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2012年10月13日 (土)

マゼール/N響(2012/10/13)

2012年10月13日(土)18:00
NHKホール

指揮:ロリン・マゼール
NHK交響楽団

(第1736回 定期公演Aプログラム)
ヴァイオリン:ライナー・キュッヒル

チャイコフスキー:組曲第3番
グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番
      ~サラバンド
(アンコール)
スクリャービン:法悦の詩

初日にしては上々…などとと言ったら叱られるかな。
結果的に最後の「法悦の詩」の超絶のサウンドを聴いてしまうと、前半のチャイコフスキーは100%ではなかったのかな。
それでも十分に魅惑的な演奏でしたが。
大物指揮者が在京オケの定期に客演する意義はいろいろあると思いますが、外来オケの来日演奏会ではあまり聴けない曲が聴けるという魅力がありますね。

チャイコフスキーの組曲第3番は、比較的オーソドックスに香り立つような演奏。
それは、マゼールさんが1970年代にウィーン・フィルを指揮して録音した35年前の演奏(名盤です!)とあまり変わっていない印象でした。
(数日前に、久しぶりにCDを取り出して聴いてみたのです。)
隅から隅まで100%が超一流のマゼールさんの音ではなかったのかもしれませんが(例えば、出だしは少し硬かったかな?大物を迎えての最初の本番で、さすがのN響も緊張したのでしょうか?あるいは木管の絡み合いの部分など)、全般的には、非凡なる剛腕が繊細に紡ぐチャーミングな曲。

休憩後は、キュッヒルさんの独奏によるグラズノフの協奏曲。
私はよくわかりませんでした。
会場は大喝采だったので、たぶん名演だったのでしょう。
でも、私自身はこの曲をさほど聴き込んでいるわけではないし…。
そして感じたのは、この曲、キュッヒルさんに合っているのかな?という思いでした。

キュッヒルさんのアンコール、バッハの無伴奏も、私はやや苦手な分野なので良し悪しはわからず。
演奏中に「あ、キュッヒルさんが、今、なぜ日本に居るのか、ようやくわかった!」という邪念も…。

そして最後の、スクリャービン、法悦の詩。
この演奏が聴けただけでも、足を運んだ甲斐があったというものです。
前半のチャイコフスキーも良かったとは思いますが、この演奏を聴いてしまうと、やはりオケの皆さんの力の配分は、100対95くらいだったのかな、と。

そう言えば、ホールに着いて早めに席についたら、メンバーの一部の方がステージ上で練習していて、聴こえてくる音はスクリャービンっぽい音ばかりでした。
N響メンバーをしても、気合いを入れて練習する曲なのですね。
その練習の成果は本番に実りました。

隅から隅まで隙がありません。
微細な部分までコントロールが効いています。
もっとも私はその微細な部分を聴き分ける耳は持ち合わせておらず、ただただ凄い音の“かたまり”として聴くしかなかったのですが…。
そして、それを平然と棒のテクニックで操るマゼールさん。
寄せては返す音の波。
オケが最強奏になっても余裕の指揮の手さばき。
私は1階席前方で聴いたので、この巨大ホールがどう鳴ったのかわかりませんが、壮絶な体験だったと言って良いでしょう。
定期演奏会らしい(N響らしくない?)曲目をマゼールさんの指揮で聴けた幸せ!

日頃、最近のN響にあまり好意的ではない私ですが、マゼールさんが客演しても特別料金にならないのは、感謝すべきであることは十分に認識しています。

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