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2012年10月12日 (金)

秋山和慶/東京シティ・フィル(2012/10/12)

2012年10月12日(金)19:00
東京オペラシティコンサートホール

指揮:秋山和慶
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

(第262回定期演奏会)

モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」
ラフマニノフ:交響曲第2番

今の秋山さんと東響ではこういう音にはなりません。
しかし、かつての若かった頃の秋山さんと東響に、タイムスリップして再会したような嬉しさ!
20世紀の秋山&東響を思い出すような渾身の力演を、卓越した棒さばきで、結果的には煽ったことになる秋山さんの、“手段”としてのテクニックの勝利!
このコンビ、かなり、かなり、かなり、良いかもしれません。

最初のモーツァルトでは、秋山さんのモーツァルト、変わった!と思いました。
少なくとも4~5年前とは相当に違うと思います。
疾走するスピード感。
メリハリの効いたアクセント。
ピリオドスタイルまでは行かないにしても、少なからずそちら寄りに寄った印象です。

このスピード感に東京シティ・フィルもよく追従したと思います。
東響だったらあり得ない僅差での音の出のズレも時々あったように思いますが、
(秋山さんの棒で、ですので)
まあ、目くじらを立てるほどのことはなく、健闘をたたえるべき演奏だと思います。

秋山さんが東響以外のオケを振ると、東響よりも音がシャープに出る傾向は、東京シティ・フィルにもあてはまるみたいです。
…と思って前半は聴いていました。
しかし後半のラフマニノフは、そのシャープさに加えて、元・飯守さんのオケの側面がプラスされて、なんとも形容しがたい、あまり聴いたことのない音に…。

ラフマニノフの交響曲第2番は、今の東響ならもっと洗練されたカラッとした、あるいは艶やかな音になるでしょう。
たぶん。
でも、シティ・フィルから出る秋山さんの音はパワー全開!
ある意味、荒々しい音。
しかしそれは、棒でコントロールされた、偶然の産物ではない音。

秋山さん、熱狂していません。
冷静に棒で示します。
激しささえも、魅惑的な歌い回しも、全て棒で示します。
その、相当に細かく激しい棒の先端に、オケが必死でくらいつく。
爆演ではないですが、スレスレの熱演だったと言って良いのではないでしょうか。

最後の最後は、秋山さんが、一瞬だけ鬼のような形相を見せました。
秋山さんのああいうお顔、私はあまり拝見した記憶がありません。
それくらい、相乗効果で、白熱していった演奏だったのだと思います。
終演後のオケのメンバーの皆さんの嬉しそうな顔が、全てを物語っていました。

秋山さんと東響の音、あるいは、秋山さんと読響の音、どちらとも違う秋山さんとシティ・フィルの音。
個人的に秋山さんの大ファンの私はどれも好きですが、この演奏会での音は、私が最近最近聴いたことのない秋山さんの音だったかもしれません。

ちなみに、この東京シティ・フィル定期、欧米人っぽい風貌の方々が聴きにいらしていて、終演後にロビーに集まって、皆さん紅潮したお顔で嬉しそうにニコニコされていました。
私が個人的に秋山和慶さんのファンであることは横に置いて、日本人として嬉しい、誇らしい気持ちになりました。

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コメント

通りすがりの者です。もう十数年シティフィル聞いてなかったのですが、本日のラフマニノフは期待をはるかに上回る公演で正直びっくりしました。スケルツォの中間部のアンサンブルはちょっとひやっとしましたが、『完全燃焼』のコンセプトに恥じない熱演でした。

投稿: | 2012年10月12日 (金) 23時40分

おっしゃる通り『完全燃焼』でしたね。
最近あまり聴いたことがない系統のシティ・フィルの音が鳴っていました。
今季の多彩な客演指揮者陣によって、様々な可能性が開かれているようで、嬉しい限りです。
今の東響では聴けない(←悪い意味ではなく、今の秋山さんと東響の音は別次元だと思います)秋山和慶さんの別の音が聴けたのも嬉しかったです。

投稿: 稲毛海岸 | 2012年10月13日 (土) 08時00分

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