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2012年10月14日 (日)

新国立劇場「ピーター・グライムズ」(2012/10/14)

2012年10月14日(日)14:00
新国立劇場

ブリテン:ピーター・グライムズ
(ベルギー王立モネ劇場からの
 プロダクション・レンタル上演)

怖いですねー。
所々ヴォツェックを思い起こさせるような…。
それを緊迫感のある舞台に仕上げた演出、演じた歌手、コーラスの群衆、指揮、そして「最終日の」東フィル!
壮絶な体験でございました。
今日は私にしては珍しく、カーテンコール2回までで席を立ったのですが(不満があったからではなく、少々疲れ気味だったため)、私が1階に降りて会場を出る時も、まだ拍手は続いていました。

冒頭から緊迫感のあるオケの音、歌唱。
最終日だし、特に私の数少ない経験からすると、ピットの東フィルは、初日より最終日の方が良いことが多い気がするから想定通り。
強い音、叫ぶような音の多い曲ですが、なかなか「らしい」音を鳴らしていたのではないでしょうか。

舞台を締まった、切れ味のあるものにした演出効果は素晴らしい。
装置、照明はもちろん、群衆の動きのスピーディーなこと、そしてそれが、大挙して、威圧感も持って動く様は効果抜群です。

嵐の間奏曲の場面で、幕を下ろしたまま、何も行われずに音楽だけが鳴り響いていたのは、こういうものなのでしょうか?
新国立の舞台機構を使えば、ここで何かパントマイムでも見せることも可能ではないかと一瞬思いました。
まあ、そういう奇抜な演出を求めていたわけではありませんが…。
もちろん、プロダクション・レンタルのためで、新国立劇場の舞台機構を想定していなかったからかもしれないし、次の場面で、扉が開くたびに嵐の音楽鳴る効果を邪魔しなかったという可能性もあります。
休憩後も間奏曲では幕は降ろしたままでした。
でも、逆に、視覚の疲れを休ませてくれた感もありました。
その間、ホッと一息の気分も…。
それくらい、幕が開いている間は壮絶でした。

歌手の誰がどうこうという雑念を感じさせません、
コーラスの群衆に至るまで、緊密に一体化した超ハイテンションの舞台。
4階席からはピットの中は見えませんが、壮絶な音から察するに、これまた相当の熱演だったのではないでしょうか?
東フィルが時折見せる爆演ではなく(暴言失礼!)。

4階席から見下ろすと、傾斜した舞台はそれほど強いインパクトは感じませんでした。
さらに傾斜した小部屋が現れると、さすがにそれは「おお!」という感じでしたが、こんなに凄い上演なら、もう少し奮発して下の方の階の席を買えば良かったかな。

私はこのオペラは初めてで、NAXOS MLにあったコリン・デイヴィス指揮の演奏で予習しました。
その(結構凄い)演奏を耳に刷り込んで臨んだ今日の上演でしたが、十分に実演の迫力を満喫出来た…ということは、この上演も、相当に凄い上演だったのでしょう。
posted at 17:45:36

蛇足ですが、ほとんど閉じかけた壁の向こうでの礼拝の合唱の場面、私は4階の端の方の席だったので、正面からは見えない位置で指揮をしている方の姿が見えてしまいました。
三澤さんかどうかまでわかりませんでしたが、本職っぽい指揮の動作でした。

この上演、日程をやり繰りして、足を運んだ甲斐がありました。
でも、もう少し元気な時に観たかった気がしないでもありません。

スタッフ
【指揮】リチャード・アームストロング
【演出】ウィリー・デッカー
【美術・衣裳】ジョン・マクファーレン

キャスト
【ピータ・グライムズ】スチュアート・スケルトン
【エレン・オーフォード】スーザン・グリットン
【バルストロード船長】ピーター・シドム
【アーンティ】キャサリン・ウィン=ロジャース
【姪1】鵜木絵里
【姪2】平井香織
【ボブ・ボウルズ】糸賀修平
【スワロー】久保和範
【セドリー夫人】加納悦子
【ホレース・アダムス】望月哲也
【ネッド・キーン】吉川健一
【ホブソン】大澤 建

【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

2012_10_14

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