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2013年1月13日 (日)

大野和士/水戸室内管弦楽団(2013/1/13

2013年1月13日(日)18:30
水戸芸術館

指揮:大野和士
水戸室内管弦楽団

(第86回定期演奏会)
テノール:西村悟

ドヴォルザーク:弦楽セレナード
ブリテン:ノクターン作品60
シューベルト:交響曲第6番
フォーレ:組曲「ドリー」~子守歌
(アンコール)

大野さんが選抜チームを振ると、やはりただ事では済みません。

一曲目のドヴォルザークでは、スリムでシャープに聴こえる部分と、比較的(小編成にしては)たっぷりとした感じの部分と…。
どちらかと言うと後者が多かったと思いますが、大野さん、本番で加速したのか、一瞬、合奏が乱れかける場面も。
そういう意味ではスリリング!でした。

続くブリテンが、とてつもなく凄い歌唱で、会場は湧きに湧きました。
大野さん、してやったりの選曲ではないでしょうか。
会場が大きくないことも、無理のない発声に寄与したにせよ、西村さんの抑揚と表情の徹底した歌唱は完全に手の内に入ったものだったのでしょう。
バックのオーケストラは、最初は弦楽合奏だけで始まり、途中で管楽器奏者やハープ、ティンパニが足音を忍ばせて入場。
管楽器奏者は指揮台の右横で演奏し、終わると弦楽合奏の後方の本来の?席に座っていく。
こんな曲で(失礼!有名曲でないという意味です。名曲でないとは言っていません)こんな凄い演奏になるとは!
そして、こんなに会場が湧くとは!

さて、休憩後は吉野直子さんが弾いたハープを舞台上に置いたまま、シューベルトの交響曲。
舞台上手に置いてあるブリテンで使ったティンパニは使わず、下手で叩いていましたが、バロックティンパニだったのでしょうか?
(私の席からは見えませんでした)。

演奏はピリオドスタイルではありませんが…。

可愛らしくチャーミングに微笑むメロディに気を許していると、突如、君子豹変し、怒涛の豪快な煽りの圧力に唖然、茫然。
それが各楽章で繰り返される。
初期…と言うには番号が大ハ長調に近い曲ですが、それにふさわしい大スケールを垣間見せてくれました。

ピリオドか非ピリオドか、なんていう時代は、もう過ぎ去ってしまったのかな、と昨今は感じることが多くなりました。
有無を言わさぬ説得力。
折衷案…などという生やさしいものではありません。
スピード感も豪快さも、切れ味も歌い回しも、全てがそこにありました。

演奏終了直後、大野さんが最初に引っ込んだ後、コンマスの豊嶋さんは眼鏡をはずして顔中の汗を拭っていました。
それくらい気合の入った演奏だったのでしょう。

ハープが置いてあったので、もしや?と思っていたが、吉野直子さんが入ってアンコールが演奏されました。
「フォーレのドリー、眠りの曲です」と大野さんが紹介して、子守歌。
会場の興奮を優しく冷ますように演奏され、これでお開きに…。
なんと言いますか、起、承、転、結が…、いや、起、転、転、結のような気もしますが、はっきりとストーリーとして提示された演奏会だったように感じた。
最初、チケットを買う前に、曲目が発表になったときに、無造作に3曲を並べたように感じたのですが、それは浅はかでした。
大野さんの筋の通った選曲だったのでした。

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コメント

ブリテンのノクターン、実は日本初演だったそうです。
西村さんの歌唱力素晴らしかったですね。長身でハンサムで、今後もっともっと大きくなってほしいです。でも、西村さん緊張されていたようで、歌い出しで落ちたみたいですよ。初めて聴いた曲でしたので、気付きませんでしたが。

投稿: ぼこ | 2013年1月14日 (月) 17時03分

ぼこ様
日本初演も、歌い出しで落ちたことも、知りませんでした。
そうですか。
それだけ、あの日のあの会場が、真剣勝負の場だったということですね。
もちろん、指揮者と演奏している皆さんの顔ぶれを考えれば当然かもしれませんが、会場にいることが出来た幸せを感謝したいと思います。
御教示ありがとうございました。

投稿: 稲毛海岸 | 2013年1月15日 (火) 22時24分

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