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2012年8月 3日 (金)

ピアニスト、ウルスレアサの訃報(2012/8/2)

演奏家の訃報から個人が受ける衝撃度は、有名度に比例しません。
大家であっても、自分にとっては「CDの中の、過去の名演奏家」である場合もありますし、さほど有名でなくても、自分にとっては大切な思い出の演奏会の演奏家であることもあります。
ピアニスト、ミハエラ・ウルスレアサさんの訃報は、後者の典型でした。

私がアジアの外へ出た経験は、人生でただ一度だけ。
2007年のゴールデン・ウィークのウィーンへの旅行。
そのとき聴いたコンツェルトハウスでの、ファビオ・ルイジ指揮、ウィーン交響楽団の演奏会でのソリストが、ウルスレアサさんでした。
曲目はベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番。
アンコールも2曲(曲名不詳)弾かれました。

そのとき聴いたウルスレアサさんのピアノは、速くも遅くもなく、まさに私のツボにはまったテンポでの演奏で、美しい容姿も相まって、私はすっかり魅了されてしまった。
いや、その美しい容姿にもかかわらず、落ち着いた立派な演奏だったと感じました。

その後、来日したこともあったのですが、私はそのときは聴きに行けず、結局、一期一会の機会となってしまいました。

ウルスレアサさんの訃報、享年33ということは、2007年の時は28歳前後だったことになります。
あまりにも若すぎる訃報。
「いつか、また聴ける機会がきっとある」と思っていましたが、それはかないませんでした。
寝ても覚めてもウルスレアサさんのことを考えていたわけではもちろんありませんが、ずっと覚えていました。

余談ですが、ウルスレアサさんが協奏曲を弾いたルイジ指揮/ウィーン響の演奏会の後半は、シューマンの交響曲第4番で、そのライヴ録音は、交響曲全集の1枚としてCD化されています。
CDを再生して、現地で聴いた体感がよみがえるわけではありませんが、このCDも、私個人にとっては大切な宝物です。

二度と訪れなかった、ウルスレアサさんの生演奏を鑑賞する機会。
ほんの数十分、偶然、時間と空間を共有したに過ぎないのですが、唯一無二の機会。
「無常」という言葉を改めて実感させられた、私にとっては、悲しすぎる訃報でした。

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