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2012年10月19日 (金)

ラザレフ/日フィル(2012/10/19)

2012年10月19日(金)19:00
サントリーホール

指揮:アレクサンドル・ラザレフ
日本フィルハーモニー交響楽団

(第644回定期演奏会)
ヴァイオリン:川久保賜紀

【プロコフィエフ交響曲全曲演奏プロジェクト 最終章】
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
クライスラー:レチタティーヴォとスケルツォ・カプリース
       ~スケルツォ
(アンコール)(たぶん)
プロコフィエフ:交響曲第6番

明日はもっと良くなるだろうという箇所はあったように思います。
しかし、…。
しかし、…。
ラザレフさんが振ると、日フィルの音が激変する!と言わざるを得ません。
手取り足取りの大暴れ、キュー出しまくり、でした。

前半は川久保賜紀さんの独奏で、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。
賜紀さんを聴くの、久しぶりです。
5年くらい前に読響でブルッフを聴いて感激したので、楽しみにしていました。
基本、線が細い方と言って良いと思いますが、その線の細さを逆手にとって(と言ったら失礼かな?)、繊細な音を切々と歌わせる。
線の細めは短所ではなくて、長所なんです、賜紀さんの場合。
すなわち、太い筆で豪快に鳴らす演奏ではなく、微細なニュアンスを駆使しつつ、神経質にならずにたっぷり歌う。
これが、ラザレフさんと正反対かと思いきや、実はラザレフさんも豪快だけど細部にもこだわっているので、結構良い組み合わせだったりします。

ノーカットの方での演奏だと思いますが、やっぱりこっちの方がいいなあ、私は。
賜紀さんの繊細な演奏は技巧の駆使をひけらかさない。
アンコールのクライスラーも、毛筆ではない、ペン習字のような細やかさが美しい演奏でした。
ちなみにロビーのアンコール曲の掲示、アレグロになっていますが…。
読響の芸劇マチネで、米元響子さんが弾いたアンコールと同じだったような…。

休憩後の後半は、プロコフィエフの交響曲全曲演奏の最後を飾る第6番。
確かラザレフさんが健康上の理由で来日中止になり、ラザレフさんの希望で代役の指揮者は曲目変更、演奏せずにとっておいた曲ではありませんでしたっけ?
プログラム冊子にはそういうことの記載は無かったようですが…。

例によってラザレフさんは大暴れ。
しかしP席から見ていると、その大暴れは(いつものことですが)、やみくもに動き回っているのではなく、キューの出しまくりであることが素人の私にもわかる。
まさに豪快な手取り足取り。
身体、全身だけではなく、目線をも駆使して…。
大暴れの指揮の動作は、一見、豪快だけど荒い音であるかのように錯覚させられます。
しかし実際は、音の出から音の止めに至るまで、細部に至るまで、処理が相当に行き届いています。
雑な箇所、大味な箇所は皆無と言って良いでしょう。

おそらく翌日の2日目の演奏は、さらに磨きがかかり、凄いことになるのでしょう、特に第1、第2楽章は。
この上、何をまだ望むのか?と問われれば、音の溶け合い、だと思います。
その極上の溶け合い、調和は、第3楽章の前半で聴くことが出来ました。
これが全曲を通して出れば、さらに上を行く演奏になるはず。
そして、おそらく2日目は…。

プロコフィエフの交響曲全曲演奏、私はいろいろ事情があって、初回とこの日の最終回しか聴くことが出来ませんでした。
しかし、それでも、聴けたことを喜ぶべきでしょう。
まだまだ課題はあるものの、ラザレフさんが来てくれる限りは、日フィルの未来は明るいのでは?

2012_10_19

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