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2012年11月22日 (木)

秋山和慶/九響(2012/11/22)

2012年11月22日(木)19:00
アクロス福岡シンフォニーホール

指揮:秋山和慶
九州交響楽団

(第321回定期演奏会)
ピアノ:河村尚子

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
スクリャービン:左手のための2つの小品
        ~夜想曲
(アンコール)
ブラームス:交響曲第1番

半休をとって、マイルを使って、福岡へ。
前半の協奏曲が相乗効果(たぶん)で凄いことに…。
ブラームスは手放しで絶賛とはいきませんでしたが、後半の2楽章が気合いの入った熱演でした。

ラフマニノフは、河村さんが絶妙のニュアンスで弾くと、それに呼応してオケが旋律をたっぷりと歌うように奏でる。
あの第2楽章が、ただ美しいだけでなく、白熱に近い高揚する様は唖然とするのみ。

河村さんのピアノの音は、鍵盤楽器の音の粒子をあまり感じさせない、音の連続感のある演奏。
それがラフマニノフの旋律美を際立たせる。
しかしそれだけではなく、オケと張り合って鳴らすべき箇所は芯のある力強い音。

もちろん第1楽章から良かったのですが、第2楽章で神がかり的?にノッてしまって凄い、凄い。
当然、オケの方も呼応せざるを得ず、木管のソロも弦楽もハイテンションで歌う。
その両者の勢いを第3楽章も維持して凄い、凄い(語彙枯渇で失礼)。

秋山さんは、見た目ではカチッとした音の印象が強いのですが、ロシア系の曲でオケを歌わせるのは昔から滅法うまかったと記憶しています。
ラフマニノフではその真骨頂。
協奏曲が終わった時点で、会場は演奏会が終わったかのような熱狂的な拍手とブラボー。
日本人どうしには珍しく、演奏終了直後、河村さんと秋山さんが熱い抱擁!

河村さんのアンコールはスクリャービンの左手から。
しっとりと、しかし、しっかりと、美しさの極み。
素晴らしい!

後半のブラームスは、秋山さんは東響とのCD(名演!)がある曲。
出だしから力強い音が鳴り響く。
ただ、欲を言えば、特に弱音部のアンサンブルなどで、緊張感の維持が多少課題のような気も(偉そうにすみません)。
木管やコンマスのソロが良かっただけに…。

在京オケ上位?の東響と同等だったとは言いません。
オーボエのソロが荒さんと同等だったとも言いません。
でも、九響の音は萎縮していません。
演奏する喜び、心からの喜びが感じられるのが聴いていて嬉しい。
これが全曲通して維持されれば、さらに素晴らしくなるはず(偉そうにすみません)。

第3楽章が始まった時、あ、音が変わった!と思いました。
第2楽章の一部でのもどかしさが消え失せ、ハーモニーに磨きがかかっている。
残念ながら最後までずっと維持はしなかったのですが…。
しかしそれでも、第4楽章の叩きつけるような威力は快感でした。

オケのコンディションとしては、前半の協奏曲の方が「良い状態の維持」という面では上だった印象もありますが、これは私の耳が、秋山/東響のサウンドを基準にしてしまっていることによるバイアスもあると思います。
ブラームスは多少辛口の感想になってしまいましたが、ラフマニノフのピアノ協奏曲は、先日の東京シティ・フィル定期の交響曲第2番の熱演も思い出しつつ、河村さんと秋山さんと九響の相乗効果を満喫させていただきました。

会場でいただいた来季のパンフレットには、退任する秋山和慶さんには桂冠指揮者のタイトルがついていました。
定期演奏会は振りませんが、特別演奏会を一回振るようです。

20121122

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