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2013年1月30日 (水)

ラザレフ/日フィル(2013/1/30)

2013年1月30日(水)19:00
東京芸術劇場コンサートホール

指揮:アレクサンドル・ラザレフ
日本フィルハーモニー交響楽団

(都民芸術フェスティバル
オーケストラ・シリーズNo.44)
ピアノ:後藤正孝

チャイコフスキー:歌劇「エフゲニ=オネーギン」~ポロネーズ
リスト:ピアノ協奏曲第1番
リスト:愛の夢第3番
(アンコール)
ブラームス:交響曲第4番
ブラームス:ハンガリー舞曲第4番
(アンコール)

CD化して何度も聴くような演奏ではないかもしれません。
まだ磨き上げの余地はあるかもしれません。
…にしても、それを補って余りある、豪快!な演奏でした。
それも、ただ豪快なだけではなく。

この日は私は、個人的に精神的な疲弊感を感じながら着席しました。
しかし、一曲目の「エフゲニ=オネーギン」ポロネーズが始まったとたん、先ほどまでの浮世の世知辛さから別世界へワープ。
気分転換というのは、こういうことを言うのでしょう…と言えないくらいの強烈な体験!(わけのわからない文章で失礼!)
ただ、その個人的精神状態から一気に別世界へ行ってしまったため、この短い曲は、あっけにとられているうちに終わってしまいました。
(演奏にのめり込めなかったという意味ではなく。)

ラザレフさんは、最後の瞬間だけでなく、最後の数秒間、客席側を向いて指揮しながら終結。
そして、続くリストのピアノ協奏曲では、真っ先にフライング気味の拍手!

確かに、ピアノ独奏、それに値する素晴らしさでした。
後藤正孝さんは、私はお名前を存じ上げなかったのですが、素晴らしい!
風貌は、一瞬、下野竜也さんを思わせるようでして、下野さんをふた回りくらい小さくして、広上淳一さん並みに小柄…という形容があっているかどうか…。
(たぶたび、わけのわからない文章で、すみません。)
「ふーん、小柄なのね」と思って見ていると、弾き始めたとたん、ピアノからはとてつもない音が出ました。

芯のあるピアノの音は、叩きつけるように弾いても全く音が割れず、飽和せず、スケール大。
さらには歌い回しもたっぷりで魅惑的。
そのセンスは私のツボを直撃。
バックのオケも、ラザレフさんの指揮ですから当然良かったのですが、それと対等だったかもしれません…ということは、かなりの…。

ソロのアンコールは愛の夢第3番。
協奏曲の後なので期待通りの選曲でしたが、これがまた、美しさの極み。
急がずにたっぷりと奏でた演奏でした。

前半終了時には、私は、会場に向かう時に疲弊感を感じていたのがウソのように元気になっていましたた。
音楽の癒し効果…を通り越して、覚醒作用のパワーは偉大です。

そして休憩後のブラームスの交響曲第4番。
始まって30秒も経たないうちに、ただならぬ高揚感に熱演を確信。
そして、その予想通り…。
予想通り…なのに、予想外の驚嘆!…の連続!
それが、本番での強力なエネルギーの注入が指揮者からあったにせよ、おそらく偶然の産物ではないでしょう。
それは、音に宿る…いや、込められた!ニュアンスの豊かさが物語っています。

アンサンブルとしては、あるいは音色としては、まだ多少の磨き上げの余地があると言って良いのでしょう。
しかしラザレフさんは、細部にこだわって萎縮することは求めていないのでしょう。
そしてオケのメンバーも、ラザレフさんの強引に近い指揮の前でも、萎縮せずに、堂々と、高らかに、誇らしく…。

全4楽章を通して、驚嘆しっ放しの脅威的な(←変換ミスですが、合っているかも)熱演。
でも、爆演ではない!と言って良いでしょう。
この曲ではラザレフさんは、客席側を向かずに指揮を完結しました。

アンコールのハンガリー舞曲第4番は、交響曲と番号を揃えたのか、単なる偶然か…。
ハンガリー舞曲の中では1、5、6番に比べると有名度が多少低いのでしょうか。
私は6番よりも先に覚えた曲ですが…。
演奏の途中で2回拍手が…。
1回目はたぶん一人、2回目はラザレフさんが客席側を向いていたせいか、かなり大勢。
でも、曲の途中で拍手したくなる気持ちも十分に理解できる豪快な演奏。
相当に豪快でも、多少荒っぽくても、暴力的ではない。

終演後の私は、池袋行くのをやめようかと迷っていた疲弊感がウソのように元気いっぱいになっていました。
指揮台からいったんオケに向かい、反射して客席に放射されるオーラは凄い!

20130130

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コメント

はやりラザレフさんは、聞く者をひきつけるものを持っていますね
ただ、上手に演奏しただけでは何か後に残るものが感じられませんが、いつもラザレフさんの演奏は後に残る何かがあると思います。

それが生の演奏、CDなどでは味わえない醍醐味ですね
土曜に日本フィルの定期を聴いたばかりですが、今日聴いてよかったと思います。

投稿: 炎のタロー | 2013年1月30日 (水) 23時40分

炎のタローさま
ラザレフさんは、客席の聴衆をめいっぱい楽しませようというものが、ビシバシと伝わって来ますね。
いや、もしかしたらそれは結果であって、一番楽しんでいるのは、ラザレフさんかもしれませんね。

投稿: 稲毛海岸 | 2013年1月31日 (木) 00時18分

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