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2013年2月17日 (日)

東京芸術劇場シアターオペラ「カルメン」(2013/2/17)

2013年02月17日(日)14:00
東京芸術劇場コンサートホール

5都市共同制作
東京芸術劇場シアターオペラ
vol.6

ビゼー:歌劇「カルメン」

音楽的には首都圏常設の団体に引けを取らない素晴らしさ。
歌唱は(ほぼ)文句無し。
ピットのオケはシンフォニック!
高水準!…個々にはいろいろありますが…。

オケはコントラバス2人だったので10型かな。
事前の想像以上に厚い響きで…。
でも、分厚くなり過ぎず、小気味良い。
トランペットやカスタネットを、衣装を着て舞台上で鳴らすなど、音響的にも自然で効果的です。
そのピットのオケの雄弁なこと!
いわゆるオペラのオケっぽい絶妙の伴奏とはちょっと違って、シンフォニー・オーケストラのサウンドです。
でも「カルメン」だと、その舞台上とピットが対等に張り合うのが快感になります。

ピットは1階席前方数列(5列くらい?)を撤去しての演奏。
写真はロビーに置かれた撤去された椅子です。

来日組はパワー申し分なし。
ミカエラの小川里美さんも対等以上で、声のパワーは素晴らしい。
カルメンは出だしでは、もう少し毒がほしい感もありましたが、第1幕中盤以降は興が乗って無問題。
でも、終幕は少し息切れしたかな?(私の気のせいかもしれませんが。)

演出は、合唱を円形のステージを取り囲むように配置し、コロシアムの観衆(群衆)に見立てたのは、ホール・オペラとしては効果的な趣向だと思いました。
ただ、設定をスペイン植民地時代のフィリピンのマニラにしたのは、字幕の説明があっても少々わかりにくい(ピンとこない)印象を受けました。
ホール・オペラでは、光線を駆使したとしても、視覚面で相当にハンディがありますので、せっかくの面白い着想が、十分に視覚的に生かされていなかったのは少々残念。
植民地における現地語と支配側言語の交錯を模した日本語歌唱の挿入も、部分的な挿入なので唐突な印象は拭えず、効果は今ひとつに思えました。

合唱は、メインが音大コーラスなのでどんなものかと多少危惧していましたが、これが予想外の(失礼!)大健闘。
もちろん、コロシアムの観客を模した配置で、演技が最小限であったこともプラスに働いたのだと思いますが、ハーモニーもスケールも申し分ありません。

…というわけで、冒頭に述べたように、音楽的には文句なし。
もっとも、これも前述のように、中途半端に日本語歌唱を挟まなかった方が良かったような気もしますが、こういう贅沢な感想を述べられるのも、全般的には高水準の上演であったからです。
正直、ここまで良いとは予想しなかったので、望外の喜びでした。

指揮:井上道義
演出:茂山あきら

カルメン(ジプシーの女、レジスタンス):ジュゼッピーナ・ピウンティ
ドン・ホセ(混血の伍長):ロザリオ・ラ・スピナ
エスカミーリョ(闘牛士):ダニエル・スメギ
ミカエラ(現地人の娘):小川里美
スニガ(現地人の将校):ジョン・ハオ
モラレス(現地人の伍長):三塚至
フラスキータ(レジスタンスの女):鷲尾麻衣
メルセデス(レジスタンスの女):鳥木弥生
ダンカイロ(レジスタンス):晴雅彦
レメンタード(レジスタンス):ジョン・健・ヌッツォ
助演:中村恩恵(コンテンポラリーダンス) 他

管弦楽:オーケストラ・アンサンブル金沢
コーラス:武蔵野音楽大学
児童合唱:世田谷ジュニア合唱団

20130217

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