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2013年3月19日 (火)

カンブルラン/読響(2013/3/20)

2013年3月19日(火)19:00
サントリーホール

指揮:シルヴァン・カンブルラン
読売日本交響楽団

(第524回定期演奏会)

マーラー:交響曲第6番「悲劇的」

就任以来、喜んで聴いてきた読響の音って、実はまだ、カンブルランさんの色に染まっていなかったということでしょうか。
明晰で分離の良い、そして透き通るような音。
現代的でスタイリッシュなのに、ライヴならではの白熱した演奏でした。

個人的事情により間引き運転中のため(どこが?と言われそうですが)、前日のチケットを泣く泣く無駄にしたのですが、「最終日を聴けて良かった」と言うべきでしょう。
世俗的なことに疲弊していましたが、演奏会が終わる頃には魂を洗われ、揺さぶられていました。

まず、舞台上の配置にちょっと驚きます。
ティンパニを上手と下手に分離して配置し、ヴァイオリンも左右、ヴィオラ下手、チェロとコントラバスが上手と、あれ、鈴木康浩さん、あんなところに…。
おそらくその配置は、音の分離も意図した計算ずくのものだったのでしょう。
事実、各楽器の音が、驚くほど明瞭に、くっきりと浮かび上がりました。
第1ヴァイオリンを支える立場が多い第2ヴァイオリンの音も、くっきりと独自性をもって浮かび上がる。
そして両翼で鳴るティンパニのステレオ(?)効果!

そして分離の良さに加えて音の透明感。
これぞ私たちが、カンブルランさんに求めていた音ではなかったか…と思いました。
やっと巡り合った、本来の(?)カンブルランさんの音。
それはスタイリッシュで、クールで、透明感のある音。
のたうちまわるようなマーラーではなく、冷徹に組み上げられたサウンド。
しかし、それでいて、無味乾燥ではない情熱的な音。
特に第4楽章終盤の白熱ぶりは、ただただ唖然として受け止めるのみ。
こういうスタイルの演奏だからこそ、この白熱ぶりは圧倒的。
会場の集中力も相当なもので、少なくとも私の周囲では、ノイズは極小。
フライングの拍手も、フライングのブラボーもなし。
拍手が始まった後はブラボーの嵐。
舞台上の読響の皆さんも、笑顔、笑顔、笑顔、互いに拍手を贈りあう。

前月の下野さんの正指揮者卒業と今宵の演奏に因果関係はないのでしょうが、コンサートマスターも過渡期で、読響も、もしかして、いま大きな転換点にいる…というのは考え過ぎでしょうか?
でも、もし仮にそうだとしても、新しい時代はカンブルランさんが築くのです。

本来カンブルランさんの「悲劇的」を聴けただけでも喜ぶべきところですが、この日の演奏を聴いてしまうと「なぜツィクルスにしないっ?」という欲求不満すら感じてしまいます。
いや、もしかして、インバルさんの都響退任を待っているかも??

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コメント

圧巻の演奏でしたね。前日も良かったものの、予想の範囲内という印象でしたが、20日はそれを凌駕。集中力は更に高まり、数段エネルギッシュで、それでいて混濁せずに透明感のある演奏で、ただもう驚くばかりです。耽溺せずに見通しの良い指揮も素晴らしい。
カンブルラン=読響は「新たな次元」の扉を開けたのかもしれません。

投稿: 黒猫 | 2013年3月20日 (水) 10時52分

黒猫さま
やっぱり、「新たな次元」の扉を開けた演奏でしたか!
前日の様子も教えていただき、ありがとうございます。
2日聴く予定が1日だけになったのは残念ですが、最後の1日にしておいて良かったわけですね!

投稿: 稲毛海岸 | 2013年3月20日 (水) 20時25分

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