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2012年8月 5日 (日)

都響メンバーによる室内楽(2012/8/5)

2011年8月5日(日)14:00
東京文化会館小ホール

都響メンバーによる室内楽トークコンサート Vol.12
《ショスタコーヴィチの叙情》
ヴァイオリン:田口美里
ヴァイオリン:小林久美
ヴィオラ:小林明子
チェロ:江口心一
ピアノ:小川典子

モーツァルト:アダージョとフーガハ短調K.546
シューベルト:弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」
ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲
シェーンベルク:鉄の旅団
(アンコール)

予想はしていましたが、都響定期クオリティのハイレベルの演奏に興奮!でした。

一曲目のモーツァルトの演奏が終わったところで、第1ヴァイオリン・田口美里さんのトーク、モーツァルトとシューベルトについて。
第2ヴァイオリン・小林久美さんとチェロ・江口心一さんによる「死と乙女」の詩の朗読。
江口さんの死神の声による誘惑、うま過ぎ!です。
その後、ヴィオラ・小林明子さんにによるトーク、ショスタコーヴィチについて。

そして演奏されたシューベルトの「死と乙女」は、なんとなんと、ハイレベルの演奏。
これは都響A定期クラスのクオリティではないですか!
インバルさんが居なくても、4人のうち副首席奏者が一人だけでも、これだけの音が鳴る都響の底力、恐るべし。
最初から最後まで、末端の音の処理に至るまで、都響定期レベルまで仕上げが行き届いています。
第1、第3、第4楽章の迫力も凄かったのですが、第2楽章の切々と歌う音に込められた、形容しがたい、悲しいけれど美しい、感情の深さには唖然とするのみでした。
この演奏が、単に偶然、気合いで盛り上げただけの熱演などではなく、十分に練り上げられた上での、高度に音をコントロールした上での高揚である(と思われる)のが凄いです。
都響定期クオリティ!と感じたのは、まさにその点で。

後半はゲストに小川典子さんを迎えてのショスタコーヴィチ。
これも、白熱したものとなりました。
もちろん、ちょっとアイロニーのようなものを感じる弱音部などのニュアンスも絶妙。
リハーサルで小川典子さんからのアドバイスもあったとのことですが、聴感上は完全に対等の印象です。
箇所によっては都響メンバー側がグイグイ…のときもありましたが、その後、小川さんが猛然と巻き返す場面もあり、まあ、そういう曲なのでしょう。
全般的には全く対等の丁々発止。
会場は前半にも増しての大喝采!

アンコールにやはりピアノ五重奏で、シェーンベルク。
小川さんから曲の説明があり、第1次世界大戦でシェーンベルクが徴兵されていた時の曲とのこと。
弾きながら、かけ声、動物の鳴き声の真似など、声を出しながらの演奏。
めまぐるしく、楽しく、そして、少し悲しい曲。

都響定期クオリティ。
ミニ都響。
これはほめ言葉の意味です。
以前に何度も思ったのですが、やはりわが国においては、プロオケに所属し、毎日のように指揮者にしごかれ、数日ごとに本番をこなしていく皆さんのスキルは、室内楽と言えども、侮れないハイレベルのものがあるということを、再体験した次第。
もちろん、この演奏会は、都響主催公演でありますから、定期クオリティに仕上げるのは当然なのでしょうが、とにかく、大満足の演奏でした。

なお、この演奏会、当初発表の曲目は、前半がハイドンの弦楽四重奏曲でした。
「ハイドンとショスタコーヴィチが聴けるなら!」とワクワクしていましたが「死と乙女」に曲目変更。
ハイドン好きとしては結構残念ではあったのですが、「死と乙女」の素晴らしい演奏で、私は帳消しにしました。
めでたし、めでたし。

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