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2013年1月 8日 (火)

大野和士/読響(2013/1/8)

2013年1月8日(火)19:00
東京芸術劇場

指揮:大野和士
読売日本交響楽団

(第201回東京芸術劇場名曲シリーズ)
ピアノ:小山実稚恵

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番
R. シュトラウス:アルプス交響曲

磨き上げた上で、さらにつや消しの加工を施したような、極上の音。
しっとりと潤いのある音は、最強奏になっても、うるさくならずに溶け合う。
芸劇のモダンオルガンまでもが潤いのある美しい音に!

いやはや、読響の皆さん、ご自分が、たった今、出している音が信じられない思いだったのではないでしょうか?
何かが取り憑いたような渾身の、しかし、美音!の演奏です。

まずは、大野さんの盟友?、小山実稚恵さんのラフマニノフ。
最高に良い時の読響の音ですね…って、当たり前ですかね…。
隅から隅まで繊細な美しい音で隙なし。
ミスターSの時ですら、たまに「微妙…」になる金管だって、全くの隙なし。
小山さんのピアノも、小山さん本来の、弾むようなチャーミングな音が戻って来て嬉しい限り。

この協奏曲、オケの音は、結構地味な伴奏の箇所もある曲ですが、そういう部分の、何気ない合いの手のような音ですら、全く隙なし。
前半でもう、来て良かった!と幸せな気分。

さて、休憩後のアルプス交響曲を前にして、銀色に輝く芸劇のモダンオルガンと、その前のバルコニーに並べられたバンダ用の譜面に気づきました。
あれ?前半もモダンオルガンは姿を見せていましたっけ?
全然記憶にありません。
冷静だったつもりですが、やはり大野さんの登場にハイテンションになっていたかな。

アルプス交響曲では、さすがに編成が膨れ上がったこともあってか、最初の方は一部の金管の音が、やや恐る恐る音を出すような感もあったのですが、夜が明けて日がのぼってしまえば文句無し。
それにしても、このしっとりとした潤いのある音は、え?アルプス交響曲って、こんな曲だっけ?という感じ。

木管楽器のソロの音ですら、ニュアンスがただ事ではありません。
オケの音の溶け合いもただ事ではありません。
最強奏では全メンバーが何かに取り憑かれたような激しい動きで、渾身の力演をしているのに、鳴っている音は全くうるさくなく、柔和で潤いがある。
ひ弱な音でもない。

大野さんは、日がのぼってしばらは、千手観音のような手さばきも何度か見せましたが、オケがノッてしまってからは、強引な様子は見せずに、しなやかで力強い動きでオケから極上の音を引き出していました。
この芸劇の空間に漂った香しい音のニュアンスは、恍惚感すら覚えました。

アルプス交響曲の曲のイメージとしては、私はこれまでゴージャスな輝かしいサウンドのような気がしていたのですが、この日、大野さんが聴かせてくれた音は(短絡的思考で申し訳ないですが)ああ、やっぱり、ばらの騎士と同じ作曲家だったんだ、という思い。
大野さんの指揮で「ばらの騎士」、観てみたいですね~。

あえて重箱の隅をつつけば、初日よりも2日目の方がさらに良くなるかも…という箇所はあった気もしますが、そのことによって、私が聴いた初日の演奏の価値が減ずるものでは断じてありません。
2日目のチケットは私は持っていません。
22年ぶりの大野さんの読響客演の一期一会に感謝!です。

ちなみに私事ですが、この日は、都内某所で15:00-17:00に会議を設定しました。
別にこの日でなくても良かったのですが、芸劇へ行きやすいことを考慮したのです。
しかし、新年稼働2日目の会議のために、仕事始め早々に普段の1.8倍くらいの気合いで資料を準備する羽目になり、大変でした。
もしかして、大野さんにノセられてしまった読響の皆さんも、似たようなものですかね?

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