスの豊かさ(←私の語彙の不足は御容赦を。)は、元々高かった期待値を遥かに凌駕する素晴らしさ。
最初のうちは、特に合唱の小さな声の部分に「小澤さんだったら」と、一瞬思ったことは事実です。
しかしそれは、ほんの数分間のみ。
サイトウ・キネン・オーケストラの、オールスター集結のパワーをまざまざと見せつけてくれました。
このコンビ、素晴らしい!
オケの音色は、やっぱりサイトウ・キネンっぽい響きで、そういう意味では、小澤さんの代役を無事に…と言いそうになりますが、空回りせずにこんな音を、それも平然と、響かせることの出来る指揮者が只者であるはずがありません。

合唱に関しては、声をはりあげた時のスケール感と透明感は文句無しに素晴らしい!
ただ、小さな声の箇所は、冒頭に限らず、さらに上のレベルを望みたいような気もしました。
まあ、アマチュアとのことですから、大健闘と言うべきなのかもしれませんが…。

ジャンヌ・ダルクの演技はどうだったのでしょう?
私はフランス語は(フランス語だけではないですが)わからないので、偉そうに乾燥を述べる資格は無いのですが、なんとなく(絶叫調すら)平板に感じたのは気のせいでしょうか?
まあ、神がかっていなくて、理性的に演じたということなのでしょうかね?

舞台はオーケストラの周囲を花道?が四角形に囲み、奥の辺には、上から見ると十字架の形に見える場所が設けられ、十字架の縦の線の幅が広めでオケに食い込んでいます。
演技はそこを中心に、オケの周囲の、左右や前方も使って繰り広げられます。
合唱はさらにその奥の、3階建のシンプルな形のケース?に入って歌っていました。
合唱は全員白っぽい服。
時折、そこに、独唱者も顔を出して歌う場面もあり。
最後の方で、ドスンと大きな音がしたが、気分が悪くなった方でもいたのでしょうか?

演出は(私がわからなかっただけかもしれませんが)さほど、どぎついことをしているわけでもなかったのかな。
ジャンヌ・ダルクの背面から、かなり強いスポットライトを客席に向けて照らす箇所が何箇所もあったのですが、意味は私にはよくわかりません。

私は最安席の4階席だったので、おそらく小澤さんが客席に入って来たと思われる拍手も、1階席の様子はわからず、1階席の席の埋まり具合いもわからず。
両サイドのバルコニー席は1階から4階まで大半が空席だった模様です。

私の席からは、普通に座っているとマエストロの指揮棒の先が見える程度。
最後列なので、少しだけ身を乗り出すとマエストロの上半身が見えました。
このオケのメンバーを前に、客席の小澤さん?を背に、全く力みのない指揮姿、そして、そこから生まれる音の自然なハイパワーには、もう驚くしかありません。

私はこの日一回限りの鑑賞ですが、残りの公演も、おそらく多少の微修正も入って、さらに素晴らしい上演になるでしょう。

ジャンヌ・ダルク:イザベル・カラヤン
修道士ドミニク:エリック・ジェノヴェーズ
語り:クリスチャン・ゴノン
ソプラノ独唱:シモーネ・オズボーン
ソプラノ独唱:藤谷佳奈枝
アルト独唱:ジュリー・ブリアンヌ
テノール独唱:トーマス・ブロンデル
バス独唱:ニコラ・テステ

合唱:SKF松本合唱団、栗友会合唱団、SKF松本児童合唱団
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ
指揮:山田和樹

演出:コム・ドゥ・ベルシーズ
アーティスティック・アドヴァイザー:ブロンシュ・ダルクール
装置:シゴレーヌ・ドゥ・シャシィ、森安淳
衣装:コロンブ・ロリオ-プレヴォ、田中晶子
照明:齋藤茂男

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コメント

まったく同感です。
広上さんや下野さんでは、こうはいかなかったと思います。
私は19日に行きましたが、最終日のきょう29日も行きます。
ポスト小澤は、山田和樹さんですね。日本のオーケストラはどうでもいいですから、できるだけ外国のオーケストラを指揮していて欲しいと思います。それだけに、秋からのスイス・ロマンドは楽しみです。「世界のヤマダ」がんばれ!!

投稿: | 2012年8月29日 (水) 10時26分

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