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2012年10月31日 (水)

ウィーン国立歌劇場「アンナ・ボレーナ」(2012/10/31)

2012年10月31日(水)18:30
東京文化会館

ウィーン国立歌劇場日本公演
ドニゼッティ:アンナ・ボレーナ

グルベローヴァ様の…独り舞台でない!
総合力が凄すぎる!
オケは恐れ入りましたと言うしかない音を奏でるし、歌手の皆さんもグルベローヴァ様と遜色なくハモる!
素晴らし過ぎて、もう、身悶えするような美しさでした。

どの歌手がどう、オケの音色がどう…などと感想を述べるのも、僭越な気分になりました。
はい…はい…凄いです…参りました。
チケットが高いと文句を言ってすみませんでした。
拝謁できただけでありがたき幸せ。
あのグルベローヴァ様が突出しないのも凄い!

いや、突出しないと言いつつも、そこはやはり、グルベローヴァ様。
もちろん、あらを探せば、加齢による劣化はそれなりにあるような気もしますが、そんなことは気にしないで声に酔った方が勝ち。
とてもリタイアの近い?昔の名前で出ている歌手のレベルではないでしょう。

グルベローヴァ様は最初から最後まで全力投球ではなかったかもしれませんが、ここぞと声をはりあげた時の威力は突き抜けるよう。
それも無理してはりあげている印象はなく、絶叫にならない。
まるで伸び盛りの若手歌手のような可憐な声。

グルベローヴァ様は技巧的には…いや、スタミナの問題かもしれませんが、さすがに若い頃(←私は生では未聴)のようにはいかないのでしょう。
しかし、テクニックの問題ではなく、うまい、うまい、舌を巻くほどうまい。
独り舞台ではないと言いつつ、そこはこのオペラ、最後は注目を独占。

ちなみに私は現地の事情は存じ上げず、当初は日常の上演を持ってきたのかと思いきや、2011年4月プレミエの舞台で、その時はネトレプコ様が歌ったとのことです。
その映像は輸入盤ブルーレイで見ることが出来ます。
(我慢できずに見てしまいました…。)
マエストロは、そのプレミエも指揮していました。
歌手は大半が代わっていますが、私はネトレプコ様のやや鼻にかかったような声は個人的にあまり好きではないので(←負け惜しみではなく)、グルベローヴァ様で持ってきてくれて大歓迎です。

演出は正攻法(たぶん)。
プログラム冊子の演出家インタビューにあるように、合唱の存在感をあえて弱めている箇所があったようですが、指揮も演出を尊重してか、音楽的にもコーラスは、パワー全開よりも、ふんわりと歌っている箇所が多かったかもしれません。
まあ、そういう曲だよ、と言われればそれまでですが。

ブルーレイで見たウィーンでのプレミエの映像では、最後は横たわったアンナが赤い布をかぶったように記憶していますが、本日のラストではグルベローヴァ様はただ横たわるのみで照明が暗転し、終了していました。
まあ、あまり細かい所まで覚えていないし、唖然としてこの世にこんな美しい音があっていいのか!と、酔っていたので、観察して比較している余裕もなし。

ピットの国立歌劇場管弦楽団も、当然のこととは言え、舌を巻くほどうまい。
舞台上の歌手と対等以上に張り合い、伴奏などではありません。
しかも、これだけ名人芸を駆使して演奏しておいて、終演後は、指揮者が舞台上から起立させた後は、普段通り、あたかもお仕事モードであっさり解散。
引き上げていく様は、これくらい、いつものことだよ…って?

終演後のカーテンコールは、たぶん15分くらい続いたのではないでしょうか?
最後は残っているお客さんは総立ちに近い状態。
終演後の熱狂は凄かったですが、上演中、ほぼ満席の客演は、多少の咳とかはありましたが、水を打ったように静かでした。
最後の最後だけ、オケの音が鳴り終わる前に拍手が始まってしまったのは残念でしたが。
ともあれ、カール・ベームが指揮していた頃から生き抜いて来た、化け物のような(失礼!)グルベローヴァ様の最後の来日と告知されている公演。
大打者の引退試合の最後の打席で大物投手が投げるように、共演歌手もオケも、最高の舞台でした。
繰り返しになりますが、独り舞台で無くて、本当に良かった。

指揮:エヴェリーノ・ピド
演出:エリック・ジェノヴェーゼ
美術:ジャック・ガーベル、クレア・スターンバーグ
衣装:ルイザ・スピナテッリ
照明:ベルトラン・クールデル
合唱監督:トーマス・ラング

キャスト
エンリーコ8世:ルカ・ピサローニ
アンナ・ボレーナ:エディタ・グルベローヴァ
ジョヴァンナ・シーモア:ソニア・ガナッシ
リッカルド・パーシー卿:シャルヴァ・ムケリア
ロシュフォール卿:ダン・ポール・ドゥミトレスク
スメトン:エリザベス・クールマン
ハーヴェイ:カルロス・オスナ

ウィーン国立歌劇場管弦楽団
ウィーン国立歌劇場合唱団
ウィーン国立歌劇場舞台上オーケストラ

201210311

201210312

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