« 2013年3月 | トップページ | 2013年5月 »

2013年4月の9件の記事

2013年4月27日 (土)

都響メンバーによる室内楽(2013/4/27)

2013年04月27日(土)14:00
東京文化会館小ホール

都響メンバーによる室内楽トークコンサートVol.15
《ハルモニームジーク》
オーボエ:広田智之、鷹栖美恵子
クラリネット:三界秀実、サトーミチヨ
ファゴット:岡本正之、長哲也
コントラファゴット:山田知史
ホルン:西條貴人、野見山和子、和田博史
チェロ:田中雅弘
コントラバス:山本修

フンメル:木管八重奏のためのパルティータ
モーツァルト:セレナーデ第11番
ドヴォルジャーク:管楽セレナーデ
ドヴォルジャーク:管楽セレナーデ第4楽章から
(アンコール)

こんな上手い人たちが吹いていれば、都響のコンディションが良いのは当たり前。
インバルさんの巻きに余裕で追従する力量の源泉ですかね。

この演奏会が発表になったとき、メンバーの名前を見て「す、すごい」と思いました。
首席奏者が顔を揃え、名前だけでも壮観。
でも、冷静に考えれば、こういう人たちがふだん普通に演奏している都響の演奏会。
素晴らしいのは当然?

前半は文字通り、名手による室内楽でしたが、後半のドヴォルザークは、もう、シンフォニック!
唖然とするほど「ミニ都響」。

都響メンバーによる室内楽は、私は片手で数えられるくらいしか聴いていませんが、毎回、その上手さに唖然とさせられます。
やはりわが国においては、室内楽においても、普段オケに所属し、指揮者に鍛えられている方々の力量が高い!と言わざるを得ないでしょう。

トークは広田さんメイン。
前半と後半で、1番奏者が入れ代わります。
前半は、オーボエ:鷹栖さん、クラリネット:サトーさん、ファゴット:岡本さんが1番。
後半はオーボエ:広田さん、クラリネット:三界さん、ファゴット:長さんが一番。
広田さんいわく「首席が2番を吹くことはめったにありません」とのこと。

前半のフンメル、モーツァルトでは、「私たち、脱いでもすごいんです」状態(下品で失礼!)。
上手い、上手い、唖然とするほど上手い。
でも、きっと、テクニックだけでは都響には入れないでしょう、きっと。
「上手い」の中には、楽しさ、生命感、躍動感、歌わせ方、等々を含んでいます。

残響の多くない東京文化会館小ホールには、管楽合奏の音がよく似合います。
分離の良い、くっきりとした音像のフンメル、モーツァルト。
それが、後半のドヴォルザークになると、融合したハーモニー、シンフォニックなサウンドが会場を圧倒します。

さすがは、さらに(同等に、かな?)デッドな東京文化会館の大ホールの方でA定期を開催している都響のメンバー。
小ホールで室内楽をやっても、音響的なハンディなし。
うるおいのある音は、柔らかさと、力強さを兼ね備えた、ミニ・オーケストラの音。

アンコールにドヴォルザークの一部がもう一度演奏され、大喝采で終演。
終演後はロビーにメンバーが出てきてお客さんとお話しをされていましたが、とても近寄れないほどの黒山の人だかりで、遠目に眺めて退散。
「さすがは今、在京オケ一人勝ち状態の都響のメンバー」と言わざるを得ない演奏でした。

ただ、ひとつだけネガティブ・コメントを許していただけるなら、広田さんがトークで「都響のコアなファンの皆様にはおなじみの…」という言い方をしていましたが、あまりそういう言い方をされない方が良いのでは?…と思いました。
もし初めて都響主催の演奏会を聴きにいらした方が会場にいたら、居心地が悪く感じるかもしれません。
もちろん、人によって感じ方は違うと思いますけどね。

ちなみに私は、似たような場面を経験したことがあります。
仲道郁代さんのサントリーホールでのリサイタルで「皆さん、毎年来て下さる方がとても多くて…」「毎年来て下さっている方にはおなじみのアンコールですが…」とおっしゃるのを聞いて、「私は“一見さん”ですみませんねえ」と、ひねくれたことを思ってしまいました。

私は、室内楽トークコンサートはあまり行きませんが、都響定期は比較的足を運ぶ方だと思います。
上には上がいらっしゃるものの、一応、「コアな都響ファン」の末席には加えていただけているような気もします。
それでも、「コアな都響ファンにはおなじみの」という言い方は、少し引っかかっりました。
素人の分際で、上から目線の、エラソーなコメントですみません。

…と、ネガティブ・コメントをした後で急にほめると、わざとらしいですが、広田さんのトークが驚くほどうまかったのに感心したことも事実です。
独演会をやっても90分もつのではないでしょうか。

20130427

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年4月26日 (金)

インキネン/日フィル(2013/4/26)

2013年4月26日(金)19:00
サントリーホール

指揮:ピエタリ・インキネン
日本フィルハーモニー交響楽団

(第649回定期演奏会)

【シベリウス交響曲全曲演奏プロジェクト】
シベリウス:交響曲第3番
シベリウス:交響曲第6番
シベリウス:交響曲第7番

素晴らしい!
「1番、2番以外」が苦手だった私が、目を輝かせて魅了されました。
日フィルからこんな繊細で美しい音を引き出すとは!(失礼!)
スッキリ…の中に、躍動感を内包した、驚異の二律背反の両立!
最後の7番は熱く…いや、クールに(?)高揚!です。

終わってしまった…。
最後は、ああ、終わらないでほしい!…と思いました。
「1番、2番以外」が、さほど好きでもなかったこの私が…。

何度も恐縮ですが、1番、2番以外のシベリウスの交響曲は、ずーっと、わけがわからないでいました。
比較的頻繁に聴いていた5番だって、前月のインキネンさん指揮の演奏で開眼したような気になったくらいです。

インキネンさんの構築する音は明快!
これは楽しい!
スッキリしていながら、その中に小さな旋律、要素の躍動感を、ちりばめて内包しているるという演奏。

第3番は、プログラム冊子に、(2番までとは変わって)凝縮へと向かった作品…というような記述があって、確かに枠組みはそうだとは思いましたが、様々な要素が次々と現れる多様化でもあるのでは?…とも感じました。
でも、インキネンさんは、多様化、複雑化を、難解な方向には持って行きません。

民俗的を色濃く出したサウンドではなく、モダンでスタイリッシュなサウンドの側面が強いと思いましたが、それでも音の根底には、インキネンさんの血は、ほのかに感じます。
明るい、快晴の、でも、肌を刺すような寒さの、北欧の空気…。

特筆すべきは木管(特にオーボエ、フルート)の音色。
あの豪腕ラザレフさんの、引きずり回すような指揮のときは、こんなに美しい音は出ていなかった気がします(失礼!)。
どちらが良い、悪いではないのですが、本当に隙のない、繊細で、魅惑的な音。
いや、オケ全体がそうだと言っても良いかもしれません。

私は今回の全曲演奏プロジェクトは3回中2回の鑑賞だったので、全体像を語る資格は無いかもしれませんが(4番自体、CDでもあまり聴いたことがありません)、多様化、複雑化した音楽が、6番で再び融合に向かったように感じられました。
(インキネンさんの解釈や演奏のせいかもしれませんが。)

その音の要素の融合は、ダウングレードではなく、アップグレードであることは、さすがの“シベリウス音痴”の私でもわかります。
いや、インキネンさんと日フィルがわからせてくれました。
音のうねり…。
その中でうごめく、ささやきのような小波…。

休憩時間にアナウンスもあり、さらにはインキネンも手をおろさずに続けて演奏された第6番の後の第7番。
それは、シンフォニスト、シベリウスの集大成にふさわしい音楽…であることが、今宵、私にもわかりました。
いや、わからせていただきました。
幼虫が脱皮して蝶になったような…。

前半の凝縮した、多様性内包する第3番から、大きな音のうねりに融合した第6番、そして全てを完備した第7番。
最後は熱く高揚し…、いや、クールなサウンドなのですが…、でも、明らかに高揚し、最高の、極上の、でも、すがすがしい終結。

フライングなし、残響が消えてからの会場の拍手は熱いものでした。
大興奮と言うのとはちょっと違いますが、心から堪能したような拍手。

私のシベリウス苦手意識を払拭してくれたインキネンさんとと日フィル。
でも、当分、他の指揮者のCDとかで聴かない方が良いかも…と思いました。
今宵を演奏を心の中の思い出にして。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年4月22日 (月)

小林研一郎/読響(2013/4/22)

2013年4月22日(月)19:00
サントリーホール

 

指揮:小林研一郎
読売日本交響楽団

(第525回定期演奏会)

 

スメタナ:連作交響詩「我が祖国」(全曲)

土曜日の演奏も十分に素晴らしかったと思ったのですが、この日は前半が、それを上回る激しい演奏に唖然。
さらに後半は、一皮むけたような、階段をひとつ上がったような極上感のあるハーモニーに。
演奏は生き物ですねー。
素晴らしい!

もちろん、あと、もう1公演あったら、さらに高みに上ったかも…という印象もありました。
2012年に、ヴァンスカ様の4公演を聴いたときの2公演目に近い体感です。
でもそれは無い物ねだりでしょう。
一期一会の快演と言うべきでしょう。

土曜日の芸劇で、少しメタリックっぽいサウンドに感じたのは、ホールの音響のせいだけではなかったようです。
「高い城」では、冒頭、管楽器の音色に、少し荒さを感じたのは私の気のせい?
しかし、次第に音楽が熱を帯びてくると、土曜日を超える高揚感に。

都響A定期の時は、確か、「高い城」の後に間合いを置かずに演奏した「モルダウ」。
今回は2日とも、間合いをとっての演奏。
しかし、会場は、多少の咳ばらいはあるものの、かなり静寂の部類。
遅れてきた方の入場の靴音がP席まで聞こえました。
もちろん、残響が消えるまで…いや、消えてからもしばしの静寂。

「モルダウ」で既に小森谷さんの弓が切れるほど前のめりの演奏。
「シャルカ」は、土曜日に比べて岡田さんのティンパニがややおとなしめだったような印象もありましたが、ホールも違うし、定かではありません。
たぶん錯覚で、オケ全体が底上げされたと言うべきなのでしょう。
金子さんのクラリネットのソロが、この日も身体をよじっての力演、素晴らしい!

前半が終わった時点で、土曜日よりも激しい!…という体感。
そして後半の「ボヘミアの森と草原より」では、一皮むけたような極上感のあるハーモニーに。

「シャルカ」、「ボヘミアの森と草原より」、「ターボル」で頂点を作り、「ブラニーク」では煽らず、悠然と歩みを進めるかのような少し落ち着いた演奏にしていたのは、この日も、土曜日も、さらには2009年の都響A定期でも同傾向だったので、コバケンの解釈なのでしょう。
個人的な好みで言えば、「ブラニーク」も、もっと煽って欲しい気もするのですが、コバケンの解釈である以上、文句を言う筋合いのものではありません。

ただ、残響が消えても静寂を保った会場に、一人、ブルルルウァヴォ(?)と叫んだ方の感性には、私はついて行けません。

ともあれ、コバケンの18番、一点の迷いのない指揮。
身体を揺らしまくりのオケのメンバー。
コンサートマスターがヴィオラにもチェロにも居るかのような読響にふさわしい熱演。
多少の荒さはあったにせよ、勢いを犠牲にするより、よほど良いと言うべきでしょう。

繰り返しになりますが、違う演目でも良いので、4公演あったら、さらにコバケンと読響の一体感は増したのでは?という印象もありました。
ヴァンスカ様4公演の時の読響の音の変化、最後の悲愴の時の「ついに完成!」を思い出します。
でも、このコンビ、そういう意味では、まだこれからとも言えるかもしれません。

個人的な偏見(嗜好とも言います)ですが、コバケンはレパートリーを絞って聴きたい指揮者です。
スメタナ(我が祖国のみ?)、チャイコフスキー(5番が世評が高いですが、4番も6番も素晴らしかったです)、バルトーク(オケコン)、ベルリオーズ(幻想)、ベートーヴェン(の交響曲はハズレは一度もありません)、…くらい?
(あくまでも、個人的に…。)
でも、コバケンに依頼すべき曲のわかっている読響の事務局。
今後にも期待!です。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013年4月21日 (日)

スダーン/東響(2013/4/21)

2013年4月21日(日)14:00
ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:ユベール・スダーン
東京交響楽団

(川崎定期演奏会第40回)
ソプラノ:サビーナ・フォン・ヴァルター
メゾ・ソプラノ:ステファニー・イラーニ
テノール:福井敬
バス:パトリック・シンパー
合唱指揮:安藤常光
混声合唱:東響コーラス

モーツァルト:ミサ曲ハ長調 K.317「戴冠ミサ」
モーツァルト:レクイエム ニ短調 K.626
モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス K618
(アンコール)

魂を洗われるとはこういうことを言うのでしょう。
ミューザの空間は、至福の空間でした。

私はこの日が2年ぶりのミューザ。
2011年3月6日以来の…。

席について最初に天井を見てしまったことはともかく、既視感のある空間、あって当然…と錯覚していた空間です。
入ることの出来なかった2年間。
本当に久しぶり…のはずなのに、慣れ親しんだ、いつもの空間のようにも…。

そして始まった戴冠ミサ。
なんと楽しく、いきいきと…。
え?でも、ミサですよね?…と思いましたが、休憩時間にプログラム冊子の解説を見ると、「復活祭の祝祭的な性格に合致」とあり、あながち的外れの印象でもなかったのかな?
スダーン監督と東響の「あうんの呼吸」は今に始まったことではありませんが、やはり毎回、毎回、舌を巻かざるを得ない領域にこのコンビはいます。
最近は「別にピリオド・スタイルでなくても…」と感じる機会も増えてきましたが、このコンビで聴くピリオド・スタイルの演奏は、やはり格別です。

そして東響コーラスのハーモニーが極上なのも、いつものことなのですが、やはり毎回、毎回、驚嘆すること!
スダーン監督との一体感はオケと同等。
特に後半のレクイエムでは、もし私に言葉がわかれば、明瞭に歌詞が聞き取れたででしょう。
歯切れの良さ。
快速テンポ。
こういうスタイルの演奏においても、東響コーラスは優秀でございました。

スダーン監督と東響のレクイエムと言えば、震災直後、ミューザ天井崩落直後、2011年5月に洗足学園前田ホールで聴きました。
あのときの演奏に、自然の猛威への畏怖と悲しみがどの程度反映されていたのかは、スダーン監督に質問でもしてみないとわかりませんが、私には、悲しみにあふれた演奏に感じられました。
スダーン監督の目も、悲しみに満ちていたように感じられました。
この日は、あの日の演奏とは、かなり違いました。
いや、スダーン監督の音楽ですから、外形は同じ系統のはずです。
でも、全く違いました。
すでにリニューアル・オープンして日が経ったとは言え、川崎定期の再開初日。
輝かしいばかりのミューザの空間、空気。
そこで鳴ったのは、普遍的で、純音楽的で、表情豊かなミサ曲。
復活したミューザ、東響のための空間。

アンコールのアヴェ・ヴェルム・コルプスを含め、スダーン監督の、東響と東響コーラスとソリストによる、ミューザのための音楽。
スピード感とメリハリで、至福の感動。
あるのが当たり前…と思ってはいけない、至福の、希有の空間です。

20130421

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年4月20日 (土)

小林研一郎/読響(2013/4/20)

2013年4月20日(土)14:00
東京芸術劇場

指揮:小林研一郎
読売日本交響楽団

(第154回東京芸術劇場マチネーシリーズ)

スメタナ:連作交響詩「我が祖国」(全曲)

体調を崩してしばらく自粛しておりました。
病み上がりのため、またしばらくは“間引き運転”です。

さて、この日はコバケンの18番(のひとつ)。
悪い演奏になるはずもありませんが、読響の持っているパワーを全開、過去にチェコ・フィル来日公演や都響定期で聴いた演奏よりも、激しかったかもしれません。

かつて、コバケンが読響から肩書きを贈られた時、私は多少の違和感を覚えました。
しかし、読響の事務局は、コバケンに依頼すべき曲がわかっています。
先季のオケコン、今季のわが祖国。
三大○○○ではあまりときめきませんが、「コバケンのわが祖国」なら、何度でも!
(と言いつつ、コバケンのベートーヴェンは、私はかなり好きですが…。)
今季のラインナップが発表になったとき、おっと、読響さん、変化球を使わずに直球ど真ん中の勝負に来ましたか…と。

わくわくして足を運んだ演奏会、個人的に病み上がり+久しぶり+昼食後だったので、前半は集中力が続かなかったのですが、最初は少々メタリック(?)…と言うか、モダンでスタイリッシュなサウンドに戸惑いました。
かつて別のオケで聴いたときのような温もりとはちょっと違うような…。
でもそれは、芸劇の音響+私の席の音響のせいです。
たぶん。

弦楽器のチャーミングな音は最初から最後まで素晴らしかったですし、エンジンが暖まった後の金管の響きも高らかに響き渡ります。
その響きの飽和しないこと!
木管の音がストレート過ぎてもう少し潤いが欲しく感じましたが、それは前述のように私の席の位置のせいです。
その分、分離の良い、クリアーな音でした。

その私の席の音響はともかく、クラリネットのソロ(金子さんですか?)、素晴らしかった!
コバケンもあまり動かず、任せて見守る場面多し。
そして岡田さんのティンパニの一撃、二撃、三撃、…。
凄かったですねー。
これを聴いてスカッとしない人はいるでしょうか?

シャルカ、ボヘミアの森と草原より、ターボルで激しく鳴らし、ブラニークの終盤では逆に煽らず、悠然と鳴らして曲を締めくくったのは、2009年に都響定期で聴いた時の印象と同じ傾向だったかもしれません。
すでに、完全に手の内に入っている曲のはずですから、当然かもしれませんが…。
ちなみに、コバケンの暗譜での指揮は珍しくはありませんが、この曲を暗譜している日本人指揮者は、他にいるのでしょうか?

ともあれ、2日後の定期演奏会ではさらに改善されるかな…という箇所(細部、アンサンブル的に)は散見されましたが、目くじらを立てるほどのことではなく、十分に満足度の高い演奏でした。

ちなみに、この演奏会、読響のホームページでは、確か「完売しました」→「残席僅少」と変化したような…。
よくわからない読響のチケット販売(いまに始まったことではないので、驚きませんが)、この日はテレビカメラが入っていて、席を結構つぶしていて、そのせい??
「どうやって空けたの?」と言いたいくらい、2階R側ステージ寄り良席(A席エリア)がテレビカメラのために空けてあって、「ああ、本当はあの辺の席を買いたかったのに」と思ってしまいました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年4月 8日 (月)

ジャッド/都響(2013/4/8)

2013年4月8日(月)19:00
東京文化会館

指揮:ジェームズ・ジャッド
東京都交響楽団

(第751回定期演奏会Aシリーズ)
ピアノ:フランチェスコ・ピエモンテージ

エルガー:序曲「コケイン」
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番
ヘンデル(ブラームス編):サラバンド
(アンコール)
ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第4番

パワー炸裂、壮絶な演奏。
確信に満ちた渾身の指揮のもと、都響のアンサンブルの優秀さを誇示するかのよう。
前半も相当に充実していたて素晴らしい演奏会でした。

行けなかった5番のB定期同様、4番を並べた演奏会。

まずは一曲目、エルガーのコケイン。
威風堂々のCDの余白に入っていて無理やり聞かされていたあの曲が、こんなに魅力的だったとは!
ざわめき、にぎやかさ、…。
様々な要素を内包する曲を、例によってコンディションの良い都響が、見事に、めくるめく大パノラマを繰り広げる。

続くピアノ協奏曲、堂々たるベートーヴェン。
やや硬質で歯切れの良いピアノの音に対峙するオケの音も隙無し。
推進力と重量感のバランスを、ちょうど良いところで均衡させたような演奏で、素晴らしい。
ジャッドさんの指揮でベートーヴェンの交響曲を聴いてみたくなる演奏。
シンフォニスト、ヴォーン・ウィリアムズを際立たせるために、あえてベートーヴェンと並べたのでしょうか?

ピエモンテージさんのアンコールは、文化会館のデッドな音響を味方につけたかのような、クリアーなピアノのきらびやかさでした。

そして後半のヴォーン・ウィリアムズが凄まじい!
かつて見栄で全集CDを買って、結局ほとんど聴かなかったヴォーン・ウィリアムズ。
(いきなり、海を見よ…とか言われて、ひいてしまって…)
こんな炸裂するような激しい作品もあるんですね。

時代を写した作品とくくるのはたやすいことですが、マルティヌーやらオネゲルやらとはまた違う個性。
ショスタコーヴィチ的かもしれないが亜流ではなく、れっきとした時代に名を残す作曲家の個性。
予習無しで聴きましたが、圧倒されました。

ジャッドさんの確信に満ちた指揮は渾身の力演。
珍しい作品を御紹介しましょう、とりあえず音にしてみました…などという演奏ではなく、ベートーヴェンの後に、定期演奏会の後半に持ってくるにふさわしいシンフォニー。

「インバル/都響・マーラー・ツィクルス」の後は、「ジャッド/都響・ヴォーン・ウィリアムズ・ツィクルス」を!…と言いたいところですが、お客さん、入らないでしょうねぇ…。
B定期に行けなかったのが残念になる演奏でしたが、A定期だけでも、聴けたことを喜ぶべきでしょう。

20130408

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年4月 7日 (日)

東京春祭「ニュルンベルクのマイスタージンガー」(2013/4/7)

2013年4月7日([日)15:00
東京文化会館

東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.4
ワーグナー:ニュルンベルクのマイスタージンガー

(演奏会形式)

強風で日頃使っている路線が運転見合わせで、迂回乗車して5分前に到着し、勝った(←意味不明)と思ったら、10分繰り下げと…。
いやいや、間に合って良かったです。
一流の職人指揮者による、一流の靴職人と騎士の物語、圧巻!

サヴァリッシュ様亡き後のN響だって、やれば出来るじゃないですか!(失礼!)
職人技の指揮だって、いや、職人技だからこそ、演奏会形式とは思えない充足感!

フォークト様が出ているのに「フォークト様のマイスタージンガー」だけでないのが凄い。
もちろん惚れ惚れする美声ですが、それだけでない「総合力」の勝利!
個人的好みではちょっと役のイメージと違うかも…という歌唱の方も居たのに、それでも文句無し!
ヴァルター、ザックスだけでなく、ベックメッサーも!
素晴らしい!

まずはオペラに慣れているとは言えないN響が(失礼!)、マイスターと呼ぶのにふさわしい職人指揮者のもと、ときには甘美、ときには咆哮して、見事な楽劇を奏でていたのが嬉しい。
やはり、サヴァリッシュ様やシュタイン様に鍛えられたオケですねー。

不勉強でヴァイグレさんを「カタリーナ・ワーグナーさん演出のマイスタージンガーの指揮者」という認識しかなかった私。
だてにバイロイトで振っていませんね。
長丁場を全く弛緩せずに保ち、さらには煽らずに節度も保ち、その上で圧倒的高揚に導いた職人技は半端ではありません。

フォークト様のヴァルターって、本当はちょっと私のイメージとは違うのですが、あの甘美な、ホルンの音色のような美声で歌われると、もう言葉も出ません。
第3幕では、男の私が、何度も客席で悶絶しそうになりました。
あの声を聴けただけでも、チケットのお金を払った甲斐がありました。

ザックスだって、テオ・アダム(古くてすみません)で刷り込んだ耳にはちょっと軽く感じたりするのですが、文句を言うようなレベルでは断じてありません。
それに、水を補給しながらつないで、最後に歌った歌唱は、流石に「ここで全力投球!」の重量感に…。

ベックメッサーも、最後のあの奇妙な歌を、こっけいな茶番としてでなく、マイスターが真剣に新しいものに取り組んだ歌として歌ったのも素晴らしい。
さらには、ポークナーも、エファも、ダフィトも、コートナーも、褒め始めたらキリがありません。

会場は1階席前方を少しつぶして、舞台を張り出し、歌手はオケの前での歌唱。
指揮者の棒は、2階正面の席の下に吊るしたモニタ画面に映るものを見ての歌唱(たぶん)。
昨年のタンホイザーで感じた音響的不満は解消されていたような気がします。
もっとも、この日は私は3階席(最安席は買えなかったのです)。
音響的にはまずまずでした。
…が、後方のスクリーンは、音響的にはハンディではないのですかね?
あの程度の絵(失礼!)を映すのであれば、通常の反響板のままの方が、音響的には有利なのでは?と、去年のタンホイザーの時には思いました。

私がたまたまこの作品でワーグナー入門…いや…オペラ入門をしたということもあるのかもしれあせんが、この作品は、他のワーグナー作品のような冗長な印象(ヴォータン、いつまで同じことを延々と歌ってるの?みたいな…。失礼!)を感じません。
今回もあっという間に終わりました。
CD(カラヤンの。古くてすみません)でいうと「4枚目に入った!」と思った時は、文化会館の壁の時計で19:45くらい。
それでも、あ、もう少しで終わってしまうのか、と残念に思ったくらいです。
上演中の会場の鑑賞マナーもかなり良く、終演後の熱狂も凄かった。

帰りの電車の中で「靴屋さん…」と話しをしている人たちを、一瞬、東京文化会館から帰りの方か?と勘違いしそうになる今日この頃でした。

なお、私事ですが、前日は父の四十九日の法要と納骨でした。
さすがの私でも、演奏会よりは法事優先です。
雨が降り始める前に納骨出来ました。
この日より忌明けとなります。
全てが終わったわけではないので「間引き運転」を完全に解消することは出来ないかもしれませんが、とりあえず「社会復帰」です。

指揮:セバスティアン・ヴァイグレ

ハンス・ザックス:アラン・ヘルド
ポークナー:ギュンター・グロイスベック
フォーゲルゲザング:木下紀章
ナハティガル:山下浩司
ベックメッサー:アドリアン・エレート
コートナー:甲斐栄次郎
ツォルン:大槻孝志
アイスリンガー:土崎 譲
モーザー:片寄純也
オルテル:大井哲也
シュヴァルツ:畠山 茂
フォルツ:狩野賢一
ヴァルター:クラウス・フロリアン・フォークト
ダフィト:ヨルグ・シュナイダー
エファ:アンナ・ガブラー
マグダレーネ:ミヒャエラ・ゼリンガー
夜警:ギュンター・グロイスベック

管弦楽:NHK交響楽団
合唱:東京オペラシンガーズ

合唱指揮:トーマス・ラング、宮松重紀
音楽コーチ:イェンドリック・シュプリンガー

201304071

201304072

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年4月 5日 (金)

ブリュッヘン/18世紀オーケストラ(2013/4/5)

2013年4月5日(金)19:00
すみだトリフォニーホール

指揮:フランス・ブリュッヘン
18世紀オーケストラ

《ブリュッヘン・プロジェクト》
18世紀オーケストラ&新日本フィル・第2日
ヒストリカル・ピアノ:ユリアンナ・アヴデーエワ

モーツァルト:交響曲第40番
ショパン:ピアノ協奏曲第1番

     (ナショナル・エディション)
ショパン:ピアノ協奏曲第2番
     (ナショナル・エディション)
ショパン:夜想曲第5番(アンコール)
ショパン:マズルカ第25番(アンコール)

驚きました。
こんなショパン、聴いたことがありません。

ヒストリカルピアノを生で聴くのは初めてではないのですが、前近代的なメカニカルを、ここまで絶妙に操られると、ただただ、唖然として見守るのみです。

そして、オーケストラ!
第1番で、いきなり轟音をとどろかせ、会場を制圧。
ガラス細工のような繊細な音と、強奏での轟音の対比が凄い。
「ショパンはベートーヴェンより後の時代の人」という当たり前のことを、音で思い知らされました。
「ショパンのオーケストレーションは…」などという一般的なことは、この圧倒的な演奏の前には、何の意味もありません。

この演奏会、モーツァルトの40番で始まり、その演奏も極上の極みだったのですが、なにしろ長い演奏会になったので、終わる頃にはすっかりショパン・モード。

でも、モーツァルトで聴くと、古楽器の性能の限界をほとんど感じずに聴けたのは、やっぱりベートーヴェンとは作りが違うせいか、それともこちらの耳が慣れてきたせいか、それとも、オケのエンジンがかかってきたせいか…。
…たぶん、その全てかも…。

そして休憩を置かずに演奏されたショパンの第1番。
ヒストリカルピアノ、一瞬、変な音がしたような気もしました。
第1番の後の休憩時間には、結構時間をかけて分解修理?をしていましたが、関係あったのかな?
メカがちゃちな印象は最初のうちだけ。
アヴデーエワさん、相当、巧妙に操ります。

以前、小川典子さんが、現代楽器とヒストリカルピアノを弾き比べるのを聴く機会がありましたが、小川さんはそのとき「普通なら触らせてもらえないんですよ(力が強すぎて、壊す恐れがあるので)」というようなことをおっしゃっていました。

確かに、現代楽器とは異なる技が必要なのでしょう。
そして、アヴデーエワさん、流れ始めてしまえば、もう楽器の限界を感じさせない美音でした。

「なぜ18世紀オケでショパン?」と、一瞬でも思った自分が恥ずかしい。
ブリュッヘン様の振るショパンのオーケストラ・パートは、凄まじい、素晴らしい。
演奏終了後のメンバーの満足そうな笑顔が全てを物語る。

個人的事情により、翌日に法事を控え、休憩後の第2番以降は、私は少し集中力が落ちてしまったのですが、第1番の圧倒的演奏の後では、途中で帰るという選択肢はありませんでした。
終演は21時45分くらいになっていたと思います。

20130405_18

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年4月 4日 (木)

ブリュッヘン/18世紀オーケストラ(2013/4/4)

2013年4月4日(木)19:00
すみだトリフォニーホール

指揮:フランス・ブリュッヘン
18世紀オーケストラ

《ブリュッヘン・プロジェクト》
18世紀オーケストラ&新日本フィル・第1日

べートーヴェン:交響曲第2番
べートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
シューベルト:「ロザムンデ」間奏曲第3番
(アンコール)

“一般参賀”に車椅子のブリュッヘンさんは出て来ないで、コンサートマスターが代理で(?)答礼。
古楽器の性能の限界を突破してしまった壮絶な演奏でした。

車椅子を押してもらって出入りするブリュッヘンさん。
手をかりて指揮台に上がって椅子に腰掛けて指揮。
演奏終了後も手をかりて指揮台から降り、車いすに座る。
一見、痛々しい…。
しかし、痛々しいようでいて、ブリュッヘンさんの顔の表情も、目も、視線も、明るく輝いています!

この演奏、なぜ古楽器がモダン楽器に進化したのか痛いほどわかります。
馬車が高級外車になった…と言ったら言い過ぎなら、軽自動車と高級外車の違いのようです。
しかしこのピュアな音は、モダンオケの新日本フィルがどんなに頑張っても出せない音です。
どちらが良い悪いではなく…。

いや、ブリュッヘンさんが振ると新日本フィルの音だって、驚くほど変わります。
でも、本物の(失礼!)18世紀オケの音は、やっぱり違います。
良い悪いではなく、とにかく違います。
古楽器の性能の限界と、交じりあわずにきれいに分離するピュアな音の二律背反?
前述のように、古楽器からモダン楽器への変化は、技術的には、間違いなく「改良」であることが私のような者にも、嫌でもにもわかります。

前半の第2番は、ああ、テクノロジーとしては限界があるのね…という多少のもどかしさも感じながら聴き始めたのですが、次第に引き込まれ、前半が終わる頃には、素朴でピュアな、分離の良い音にすっかり魅了されている自分がいました。

ああ、ブリュッヘンさんは、やっぱり18世紀オケを連れて来たかったのね…ということがよくわかります。
…と同時に、18世紀オケが帰った後に一人残って、モダンオケの新日本フィルも振りたかったのね…ということも、よくわかります。

後半のべートーヴェン:交響曲第3番「英雄」は、さすがに車椅子での登場では、指揮台に上がりながら振り始めることは出来ませんでしたが、それでも十分に鋭い威力のある音で始まる演奏。
古楽器なのに軽くない音。
鋭さと重厚さを両立させた音。

古楽器の性能の限界は、この演奏では超越してしまったかのよう。
全く枯れていないスリリングですらあるような演奏。
重量感、鋭角さ、スピード感、…。
オケのメンバーのテンションも相当にハイになっています。
コントラバスの女性奏者などは、まるで吠えまくるブルドッグのような雰囲気での演奏。
それだけ皆さんハイになっているのに、個々の奏者のフレージングはハッとするほど繊細で美しい音が出て来る不思議。

アンコールの「ロザムンデ」間奏曲第3番は、さすがに英雄交響曲のようなスケールの大きさとは異なり、比較的しっとりと鳴らした美しい演奏でしたが、エロイカの大熱演の後だけに、ノリノリでもあり、各奏者の自発的な演奏が本当に美しい。

終演後、オケが引き上げても拍手は続き、ブリュッヘンさんの一般参賀か?…と思いきや、出て来て答礼したのはコンサートマスター。
でも、この演奏をリードしたコンサートマスターも、オケの代表として拍手を受ける権利は「あり」でしょう。
ブリュッヘンさん、身体はかなり弱っても、「気」はまだまだ元気!なようです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2013年3月 | トップページ | 2013年5月 »