« インバル/都響(2013/1/22) | トップページ | 新国立「タンホイザー」(2013/1/26) »

2013年1月25日 (金)

ラザレフ/日フィル(2013/1/25)

2013年1月25日(金)19:00
サントリーホール

指揮:アレクサンドル・ラザレフ
日本フィルハーモニー交響楽団

(第647回定期演奏会)
ピアノ:ハオチェン・チャン

【ラザレフが刻むロシアの魂《SeasonⅠラフマニノフ》】
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
ラフマニノフ:交響曲第3番

ピアニストには申し訳ありませんが、交響曲を2曲聴いたような体感。
豪快、ドッカン、ドッカンだけでない繊細な微弱音も駆使。
明日はきっと、さらに…という印象の箇所もありましたが、これだけやってくれれば文句なしです。

いや、ピアノの演奏が良くなかったわけではないのです。
チャーミングな歌い回しも、豪快な迫力も、それなりにありました。
耽溺するように微弱音を奏で、火を噴くような熱演の箇所も(たぶん)ありました。
しかし…。
しかし、ラザレフさんが振ってオケが音を出すと、どうしても耳がそちらの音に奪われてしまいます。
何度も、何度も、何度も。

ラザレフさんが出すオケの音は、それはそれは、見事なものでした。
弦の音も、ハッとするほど美しい。
木管や金管の合いの手も絶妙かつ迫力もあり。
(結構強く吹かせていた箇所もありました。)
そして、オケ全体での演奏になったときのスケールの大きさ。
前述のように、協奏曲ではなく、交響曲の体感です。

ピアニストも頑張っていましたし、P席ではなく1階S席で聴いたら違う印象になったかもしれません。
でも、ラザレフさんの導くオケの音の素晴らしさは、今までこの曲で味わったことがないくらいにすら感じました。
明らかに「勝負あった」の雰囲気。
(あくまでも、P席での印象です。)

…というわけで、協奏曲ではラザレフさんの貫禄、スケールの大きさの印象が強く、ピアニストの良さは、断片的に伺い知った(垣間見た)だけの感もありましたが、ソロのアンコール曲では透明感のある美しいピアノの音は結構魅力的に感じました。
中国民謡とのことで、きれいな編曲?でした。

休憩後の交響曲第3番は、個人的にはやや捉えどころのわからない曲なのですが、それでもこれだけ飽きずに「おおっ、おおおー」と聴けたのは、ラザレフさん大暴れの賜物。
それも、やみくもに暴れているのではなく、キュー出しまくりの大奮闘であるのも、いつもの通り。

基本、超ハイテンションの、鼓舞しまくりの豪快な演奏ではあるのですが、荒っぽいガサツな演奏でないことは、微弱音のニュアンス、弦の歌い回しの美しさが物語る。
リハーサルで相当にしごき、…もとい、磨き上げ、その上での本番での驚嘆すべきエネルギーの注入なのでしょう。

なお、蛇足ながら、ラザレフさんが老眼鏡のスペアを持って振っているのを初めて知りました。
第1楽章の途中で飛ばしてしまい、指揮台のすぐ前に音をたてて落下。
しかし、スペアをかけて指揮を継続。
楽章間で第2ヴァイオリンの方が拾って渡していました。

このコンビの演奏を、2日連続同プロで聴いたことがないので想像でしかありませんが、明日はさらにハーモニーが溶け合い、素晴らしい音になるのでは?…と感じられる箇所はあります。
それでも、今宵のスリリングな、勢いの魅力の価値は揺るがないと思います。

20130125

|

« インバル/都響(2013/1/22) | トップページ | 新国立「タンホイザー」(2013/1/26) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/214768/56626351

この記事へのトラックバック一覧です: ラザレフ/日フィル(2013/1/25):

« インバル/都響(2013/1/22) | トップページ | 新国立「タンホイザー」(2013/1/26) »