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2013年7月19日 (金)

ウルフ/読響(2013/7/19)

2013年7月19日(金)19:00
サントリーホール

指揮:ヒュー・ウルフ
読売日本交響楽団

(第528回定期演奏会)
ヴァイオリン:ジュリアン・ラクリン

ムソルグスキー(ショスタコーヴィチ編):
   歌劇「ホヴァンシチナ」前奏曲「モスクワ河の夜明け」
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第2番
バッハ:無伴奏パルティータ第3番~サラバンド
(アンコール)
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番

すっきり爽快!
綺麗に整えた上で、濁らず、汚れず、煽る、煽る!
深い意味など込めなくたって、気持ちいい、気持ちいい!

1曲目のショスタコーヴィチ編の「ホヴァンシチナ」前奏曲、聴き慣れた旋律が、聴きなれないサウンドで響きます。
ウルフさんは、新日本フィルでも、ショスタコーヴィチ編曲のシューマンのチェロ協奏曲を取り上げた記憶がありますが、あの時と似たような、不思議な体感です。
元々の骨格は変えようもありませんが、ムクムクッと不思議な変身を遂げた曲。
面白いですね-。

続くラクリンさんの独奏による、ショスタコーヴィチの協奏曲は、新聞紙を広げたくらいの大きさにつなぎ合わせた譜面を置いての演奏。
以前、都響で1番を聴いた時は、粘り気のあるフレージングに私はかなり戸惑ったのですが、なぜかこの日の第2番では、ほとんど気にならずに楽しめました。
まあ、私が2番の方は、あまり聴き込んでいないせいもあるかもしれません。

息詰まるようなソロに、随所で煽りの入った指揮。
次第に高揚し、白熱し…。
会場の水を打ったような空間に、スカッ、スカッ、ドカン、ドカンと、音のくさびが打ち込まれ、響き渡る爽快感、気持ちいいのなんの。

ラクリンさんのソロ・アンコールのバッハは、そうそう、この粘り気!
そうだ、そうだ、都響で聴いた時もそうだったよと、思い出します。
私の好みとは違うスタイルですが、ここまで徹底すれば、ラクリンのスタイルなのですから、黙って聴くのみです。

前半のショスタコーヴィチの協奏曲からして“打楽器協奏曲”っぽい大活躍のティンパニ、小太鼓、などなど。
休憩後の交響曲第5番も当然大活躍。
スコン、スコンと景気良く鳴らすので、聴いていて気持ちいい。
もし、某有名評論家が聴いたら何と書くかわかるようですが、「ぼく」は、こういうのもありだと思います。

深みがない、ゾッとするような凄みがない…と斜に構えて論評するのもひとつの聴き方ですが、この爽快なサウンドを楽しまないのは損。
ウルフさんの半狂乱のような煽りの指揮は、計算された熱狂なのかもしれませんが、十分に熱く、興奮させられます。

この綺麗に整った美しいサウンドは、ウルフさんが磨き上げたもの?
それとも、日下コンミスが導いたもの?
その相乗効果?
第2楽章で日下コンミスがソロを弾いた後のフルートのソロにすら、明らかに日下コンミスの音が伝搬していました。
弦楽セクションの音がやけにみずみずしいのは当然のこととして…。

金管も全般的に好調。
秋のミスターSの時もこの調子でお願いしますよ。

個人的事情で疲弊していた上に到着が遅れそうで、一瞬、自粛しようかと思ったのですが、終わった時にはすっかりリフレッシュ。
音楽の力は偉大です。

20130719

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コメント

本当に、爽快なタコ5でしたね。
少々むかつくことがあり、気分転換のために当日券でもぐりこみましたが、聴いて正解。難しいことを考えずに音を浴びているだけで、なんだか心が楽になる演奏でした。私も、弦の肌理が細かくなったような気がしましたが、ご指摘のとおり日下さん効果でしょうね。ミスターSによる次回のタコ5も彼女が弾くようなので、楽しみです。

投稿: 黒猫 | 2013年7月20日 (土) 08時30分

今日の読響は大変迫力ある演奏で管・弦とも良く
音が出でいたように感じました。ブラボー!!

ウルフさんの気合の入った指揮、こちらまで
つい力が入ってしまい引きずりこまれました。

ラフリンさんの協奏曲後半の「これでもか!」と
言わんばかり演奏そして一転してのアンコール
つい涙ぐんでしまいました。

投稿: 炎のタロー | 2013年7月20日 (土) 16時52分

黒猫様
あれ?今日の読響は何か違うぞ、と思ったのは、やはり、日下さん効果もかなりあったのですね。
まあ、あれだけ若くて、きれいで、有能な女性がトップに座れば、男性楽員が多めの読響のこと、鼻の下を伸ばして、おおいにやる気に…というのは暴言ですが、今後が本当に楽しみですね。

投稿: 稲毛海岸 | 2013年7月20日 (土) 22時36分

炎のタロー様
マエストロもソリストも、気合い入りまくり、入魂の演奏でしたが、客席全体があれだけ集中力を持って聴いていたのも、功を奏したのかもしれませんね。
舞台と客席の真剣勝負、演奏する方だって、あれでは気合いが入らないはずがない。客席の集中力が、舞台にひしひしと伝わったのではないかと思いました。

投稿: 稲毛海岸 | 2013年7月20日 (土) 22時40分

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