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2013年4月26日 (金)

インキネン/日フィル(2013/4/26)

2013年4月26日(金)19:00
サントリーホール

指揮:ピエタリ・インキネン
日本フィルハーモニー交響楽団

(第649回定期演奏会)

【シベリウス交響曲全曲演奏プロジェクト】
シベリウス:交響曲第3番
シベリウス:交響曲第6番
シベリウス:交響曲第7番

素晴らしい!
「1番、2番以外」が苦手だった私が、目を輝かせて魅了されました。
日フィルからこんな繊細で美しい音を引き出すとは!(失礼!)
スッキリ…の中に、躍動感を内包した、驚異の二律背反の両立!
最後の7番は熱く…いや、クールに(?)高揚!です。

終わってしまった…。
最後は、ああ、終わらないでほしい!…と思いました。
「1番、2番以外」が、さほど好きでもなかったこの私が…。

何度も恐縮ですが、1番、2番以外のシベリウスの交響曲は、ずーっと、わけがわからないでいました。
比較的頻繁に聴いていた5番だって、前月のインキネンさん指揮の演奏で開眼したような気になったくらいです。

インキネンさんの構築する音は明快!
これは楽しい!
スッキリしていながら、その中に小さな旋律、要素の躍動感を、ちりばめて内包しているるという演奏。

第3番は、プログラム冊子に、(2番までとは変わって)凝縮へと向かった作品…というような記述があって、確かに枠組みはそうだとは思いましたが、様々な要素が次々と現れる多様化でもあるのでは?…とも感じました。
でも、インキネンさんは、多様化、複雑化を、難解な方向には持って行きません。

民俗的を色濃く出したサウンドではなく、モダンでスタイリッシュなサウンドの側面が強いと思いましたが、それでも音の根底には、インキネンさんの血は、ほのかに感じます。
明るい、快晴の、でも、肌を刺すような寒さの、北欧の空気…。

特筆すべきは木管(特にオーボエ、フルート)の音色。
あの豪腕ラザレフさんの、引きずり回すような指揮のときは、こんなに美しい音は出ていなかった気がします(失礼!)。
どちらが良い、悪いではないのですが、本当に隙のない、繊細で、魅惑的な音。
いや、オケ全体がそうだと言っても良いかもしれません。

私は今回の全曲演奏プロジェクトは3回中2回の鑑賞だったので、全体像を語る資格は無いかもしれませんが(4番自体、CDでもあまり聴いたことがありません)、多様化、複雑化した音楽が、6番で再び融合に向かったように感じられました。
(インキネンさんの解釈や演奏のせいかもしれませんが。)

その音の要素の融合は、ダウングレードではなく、アップグレードであることは、さすがの“シベリウス音痴”の私でもわかります。
いや、インキネンさんと日フィルがわからせてくれました。
音のうねり…。
その中でうごめく、ささやきのような小波…。

休憩時間にアナウンスもあり、さらにはインキネンも手をおろさずに続けて演奏された第6番の後の第7番。
それは、シンフォニスト、シベリウスの集大成にふさわしい音楽…であることが、今宵、私にもわかりました。
いや、わからせていただきました。
幼虫が脱皮して蝶になったような…。

前半の凝縮した、多様性内包する第3番から、大きな音のうねりに融合した第6番、そして全てを完備した第7番。
最後は熱く高揚し…、いや、クールなサウンドなのですが…、でも、明らかに高揚し、最高の、極上の、でも、すがすがしい終結。

フライングなし、残響が消えてからの会場の拍手は熱いものでした。
大興奮と言うのとはちょっと違いますが、心から堪能したような拍手。

私のシベリウス苦手意識を払拭してくれたインキネンさんとと日フィル。
でも、当分、他の指揮者のCDとかで聴かない方が良いかも…と思いました。
今宵を演奏を心の中の思い出にして。

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