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2012年9月30日 (日)

インバル/都響(2012/9/30)

2012年9月30日(日)15:00
横浜みなとみらいホール

指揮:エリアフ・インバル
東京都交響楽団

(新マーラー・ツィクルス第Ⅰ期・ツィクルスⅡ)
ソプラノ:澤畑恵美
アルト:竹本節子
二期会合唱団

マーラー:交響曲第2番「復活」

インバルさんは、一度も鬼のような形相を見せることなく、終始平然と振り、都響メンバーも平然と演奏し、それでいて聴いたことがないような音で鳴る。
興奮でも熱狂でもなく、ただただ感銘を受けた演奏会でした。
こういう「復活」もあるんですね。
素晴らしい!
これはもう、都響のマーラー演奏の、伝統の底力と言わざるを得ません。
低俗な熱狂のマーラーはそこはありませんでした。

まず、この大曲の冒頭を、こんなに緊迫感なく、自然体で振り始めた指揮を、私は初めて見たかもしれません。
そしてその瞬間に都響から出てきた音は、気負いのない音ではありますが、気が抜けた音ではありません。
「皆さん、この曲はよくご存知ですね?」「はい、マエストロ、よく存じ上げております。」「よろしい。では、始めましょうか…。」みたいな…。

インバルさんは自然体を崩さず、ヒョイ、ヒョイ、と振る。
決して手抜きの指揮ではなく、キューは的確に出し続けていますが、インバルさんがしゃかりきになってグイグイ引っ張らなくても、都響からは的確な音が平然と出て来るのです。
これは凄い。

本当のプロというのは、舞台上で「はい、いま、一生懸命頑、張っていまーす!」と自己アピールするのではなく、磨いてきた名人芸を、平然と披露するものなのです。
今のインバルさんと都響には、それが出来るのです。
人間国宝もの!

独唱のお二人も、オケ同様に力みのない歌唱。
それは高貴な声、品位のある声と言っても良いかもしれません。
声を無理に張り上げない。
しかし、その声は、心に十分に染み入って来る。

合唱は、小さな音で歌い出す最初のところから起立しての歌唱。
途中、急に声の大きさを強くする場面で、多少は力みのようなものを感じましたが、それはごく一部分。
全般的にはプロのコーラスの威力を見せつけて、この曲にしては比較的少人数だったのに不足のないハーモニー。
指揮者の棒によく反応して節度を保っていました。

祝祭的でもなく、大曲の気負いもなく、2番目の交響曲として、高水準で演奏された「復活」。
熱演ではない、平然と弾く都響からは、もう、いとおしくなるような極上の音が、聴衆の私の心に染み入って来ました。
終わった時は、ただただ、感謝、感銘。

そんな、「熱狂ではなく感銘」の状態であった私には、フライング(と言って良いですよね?)のブラボーは少し残念でしたが、感性は人それぞれだから仕方ないですね。
もしB定期だったら?という思いはありますが、演奏の素晴らしさに変わりはありません。

終演後はお約束?の一般参賀。
拍手に送られて合唱が退場した後にも…。

なお、演奏とは関係ありませんが、「台風の影響でプログラム冊子が間に合わなかった」とのことで、冊子は終演後の退場時にいただきました。
こういうこともあるんですね。
まあ、どうでも良いことですが。

例の第700回定期演奏会の時の「復活」はどうだったのでしょう?
私は行けなくてチケットを友人に譲りました。
もちろんB定期のライヴCDは買いましたが、録音ではもっと緊張感の高い演奏に聴こえたような気も…。
記憶に自信はありませんが…。
帰宅したら聴いて確かめたい気もしましたが、しばらくは心の中に残っている演奏を暖めていたい気もします。

201209301

201209302

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