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2013年7月 6日 (土)

大野和士/新日本フィル(2013/7/6)

2013年7月6日(土)14:00
すみだトリフォニーホール

指揮:大野和士
新日本フィルハーモニー交響楽団

(第511回定期演奏会)

シャリーノ:「夜の肖像」(1982)日本初演
ツィンマーマン:「ユビュ王の晩餐のための音楽」
ブルックナー:交響曲第7番
(ノーヴァク版、1954)

研ぎ澄まされた鋭利な刃物と、大鉈を振るう場面の交錯の妙味。
いやー、面白いのなんの。
金管の音色については色々な思いがありましたが、それでもこの満足感。
さすがは大野さんです。。

個人的事情により諸事に忙殺されており、予習はおろか、プログラム冊子すら読まずにギリギリに着いて聴いた前半。
しかし!
予習などいりませんでした。
予習などしなくたって、面白い、面白い。

1曲目のシャリーノは、弦楽器のひっかくような微弱音が、鋭利な刃物…いや、針金のように静寂を貫く。
研ぎ澄まされた静寂、会場の集中、なんとも心地よい緊張状態がホール空間に充満。
大野さんが総譜をめくる音の方が、楽器から出る音より大きい場面も。

2曲目のツィンマーマンは、通常の弦はコントラバスのみ。
それでも、管楽器主体とは思えぬほど音が分厚い。
様々な先人の曲の断片が、さりげなく、あるいは大胆に、随所に顔を出す。
それがつぎはぎのコラージュではなく、突出もせず(いや、有名な旋律が高らかに鳴れば、突出と言うべきでしょうか?)、見事に構築された完成形の音響。
その前のシャリーノの曲の、繊細、微細に対比して、豪快、大胆。

前半だけで、その対比の妙味に感服し、休憩時間は満足感いっぱい。
それなのに、休憩後にはブルックナーが控えているというぜいたく。

前半シャリーノとツィンマーマンの対比は、後半のブルックナー:交響曲第7番にも投入されていたのでしょうか?
繊細にして豪快。
スタイリッシュだけどメロディは味わい深く、魅惑的。
特に弦楽器の醸し出す絶妙のニュアンスは、大野さんの魔術の大勝利?

ホルンやワーグナーチューバの音色は、もう少し頑張ってほしい…と、何度も思いました。
それでもこの演奏は、私の体験の中ではこの曲のベストの演奏かも…と、何度も思いました。
第2楽章の美しさに陶然となり、一瞬、ガクッとなったのは内緒(寝入ってはいません)。

冷静に、冷めた目で、分析的に聴けば、いろいろ違った感想もあったかもしれません。
でも、大野さんの発するオーラに包まれてしまった私は、ただ身を任せるしかありませんでした。
音のパワーは、物理的な量だけでなく、強靭な意思が宿った、壮大なものでした。

大野さんが都響のポストに就任することによって、このコンビの演奏は当分聴けない可能性が高くなったと言って良いのでしょう。
そういう意味では、NJPが、いま、「大野さんを体験出来た」ことの意義は、とてつもなく大きいのではないでしょうか?
これもアルミンクさんの置き土産のひとつなのでしょうか?

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