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2013年3月10日 (日)

ハイティンク/ロンドン響(2013/3/10)

2013年3月10日(日)14:00
横浜みなとみらいホール

指揮:ベルナルド・ハイティンク
ロンドン交響楽団

ピアノ:マリア・ジョアン・ピリス

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番
ブルックナー:交響曲第9番

ご無沙汰しておりました。
しばらくは間引き運転になるとは思いますが、この演奏会から鑑賞に復帰しました。
またよろしくお願いします。
準・メルクルさん指揮のN響から2週間。
リスタートも、みなとみらいからです。
いきなり凄いものからです。
集中力も鈍っており、猫に小判状態ですが、至福の境地です。

それにしても…。

人間国宝、マエストロ・ハイティンク!
ヨーロッパに人間国宝があったら、間違いなく選出でしょう。
実直に、正攻法の道を歩み、見事に大成したその至芸。
作為的な演出がなくともトテツモナイ音が鳴ってしまいます。

個人的事情の集中力欠如は、そんなことは無問題。
圧倒的な体験でございました。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲でオケの最初の音が鳴った瞬間(ピアノが鳴る前)、ああ、ハイティンクさんのベートーヴェンが聴けて幸せ!…と思いました。
しなやか、力強い。
ある意味、ぶっきらぼうな面も内包している音のような気もしますが、確信に満ちた音です。

そしてピリスさんのピアノが入ると、その清らかな美しい音色に魅了されます。
P席で聴いたせいかどうかわかりませんが、オケのような力強い印象はあまり受けませんでした。
しかし、オケとピアノが異質という印象は皆無。
ただただ美しい音に酔うだけで、眠気を感じるくらいで(たいくつという意味ではなく、美しすぎて)細かいことは覚えておりませんが、本当に幸せなひとときでした。

前半で既に「こいつは凄いや…」の状態で休憩時間を過ごしていましたが、休憩後のブルックナーの交響曲第9番が、最初に音が出た瞬間から「こいつはもっと凄いや…」の状態。
指揮姿を見る限りは、力強いものの愚直に振っている印象で、どこからオーラが出ているのか…。

何度も何度も、ああ、いま、私は神に包まれている!と思いました。
いや、私は仏教徒なので「仏に」と言うべきでしょうか。
「浄土」という言葉が何度も脳裏をよぎりました。
(父を見送ったばかりなので、すみません。)
ブルックナーの意図はともかく、普遍的な神々しいものに包まれている体感。
厳かで、厳粛で、至福の瞬間…の数々!

重箱の隅を突けば「もし仮にオケがウィーン・フィルだったら、こうはならないだろう」という箇所(細部)はそれなりにありました。
しかし、だからこそ、LSOからこんなトテツモナイ音が出たことの凄さを思い知らされます。
細部のことが、この壮大なる演奏の価値を減ずるものでは、決してありません。

ハイティンクさんが手を下ろすまで、ほぼ静粛は保たれ、後は熱狂的な拍手とブラボーの嵐。
ハイティンクさんのソロ・カーテンコールが一回で終わったのが不思議なくらい。
このところ、個人的に心身ともに疲弊していた私は、魂を洗われたような思いでした。

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コメント

お帰りなさい!!
何気にブログを拝見させていただいたら
「復活」ですね。

ハイティンク素晴らしいですね
私は3/7(木)のサントリーホールでブルックナー
を聴きました。演奏も最高でしたが、さらに観客も
素晴らしく演奏中の咳払いなど雑音がほとんど無く
そして演奏終了後は指揮者がタクトをおろしさらに
指揮台にタクトを置くまで静寂が保たれて演奏の
素晴らしさがさらに増した様に思いました。
 一般参賀も当然の成り行きで2回ありました。

非常に感激したので、急遽3/9(土)の
チケットも予定外に購入して聴いてしまいました。
・・こちらも大変素晴らしい演奏でした。

 みなとみらいも聴きたかったですね(残念)

投稿: 炎のタロー | 2013年3月10日 (日) 21時55分

炎のタローさま
復活してすぐにコメントをいただき、ありがとうございます。
鑑賞への復帰日はいろいろな要素を考慮して決めましたが、ハイティンク、名前だけの人ではなかったですね。
私は元々最終日だけ鑑賞の予定でしたが、このチケットを買ってあったことと、聴くことが出来たとことを、本当に嬉しく思いました。

投稿: 稲毛海岸 | 2013年3月10日 (日) 22時18分

 私もサントリーの方の同プロを聞きました。あんな神々しいブルックナーがヴァント&北ドイツ放送響以来聞けるとは!しかもロンドン響で!!これがウィーン・フィルとだったら・・・(というのは贅沢過ぎますね)。
 ハイティンクは90年代後半のウィーン・フィルとの来日以来、ドレスデン、シカゴと全て聞いてきましたが、今回が一番素晴らしかったように思います。しかし、やはり歳をとりましたねぇ。指揮台に椅子を置き、指揮中は立ったままでいるものの楽章間に椅子に腰かけて休憩している様子や舞台袖と指揮台の往復姿にハイティンクも80を過ぎてしまったんだなぁという切なさ感が否めませんでした。今度はボストン響とでも来てほしいものです。

投稿: りゅうたろう | 2013年3月11日 (月) 08時46分

りゅうたろう様
私はたぶん、相当前の、ロイヤルオペラとの来日以来だと思います。
これまで聴いてこなかったのは私の不徳の至りですが、それを悔やむよりも、今回聴けたことを喜ぶべきですよね。

投稿: 稲毛海岸 | 2013年3月11日 (月) 17時56分

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