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2012年10月17日 (水)

インバル/都響(2012/10/17)

2012年10月17日(水)19:00
東京文化会館

指揮:エリアフ・インバル
東京都交響楽団

(第742回定期演奏会Aシリーズ)

ブラームス:交響曲第3番
ブラームス:交響曲第1番

このコンビが普通に演奏すれば、普通に高水準の演奏に…などという斜に構えた聴き方を許さない緊迫感のある演奏、特に後半の第1番。
デフォルメした演奏ではないと思いますが、インバルさんが気合いを込めると、余裕で追従するドイツの高級車のような都響です。
いやはや、聴き慣れているはずのこのコンビで、しかも前述のようにさほど作為的でないのにサプライズのある演奏。
緊迫感は尋常ではないですが、それが無理した結果でないところが素晴らしい。

前半の第3番は、どこがどう…というわけでもなく、このコンビのいつもの演奏…と言うことは高水準で…などと不遜な態度で聴いていましたが、第1楽章終盤で「おおっ!」となり、後は聴き手の私も、ただただ、受け止めるだけ。
ごく自然に高揚するあたりがこのコンビの充実ぶりを示しています。
もちろん、インバルさんの指揮に実演ならではの気合いを入れた箇所はありましたし、都響のメンバーも身体を揺らして演奏する箇所も多々ありました。
しかし、全般を通しての印象は、自然体で、背伸びをせずとも、熱演にせずとも、高水準の音が鳴るこのコンビ、でした。

そして後半の第1番。
曲が曲だけに、冒頭から気迫みなぎる音。
緩急自在と言うよりは、急急自在っぽいですが、割とゆったり目の中間楽章、特に第2楽章における各木管奏者のソロも美しい限り。
(鷹栖さん、乗り番でした。私は久しぶり。)
もちろん矢部コンマスのソロも余裕の美演。
第4楽章はお約束の…と言ってしまっては身も蓋もないですが、インバルさんは少しだけ煽っていました、たぶん。
その軽い煽りに平然と追従し、高揚し、緊迫しつつも爆演にしない都響。
最後も節度ある、しかし圧倒的と言うしかない終結でした。

東京文化会館の短い残響が消える前に(消えるや否や?)拍手を始めた方がいらしたのは…。
まあ、気持ちもわからなくはありませんが…。
まあ、そんなことは忘れて、予定された通りの、期待値通りの、…と言うことは相当に素晴らしかった演奏に感謝しましょう。

ちなみに蛇足ですが、首席オーボエ奏者の広田さんの公式サイトの活用法、裏技(個人的)。
ここをチェックすると、もう一人の首席オーボエ奏者の鷹栖さんの乗り番がほぼわかるのです(すみません!)。
で、この日も想定通り、鷹栖さんの乗り番だったのですが、広田さんが保護者のような顔をして3番目に座っていたのには、一瞬目を疑いました。

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コメント

インバル=都響は圧巻の巧さですね。都響のブラ1は2年前にインバルで、昨年はアラン=ギルバートで聴きましたが、アンサンブルの精緻さはそれらを上回っていた印象です。ただ、(他オケを含めて)この曲を聴く機会が多くて鈍くなったのか、はたまたステージ上がクールなせいか、ワクワク感はあまり感じなかった。一昨年のサントリーホールでの演奏は強く迫りくるものがあって、聴き終わっても暫くは放心状態だったことを思い出します。演奏会では聴覚のみならず視覚も重要な要素なので、ステージからもっとエネルギーを感じたいと思ってしまいます。贅沢なお願いであることは重々承知しておりますが・・・。

投稿: 黒猫 | 2012年10月18日 (木) 20時44分

黒猫様
東京文化会館は、席によってかなり音の印象がかなり違うことがありますので、お気持ちはお察しいたします。
私も、良い席のはずが「あれれ?」と思ったり、雨宿り席で覚悟して行ったら意外と良かった、などと法則性がいまだにわかりませんが。
もちろん私も、この日は良い方の音の席でしたが、「サントリーだったら…」という気持ちがなかったとは申せません。

投稿: 稲毛海岸 | 2012年10月18日 (木) 23時02分

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