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2013年12月の3件の記事

2013年12月24日 (火)

インバル/都響(2013/12/24)

2013年12月24日(月)19:00
東京文化会館

指揮:エリアフ・インバル
東京都交響楽団

(都響スペシャル「第九」)
ソプラノ:澤畑恵美
メゾ・ソプラノ:竹本節子
テノール:福井敬
バリトン:福島明也
合唱:二期会合唱団

ベートーヴェン:「エグモント」序曲
ベートーヴェン:交響曲第9番

数年前の前回の演奏を克明に覚えているわけではありませんが、格段に進化&深化した演奏だったのではないでしょうか?
「煽り」に近い「表情付け」の多彩なこと!
前回の演奏が「普通に」良い演奏?だったとすれば、今回は「インバル節」が隅々まで徹底!
初日から凄い!

インバルさまの棒は、ツボ、ツボ、ツボ、直撃。
文化会館の音響のハンディをものともせず、重低音が炸裂し、メロディは歌い、終盤の急加速(?)も崩れずに追従し、スピード感とリズム感と迫力がビシバシと決まります。
快感、至福、感動、そして興奮!

このコンビの「いつもの」レベル…ということは「いつもの」ハイレベル!
表情付けが徹底している…などという域を凌駕し、磨き上げ、徹底した上にライヴならではの揺さぶりと煽りが加味されます。

その煽りと揺さぶりに都響がピタリと追従するのもいつものことではありまするが、何度聴いても、毎回驚嘆せざるを得ません。
最終盤で「もしかして、リハーサルよりかなり速くしたのでは?」というような(?)箇所も、崩れずに一瞬で追従モードになり、棒から離れなかった都響、素晴らしい!

でも、オケがピタリと反応するのは手兵であるからまあ当然のこととしても、さすがはプロの独唱者に、プロのコーラスです。
インバルさまの棒にプロのレベルで反応し、オケと融合したハーモニー。
年末の恒例行事ではない第九の演奏になりました。

インバルさまは、第1楽章が終っても腕を下ろさず、続けて演奏したかった模様です。
オケの皆さんの譜めくりがちょっと手間どり、客席からは咳ばらいがおきてしまいましたが…。

その分(?)、第3楽章の前は大休止。
第2楽章の後、舞台袖に引っ込んだインバルさま。
合唱が入場し、独唱が入場して、拍手をしてよいものやら?…と思っていると、インバルさまも独唱の後について入場。
拍手の中、合唱を起立させ、オケも起立させようとしましたが矢部さん応じず(?)
結局、第3楽章の前に、インバルさまが指揮台上で、客席側を向いて答礼してから第3楽章の演奏へ。
…と、どーでもいいことをすみません。

演奏は、やはりシェフと手兵として積み重ねた年月が物語るのでしょうね。
肩に力が入ることもなく、自然体で舞台に姿をあらわすオケの皆さんと指揮者。
出てくる音は、一朝一夕では出来ない、土台がしっかりして、装飾も施された、動く構造物。
このコンビも、間もなく一区切りです。
ベートーヴェンの第九の後は、8番、9番。
その次は、桂冠指揮者に退いて10番…。

なお、蛇足ですが、大野さんの時は希望の席が買えなくて、この日の席から10メートルくらい離れた場所で聴いたら、音が来ない、来ない。
この日は、私のお気に入りの場所が買えたので、音が来る、来る!
違う日の演奏を比べるのもどうかと思いますが、文化会館の音響はよくわかりません。

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2013年12月20日 (金)

インバル/都響(2013/12/20)

2013年12月20日(金)19:00
サントリーホール

指揮:エリアフ・インバル
東京都交響楽団

(第763回定期演奏会Bシリーズ)
ヴァイオリン:庄司紗矢香
ソプラノ:イルディコ・コムロシ
バリトン:マルクス・アイヒェ

バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番
ハンガリー民謡より
(アンコール)
バルトーク::歌劇「青ひげ公の城」

「悲劇的」より刺激的!
インバルさまのマーラーでは、最近あまり目立たないシャープなサウンド、炸裂!
「青ひげ…」の前に、紗矢香様の2番が前半とは贅沢三昧!です。

私としては、3.11で中止になった演奏会の中で一番残念だった演目です。
2日連続で聴きたかったのですが、体調を考慮して1日のみの鑑賞に自重。
「東京文化会館ではどう響いたんだろう?」と思わなくもないですが、まずは1日だけでも、聴けたことを感謝すべきでしょう。

まずは、庄司紗矢香様の協奏曲第2番。
外来オケの演奏会などでは、まず聴けない曲。
紗矢香様の演奏でこの曲が聴ける幸せ。
太めの筆でたっぷりと鳴らしながら、全く不安定にならない音程(←絶対音感など持ち合わせていないのに、偉そうにすみません)。

都響の安定感はいつものことですが(と偉そうに言うほど、今年は聴けてませんが)、インバルさまのマーラーなどで最近マイルドに聴こえることもあるサウンドとは違って、今日は鋭い音が炸裂する場面多数。

紗矢香様の“音”がたっぷり40分近く聴けて、アンコールまで弾いていただいて、前半が終った時点で満腹に近い満足感ですが、後半にまだ聴きものが控えているという贅沢。
都響さん、大盤振る舞い!

「青ひげ公の城」は、歌手については私は“反対側”での鑑賞だったので断言は出来ませんが、青ひげはもう少し凄みが欲しいような気もしましたし、ユディットは声に貫禄があり過ぎるような気も…。
まあ、欲を言えば…の好みの問題ですが…。

オケの音は、前半の協奏曲同様に、シャープな音が炸裂。
ただ、尻上がりに音が溶け合って、ややマイルドな聴感になっていったような気がしましたけど、私の気のせいですかね?
まあ、文句を言ったらバチがあたります。

ちょっと驚いたのは、私はP席で聴いていたにもかかわらず、オルガンの前のバンダの音がステージ上の音とほどよく溶け合って、極上の天然サラウンドで聴こえたこと。
よくぞここまでバランスをとりましたね…。
私はいつも安い席が多いので、バンダがここまでバランス良く聞こえるのは、あまり経験がないのです。

マーラーとブルックナーとベートーヴェンだけ指揮者ではないインバル様。
3.11で中止になった演目を、よくぞ「復活」させてくれて、感謝、感謝。
2日とも券を持っていたのに、偉そうに間引き運転で1日だけ聴いて、すみませんでした。

20131220

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2013年12月15日 (日)

ウルバンスキ/東響(2013/12/15)

2013年12月15日(日)14:00
ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:クシシュトフ・ウルバンスキ
東京交響楽団

(川崎定期演奏会第43回)
ヴァイオリン:神尾真由子

チャイコフスキー:幻想交響曲「ロミオとジュリエット」
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」

禁欲的なのか、熱狂的なのか、よくわからない不思議な凄さ!
「スダーン監督後」の東響は、もう始まっているような気がします。
メジャー・バージョンアップのβ版リリース!

それにしても、怪しい宗教の教祖様のような、形容しがたい異様な表情と動作連続のウルバンスキさん。
…あ、春の祭典って、もともとそういう曲でしたっけ…。

一曲目の幻想交響曲「ロミオとジュリエット」では、一瞬、カラヤンの(←生で聴いたことないですけど)チャイコフスキーのような、純音楽的にゴージャスな志向かと思いましたが、それにしては爆発せず、禁欲的。
欲求不満ではないですが、少々呆気にとられます。

同じチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲では、神尾さんとは水と油かな?…と思いましたが、聴感上はさほどでもなく…。
この曲の水と油の演奏としては、前橋汀子さんと川瀬賢太郎さんの演奏を経験しているので(←引き合いに出してすみません)それに比べれば、合わせていた方かも…と思いました。
でも、オケが休みで、ヴァイオリンだけの時と、オケと協奏している時とでは、神尾さんの演奏スタイルが結構違っていたような気も…。
指揮者の威圧力、強し!

でも、個人的に、一時期、神尾さんの演奏にはしっくり来ない時期があったのですが(←と言うほど多く聴いてませんが…。偉そうにすみません。)、今日の神尾さんの音は、結構私の心に響いたことも嬉しかったです。

後半の春の祭典も抑制スタイルかと思いきや、そんなことはなく…。
でも、音が妙になまめかしい。
指揮台のウルバンスキさんの動きを見ると、両手をくねらせ、身をよじり、頭を振り乱し、妖しい宗教の教祖様のよう。
その洗脳が音に変換される!
怪しい。
妖しい!

半狂乱っぽい指揮の動作にもかかわらず、表情付け、間合い、音色の変化など、細部の仕上げも徹底。
これはもう、新しい時代の春の祭典?
でも、案外、この妖しい宗教っぽさは、曲の本質をついているのかな、とも。

こうして後から振り返ると、妖しい宗教のような春の祭典も、禁欲的でうっ積したチャイコフスキーも、実は曲の本質を突いていたのかも…と思えてきます。
ウルバンスキさんに気安くレッテルを貼れなくなりました!

変わった演奏だったという口コミのブラームスは聴けませんでしたが、一筋縄で行かないウルバンスキさんの得体の知れなさの片鱗に触れ、ポスト・スダーン監督の東響には、ノットさんともども、興味を抱かざるを得ません。
前首席客演指揮者に恵まれなかった(←しつこくてすみません)東響のリベンジが、本格的に始まります!

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