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2012年12月21日 (金)

大植英次/東フィル(2012/12/21)

2012年12月21日(金)19:00
東京オペラシティコンサートホール

指揮:大植英次
東京フィルハーモニー交響楽団

(ベートーヴェン『第九』特別演奏会)
ソプラノ:アンナ・ガブラー
アルト:スザンネ・シェファー
テノール:ヨセフ・カン
バリトン:アンドレアス・バウアー
合唱:東京オペラシンガーズ

モーツァルト:オッフェルトリウム「主の御憐れみを」K.222
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」

エンターテインメントですね、この第九は。
正直、のたうち回るような大暴れの指揮に、ついていけない所もあったのですけれど、エキサイティングではあり、面白かったです。

一曲目のモーツァルトの作品は、弦楽器群(対向配置)と舞台上の小さなオルガンと合唱による曲。
演奏と歌唱が始まると、瞬時に下世話な外界のことを忘れ、浄らかな世界へ。
プログラム冊子記載のように、歓喜の歌に少し似た旋律がヴァイオリンに現れました。
この曲、プログラム冊子の記載では約6分。
その後に休憩15分。
「6分で休憩?」と思いましたが、それでも休憩終了時に時計を見たら19:30に近かったです。
まあ、出入りとかもありますので、こんなものかもしれません。

休憩前は第1ヴァイオリンが8人の編成でしたが、休憩後は16人の編成へ。

第九は、力強いけど意外とスリムな響きで、ティンパニの鋭い音の強打もあり、ピリオドではないにせよ、今風?のベートーヴェン。
しかし、相当に変わっている印象を受けました。
大植さんは拍子を取るのはそっちのけ?で、表情付け…と言うよりは、身体全体と顔面を駆使して、のたうち回り、大暴れ。

正直、この大げさな動きは何?
ここで身体をよじってうずくまる意味は何?
ここで第2ヴァイオリンの方を向いて煽っているけど、音に反映されているの?
…というような印象も多々ありました。
面白いけど、聴き疲れする感も結構ありました。
第九という曲を、このように指揮する意味は?とも思いました。

そんなわけで、第3楽章までは、私的には違和感の方がやや勝る印象。
第2楽章の中間部分が悦楽極まりない悦びの音楽として流れたのはちょっとびっくり。
第3楽章が終わった後に間合いを長く取り、オケのメンバーが何人か入場してきて加わりました。
私の席からは死角だったのでよく見えなかったのですが、合唱と独唱は、オケが歓喜の歌を奏でている間の入場だったのかな。

第1楽章からずっと、面白いけど疲れる、やり過ぎ…の違和感を感じながら聴いていましたが、声が入ってからは、その違和感も消え、ようやく私の精神は、鳴っている音楽に入り込めることが出来ました。
オペラシティの空間に高らかに響くハーモニーは、誇らしいほどにスケールが大きい。

声が入ってからは、大植さんは、歌詞を歌うかのように、口をパクパクさせながらの指揮。
さすがにオケだけの時ほど強引なことは出来なかった…のかどうかはわかりませんが、私としては、そちらの方が自然な気持ちで楽しめたことは事実です。
強引でなくても音楽は十分に高揚します。

最後は止まりそうなくらいに弦楽器を弾かせて入り、コーラスが歌い終わったら猛然と加速し、最後まで大暴れの指揮で締めくくりました。

こういう第九の演奏が好み?もう一回聴きたい?と問われれば、いいえと答えざるを得ません。
荘厳な第九だけが正解とも思いませんが、今宵の第九が、私が第九に求めているものとは違っていたことは確かです。
しかし、面白かったことも事実です。
損した、金返せ…という気分ではなく、このエンターテインメントを体験出来て良かった!と思ったことも事実です。
そう、エンターテインメントとして割り切れば、快感!の第九でした。

なお、蛇足ですが、この日の会場は、東フィル主催公演のいつものように「当楽団では楽章間のご入場はご遠慮いただいております」と場内アナウンス。
しかし、第九の第1楽章が終わった所で、1階席後方でお客さんを案内して入場させていたのが見えました。
この日、相当数いらしたと見受けられる招待客だったかどうかは不明です。
個人的には、東フィルの楽章間入場不可の運用にはあまり納得できないので、入場させたこと自体は良いことだとは思いますが…。

20121221

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コメント

こんばんは、昨晩は私もオペラシティーいきました、なんと、第九の生はカラヤン、ベルリンフィルの日本公演以来何年ぶりでしょうか。最近はオペラが多いのですが、昨晩は感動しました。超スローな出だしはアリですね、良かった、良かった!! 又聴きたい。はい、最初の曲はモーツアルトでしたので歓喜のメロディーが流れたときは一瞬、え、え!!なぜ??とおもいました。
足跡です、音楽の批評はできないので。

投稿: 太郎 | 2012年12月22日 (土) 20時39分

太郎様
拙文にコメントをいただき、ありがとうございます。
確かに、ツボにはまれば、大興奮だったと思います。
個人的な好き嫌いはあるにせよ、エキサイティングな演奏であったことは間違いないでしょうね。
私も、ちょっと私の好みとは違うんだよなーと思いながらも、熱気に包まれたロビーを抜けて、高揚した気分で会場を出ました。

投稿: 稲毛海岸 | 2012年12月22日 (土) 22時14分

非公開で、とのことで、長文のコメントを頂戴いたしました。
「もう一回聴きたい?と問われれば、いいえ」などと書きましたが、それはこの日の第九演奏会のことであって、2013/1/3の都響ニューイヤーは行きましたし、2013/2の「こうもり」も最終日のチケットを買ってありました。その日の朝に父が死去したため、空席を作ってしまいましたが…。
今後も、予想を裏切って下さることを期待して、可能な限り、体験しに参上する所存です。

投稿: 稲毛海岸 | 2013年4月16日 (火) 18時58分

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