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2013年11月16日 (土)

ソヒエフ/N響(2013/11/16)

2013年11月16日(土)14:00
NHKホール

指揮:トゥガン・ソヒエフ
NHK交響楽団

(第1767回定期公演Cプログラム)
ピアノ:ボリス・ベレゾフスキー

ボロディン:交響詩「中央アジアの草原で」
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
ラフマニノフ:10の前奏曲Op25~第5番
(アンコール)
プロコフィエフ:交響曲第5番

一曲目のボロディンでの音を聴いて、前年に、トゥールーズ・キャピトル管弦楽団の来日公演で聴いた音は、半分以上ソヒエフさんの音だったのか!と悟りました。
極彩色と言っても良いくらいのカラフルな音。
水彩画風ではなく、油絵風の塗りたくった(←ほめてます)音。
強い意思の込められた音!
よくぞN響を、ここまで…。

よくぞN響をこんな色に染めた…と言いたいところですが、染めたなどというなまやさしいものではありません。
中心部まで色素を浸透させた上で、さらに上質加工の塗装皮膜。
N響が嫌がらず、喜んで染まっていたことは、後の曲の演奏でわかりました。

ベレゾフスキーさんの剛腕と互角に渡りあったラフマニノフの協奏曲
ピアノの音の威力は凄い。
豪快。
しかし続いて鳴り出したオケの音も凄い。
強い。
強いだけでなく、深みがありました。
ピアノの対等に渡り合う表現力。
オケがこんなに雄弁な曲でしたっけ?と思いました。
あの楽器がこんな音を出していたのね…という発見多数。

ソヒエフさんの指揮は、おそらく、計算し尽くして、緻密に組み上げた熱狂でしょう。
だから、最後も、馬鹿騒ぎにならずに頂点を築きます。
聴衆も「今のは何だったんだ?」にならずに、ついて行って熱狂する。
ツボにはまりまくり。

ベレゾフスキーさんのアンコールは、ああ、ピアノだけでこんなに大きな音が出るんだ、こんなに多彩な音が出るんだ…と、改めて思いました。
そして、こんな凄い音の持ち主が、協奏曲でオケと融合した音を奏でていたことに改めて驚きました。

プロコフィエフの交響曲第5番は、もう、めくるめく音に忘我の境地。
N響の「積極的な」「従順ぶり」には驚嘆するしかありません。
本気に「させられた」N響は、やっぱり凄い。

おそらくN響のメンバーは、棒に従うことを全く嫌がってはいないばかりか、棒に従っているという意識は全く無く、棒に従順なつもりも、おそらく意識していなかったのではないでしょうか。
指揮台の辺りに見える「何か動くもの」にインスピレーションを受けながら、自発的にノリノリ状態になっていったのではないでしょうか?
恐ろしや…おそロシア…ソヒエフさんのマインドコントロール!

最初から最後まで、ソヒエフさんの指揮の動作と、それが面白いように音に変換されていく様を満喫しましたが、特に惹きつけられたのは、微細な表情付けオンパレードの第2楽章。
出番でない最後列の金管奏者までが、食い入るように指揮者を見つめていました。

9月10月、11月と、N響定期Cプロ2日目を、同じ席で聴きました。
と言っても、宗旨替えをしてN響定期会員に復帰したわけではなく、割高な一回券で、です。
一回券発売後数日して、迷った末にシーズン会員券を買おうとN響ガイドに電話したら、ローソン・チケットに出ている一回券の方が場所が良くて…。

ブロムシュテットさんノリントンさんに加えて、ソヒエフさんのチケットも買うかどうか、実は少し迷いました。
N響がソヒエフさんを「若い」となめて、従わないのではないか?と。
しかし、それは愚かな考え、無知の極みでした。
ソヒエフさんは、そんな軟弱な若手ではありませんでした。
そのうち、日本では、外来オケしか振らないレベルのビッグネームになるかもしれません。

ちなみに、この日も、全席完売でした。
自分がチケットを買った演奏会が完売になるのは嬉しいことですが、NHKホールでも完売になることが時々あると、N響はAプロ、Cプロの定期公演の会場を、他のホールに移そうなどと、考えないでしょうから、ちょっと複雑な気分ではあります。

20131116n

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