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2013年1月20日 (日)

プラハ国立劇場オペラ「フィガロの結婚」(2013/1/20)

2013年1月20日(日)16:30
茅ヶ崎市民文化会館

プラハ国立劇場オペラ
モーツァルト:フィガロの結婚

東欧系の来日団体の巡業?はあまり聴かないので、どんなものかと思って足を運んだのですが、アンサンブルとしてはかなり楽しい、快感すら感じる公演でした。
特にピットの小編成のオケが秀逸!
ピリオドに限りなく近い(?)疾走するモーツァルトです。

歌手の皆さんは、NBS系とは比べられるものではないにせよ、聴かせる楽しみは技で勝負?
力量にもそれなりに差があったとも思いますが、心地良い楽しさを味わう分には不足なし。
「盛りを過ぎたけど技巧でカバー」の方々と、「技巧はまだ荒削りだけどパワー全開!」方々の混成(混声?)チーム、前者がやや優勢。
でも、楽しかったです。
(暴言は御容赦を。)

まず、ピットのオケが素晴らしい。
ピットがスカスカの小編成。
コントラバス2人、チェロ3人、…。
その小編成が物足りなさにならない、楽しくにぎやか音づくりがそこにありました。
ヴィブラート控えめなのかな。
たぶんピリオドに近いスピード感と軽快さ。
ティンパニも固めの音、やや強打。
そして少人数でも、これはやっぱりオペラのオケのノリです。

中心人物を演じる歌手が、出だしで「あれれ、大丈夫かいな」だったりして不安になりましたが(伯爵夫人のアリアとか)、だんだん身体が暖まってくると(?)それなりに聴き応えのある歌唱になったりして、結果オーライの出来と言って良いのかな。

「盛りを過ぎたけど技巧でカバー」組が、スザンナ、伯爵、伯爵夫人。
「技巧は荒削りだけどパワー全開」組が、ケルビーノ、マルチェリーナ、バルトロ。
聴感での印象なので、年齢、キャリアが違っていたら御容赦を。
フィガロは最初、「盛りを過ぎたけど技巧でカバー」組だと思って聴いていたら、後の方では「技巧は荒削りだけどパワー全開」組のような気もしてきて詳細不明。
一流ではないせよ(重ねての暴言失礼)、フォルクスオーパーの歌手に感じるような側面の魅力があります。
スザンナなど、声のコントロールという点では、完璧とは言えない箇所もあったと思いますが、もう一回聴きたいか?と問われれば、迷わずYesです。

もちろん、1412席(ピット撤去分も含めて)という会場の大きさが、歌唱に有利に働いたのは確かでしょう。
都内の大きい会場での公演でも同じ結果になったかどうかは不明。
ちなみにこのホールは、多目的ホールにしては潤いのある音がするのは、私は数十年前に確認済みでした。

演出うんうん、舞台装置うんぬんと言うのは野暮なのでしょう。
でも、舞台装置は簡素ながらも“塗り絵”ではないし、奥行きもそれなりにあります。
演出なのか、歌手の自発的演技なのかわからない、笑いをくすぐる所作も随所に(後者のような気もしますが)。
唯一(?)、演出っぽかったのは、第3幕冒頭で、伯爵が客席側めがけてゴルフのスウィング、そして池ぽちゃの音。
あれは何だったのでしょう?

ともあれ、このメンバーで(失礼!)これだけ楽しい舞台にしてくれたMVPは指揮者でしょう。
終演後、指揮者は、少人数とはいえ、ピットの全員と握手してから引き上げました。
その握手に応じるオケのメンバーの態度も敬意がこもっていた様子。
お世辞抜きに、まさに少数精鋭という言葉がふさわしい、素晴らしい演奏でした。

…というわけで、東欧系の来日巡業初鑑賞、体感的にはウィーン・フォルクスオーパーに近く、新国立の良い時には遠く及びませんが、新国立のいまひとつ盛り上がらない公演よりは、はるかに楽しい。
全般的には新国立の方が上であるにせよ、侮りがたい公演でございました。

指揮:ヤン・ハルペツキー
演出:ヨゼフ・ブルーデク
舞台美術:ヤーン…ザヴァルスキー
衣装:エヴァ・ファルカショヴァー=ザーレシャーコヴァー

フィガロ:ミロッシュ・ホラーク
伯爵:イジー・ブリクレル
伯爵夫人:イトカ・スヴォボドヴァー
スザンナ:ヤナ・シベラ
ケルビーノ:カテジナ・ヤロフツォヴァー
マルチェリーナ:レンカ・シュミードヴァー
バルトロ:ズデネック・プレフ
バジーリオ:マルティン・シュレイマ
ドン・クルツィオ:ヴァーツラフ・レムベルク
アントーニオ:カレル・ドゥラーベク
バルバリーナ:オレシア・バラノヴァ

プラハ国立劇場管弦楽団、合唱団、バレエ団

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