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2012年8月28日 (火)

下野竜也/都響(2012/8/28)

2012年8月28日(火)19:00
サントリーホール

指揮:下野竜也 他
東京都交響楽団

(第739回定期演奏会Bシリーズ)
ピアノ:舘野泉 

《日本管弦楽の名曲とその源流-15(プロデュース:一柳慧)》
ケージ:エトセトラ2(4群のオーケストラとテープのための)
(指揮:下野竜也、大河内雅彦、松村秀明、沖澤のどか)
一柳慧:ピアノ協奏曲第5番「フィンランド」
     - 左手のための
(世界初演)
一柳慧:交響曲第8番「Revelation2011」(管弦楽版初演)

仕事も疲労もたまっているのに(お金は貯まっていません)、仕事を放り出してサントリーホールへ。
この疲れの原因は、7月30日以来、パワースポットに行っていなかったせいに違いありません。
その証拠に、終演後は疲れもどこかへ吹き飛びました。
気分が高揚して麻痺しているのかもしれません…。

ケージのエトセトラ2は、下野さんほか、全部で4人の指揮者。
オケも4群に分かれて配置され、それぞれが関連性なく?音を出します。
全員が普段着で、指揮者も含めてバラバラと登場して、チューニングもなく、さりげなく始まり、断続的…ではなく、断片的に鳴ります。
バックには一貫して環境騒音(ケージの部屋で録音されたとか?)が流れるています。
4群のオケからバラバラと、入れ替わり立ち替わり、立ち上がってソリスト席へ行って少し弾いてまた戻る。
これで「ケージがわかった」などとは口が裂けても言えませんが、片鱗に触れることは出来たと言って良いのかもしれません。

面白かったです。

私が面白かったと感じたのは、もの珍しさもあったと思いますが、でも、演奏が良かったのでしょう。

後半はまず、舘野泉さんの左手ソロで、一柳慧さんのピアノ協奏曲第5番「フィンランド」の初演。
一時期難解だった現代音楽が「聴衆の側」に向き直って来ているのかな…というような印象を受けました。
もちろん媚びてはいなくて、純然たるシリアスな音楽だと思しますが、聴感上は比較的耳に優しい印象。

委嘱してまで弾いた舘野さんも素晴らしい。
片足を引きずりながら登場した舘野さん。引退など念頭になくて、
「弾きたい!弾きたい!お金を払ってでも弾きたい!」
…なんだろうな…と、ちょっと目頭が熱くなりました。
以前聴いたラヴェルの左手よりも、より「らしい」演奏だったような印象です。
素晴らしい曲が誕生した…と言って良いのでしょう。
きっと館野さんのレパートリーに組み入れられるはずです。

続く交響曲第8番の「リヴェレーション」とは「黙示録」のことだとか。
管弦楽版では初演とのこと。
プログラム冊子によれば、3.11の後に、それを念頭に書かれた曲のようですが、描写的ではなく、暗く深い情念のようなものを感じる曲。
なんとなく、第1次世界大戦の頃に書かれた、オネゲルとかマルティヌーとかの交響曲をも連想しました。
協奏曲同様、現代音楽にしては耳に優しいと言って良いのかな。
しかし、純然たるシリアスな音楽であるのも同様。
音楽の持つパワーを体感させてくれた名演!でした。
下野さんの指揮も、都響の演奏も、定期演奏会クオリティ。
会場は、こういう演目なのに、かなり湧きました。

一柳慧さんの協奏曲と交響曲、2曲の初演を、都響定期の後半のメイン・ディッシュとして聴けることは、相当の幸せだと思います。
聴衆も作曲家も。
普通の交響曲が終った後のようにブラボーの声もかかっていました。
客席で聴いていた作曲家が舞台に呼ばれ、その作曲家に心から拍手を出来るというのは、なんと幸せなことでしょう。

まだサマーフェスティバルのまっただ中なのに、フライング気味で(でも、サマーフェスティバルの一環のように)始まってしまった秋シーズン。
ヤマカズ/新日本フィルでのシーズン終了からの日数が短かったこと!
もっとも、読響の「3大~」を入れれば、シーズンは続いていたようなものでしたが…。

都響定期を振り終えた下野マエストロは、あっという間にライバルに早変わりし、インバルさまに対抗して「復活」を振ります。
いや、その前哨戦は、この日の前半の服装から、すでに始まっていたような…。

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