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2012年11月 3日 (土)

上海クァルテット with 長富彩(2012/11/3)

2012年11月3日(土・祝)19:00
市川市文化会館小ホール

上海クァルテット
ピアノ:長富彩

ハイドン:弦楽四重奏曲第67番「ひばり」
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第6番
シューマン:ピアノ五重奏曲
シューマン:ピアノ五重奏曲~第3楽章
(アンコール)

手に汗を握る真剣勝負は聴きごたえあり!
長富さんは後半からの参加で大変だったかもしれないですが、相当に頑張って聴き応えがありました。

前半はクァルテットだけでの演奏。
しかし、2曲でいったん演奏会が完結したかのような充実度です。

ハイドンからして、可愛らしく始まった曲が、あれよあれよという間に熱を帯びる。
モーツァルトの死後も、ベートーヴェンの時代まで生きたハイドンの姿を垣間見ることが出来る演奏でした。

続いて、ハイドンからワープしてショスタコーヴィチへ。
しかし弦楽四重奏曲という様式は、時代を超えてつながっていますねぇ。
全く違和感なし、です。
ユーモアは皮肉っぽく変質してはいますが…。
ただ、微弱音が奏でる抑圧された恐怖の片鱗はハイドンにはあまり感じられない要素でしょう。
20世紀の東側の産物と言って良いのでしょうか。
弦楽四重奏を聴いているのに、まるで交響曲を聴いているかのような気分になりました。
ある意味、オーケストラの縮図の、ミニマムサイズの中に、作曲家が込めた極めて多様かつ複雑な要素の数々。
それを4人は、指揮者と同じくらいの視点で読み取って弾いたのではないでしょうか?

前半でハイドンとショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲を弾ききった4人に、休憩後から長富さんが加わる。
これ、途中から加わるのって意外と大変なんでしょうね。
最初だけ押され気味?だった長富さん、徐々に調子を上げて言った印象。
「長富さん、多少遠慮気味?」と感じたのが、第1楽章を半分過ぎたあたりから「お!」という音が鳴るようになり、丁々発止に。
お、長富さんが仕掛けた!
それを横綱相撲で受け止めて寄り返すクァルテット!
凄い、凄い!

特に第3楽章は、曲調が曲調だけに、聴いているこちらも相当に肩に力が入る白熱ぶり。
長富さん、相当に気合いを入れていましたが、クァルテットもさらに上を行く応酬。
キャリアを考えれば、相当に良い勝負だったと言えるのではないでしょうか?
長富さんのピアノにも「お!」と耳を奪われる素晴らしい瞬間が随所に見られました。
また、楽譜に首っ引きではなく、頻繁にクァルテットの方に視線を向けてアンサンブルに隙なく加わったのも素晴らしい。
入念に準備をしたのではないかと思います。

アンコールに、あの白熱の第3楽章を弾いてくれたのも最上級のプレゼント。
元々凄かったから「アンコールはさらに凄かった」のかどうかはわからなくなりましたが、本編では出来なかった第3楽章の後の拍手が思う存分出来て幸せ!

「東京」がそろそろフェードアウトしていこうとしているときに「上海」が働き盛りを迎えている。
なんか、産業界を見ているような気分にもなりますが、長富さん、日本代表、頑張りました!
日本の未来は長富さんの世代の肩にかかっています!

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