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2014年5月の6件の記事

2014年5月30日 (金)

ラザレフ/日フィル(2014/5/30)

2014年5月30日(金)19:00
サントリーホール

指揮:アレクサンドル・ラザレフ
日本フィルハーモニー交響楽団

(第660回東京定期演奏会)
ピアノ:若林顕
合唱:晋友会合唱団

【ラザレフが刻むロシアの魂《Season2スクリャービン3》】
リスト:交響詩「プロメテウス」
スクリャービン:交響曲第5番「プロメテウス」
ラヴェル:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第1、2組曲
ボロディン:歌劇「イーゴリ公」~「だったん人の踊り」
(アンコール)

後半も合唱付き!
「ダフニスとクロエ」で会場を圧倒した後、まだパワーが残っていたんですか!というような、とどめを刺す「だったん人」!

最初のリストの「プロメテウス」から、神秘的なうごめくような音で始まり、その後、パワー炸裂。
ましてや、スクリャービンは…と言いたくなるところですが、割とストレートにパワーを全開にした感もあり。
これはラザレフさんの解釈と言うべきなのでしょう。
もっとも、大音量に張り上げても、音のニュアンスに不足はありません。

スクリャービンは元々短い曲の上に、合唱が出てくるのは最後の方だけで、なんと贅沢な!と思っていました。
勝手に後半は合唱が入らないと早合点していたら、後半の休憩終了時に合唱が再入場してきて、ああ、そうか、と。
その「ダフニスとクロエ」もパワー炸裂!
合唱に力みのようなものを感じましたが、いや、これも、ラザレフさんの解釈なのでしょうね。
これはもう、本当に、大交響曲が熱狂的に終了したような体感。
ああ、それなのに、それなのに、まだ続きがありました。

なぜか私のGoogleカレンダーには「ダフニスとクロエ」の後に「だったん人」が入力されていて、でも、会場に着いてプログラム冊子を開いたら「ダフニスとクロエ」で終わりになっていて、でも、アンコールに「だったん人」があって…。??
日フィルの公式サイトから文字列をコピーして貼り付けたはずなので、最初は正式に曲目に入っていたのでしたかね??

この「だったん人」の合唱が、素晴らしいのなんの。
本編の「ダフニスとクロエ」よりも美しく感じられたくらい。
「ダフニスとクロエ」で感じたような力みは感じられず、ハーモニーに透明感も。
まさにラザレフさんの、お国ものの、面目躍如?

オケの音もよく整えられていた上に、縮こまらずに躍動感があり、ラザレフさんが着任した頃の日フィルとは雲泥の差(暴言、すみません)。
剛腕の音の中にも美しいニュアンスが込められています。
一晩で5曲(ラヴェルを2曲として)を弾くのは、長大な交響曲を弾くのとは違った難しさがあるものと拝察いたしますが、5曲をここまで仕上げて熱演を聴かせてくれれば言うこと無し。

時間的には短く、8時半過ぎには演奏会終了。
アフタートークがあったのはそのためですかね?
(私は、失礼しましたが。)
でも、全ての曲をこれだけのレベルで爽快、豪快に鳴らして、会場を大興奮導いてくれれば、トータルの時間が短いことなど、全く不満に感じません。
冗長に感じる演奏より、はるかに好ましい。

ちなみにこの日は、当初は午後半休で、久々に初台→六本木一丁目…のハシゴのはずが、午後に会議が入ってしまいまして…。
でも、会議は珍しく早めに終了し、初台の後半に間に合うかもしれない時刻…。
よし、早退しよう!と思ったのですが、間に合わなかった時の心理的打撃を考えて一瞬、躊躇してしまい、その10分前後の迷いのために、間に合わない可能性が大に…。
結局、普通に六本木一丁目だけになりました。

でも、満足です。

あ、初台のD席を買えなかった方には、申し訳なく、お詫び申し上げます。

20140530

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2014年5月16日 (金)

ゼッダ/東京フィル(2014/5/16)

2014年5月16日(金)19:00
サントリーホール

指揮:アルベルト・ゼッダ
東京フィルハーモニー交響楽団

(第847回サントリー定期シリーズ)
メゾ・ソプラノ: テレーザ・イエルヴォリーノ

シューベルト:交響曲第3番
ロッシーニ
(シャリーノ編):カンタータ「ジョヴァンナ・ダルコ(ジャンヌ・ダルク)
マリピエロ:交響曲第2番「悲歌」
ロッシーニ:歌劇「ギョーム・テル
(ウィリアム・テル)」より
  第1幕「パ・ド・シス」、第3幕「兵士の踊り」
ロッシーニ:歌劇「セミラーミデ」序曲

全く枯れていない!どころか、ますますスリリングな音を鳴らすマエストロ。
東フィルさん、ピットでもこういう演奏をして下さいよ…と言いそうになりますが、ゼッダさんとピットに入ればこういう演奏をしますよね。
指揮者は偉大なり、マエストロ・ゼッダ偉大なり。

まずはシューベルトの交響曲第3番。
第1楽章は「普通に素晴らしい演奏」。
…だけど、ゼッダさんは「普通」じゃないはずなんですど…と感じたのは私の耳のせいですかね?
第2楽章以降の目が覚めるようなノリノリの快演を聴いてなおさらそう思いましたが、それは贅沢というものでしょうね。
私の席の位置が、ふだんあまり座らない場所だったので、音響に耳が慣れるまで少し時間がかかっただけかもしれませんが…。

続く「ジャンヌ・ダルク」は、あまり後世の編曲であることを感じさせない。
プログラム冊子の解説がなかったら、たぶんロッシーニのオリジナルと信じたでしょう。。
歌は小さな声から大きな声まで、無理なく美しい。
そして、歌のバックのマエストロは、やはり、超・絶妙でした。

休憩後のマリピエロの交響曲は、新古典主義(とひとくくりに出来ないとプログラム冊子の解説)の曲。
決して「旧」古典主義ではない新しさ、新しい響き。
この曲を、長大な作品に塗りたくらず、余韻を残してあっさり(?)終わるあたりが、曲に好感。
耳障りな鋭い…あるいは鈍い音は皆無。
…皆無だけど、シューベルトとは時代が違う。
この曲をゼッダさんの指揮で、生で聴けたことは、おそらく貴重な体験となることでしょう。

そして、ロッシーニの「ウィリアム・テル」から2曲のバレエ音楽。
そして「セミラーミデ」序曲。
これはもう、お約束の、スリリングで楽しさ満載の「ああ、生きていて良かった!」の連続。

最初の方で、会場から執拗にノイズ(鈴の音?)が聞こえましたが、でも、最終的にはそんなことはどうでも良くなる、まさ今生まれたばかりの音楽。
まさか、この曲を聴いて、目頭が熱くなるとは…。

ゼッダさんには老大家、老巨匠という言葉は似合いません。
人間国宝のような味わい深さとも違います。
基本的に遅くもない…どころかスピード感すらあります。
私がマエストロ・ゼッダの生演奏に接したのはここ数年の、数えられるほどの公演ですがが、その機会を与えられたことに心から感謝したいと思います。

私は東フィルの定期演奏会は1年以上ブランクがあるので他の日と比較は出来ませんが、この日の東フィルの音は、リハーサルでゼッダさんにみっちり仕込まれたか、ゼッダさんのために皆さんみっちりさらってリハーサルと本番に臨んだか、本番でのゼッダさんのオーラが凄かったのか…。
これら全部だったのでしょうか…。

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2014年5月 8日 (木)

十束尚宏、小澤征爾/新日本フィル(2014/5/8)

2014年5月8日(木)19:00
すみだトリフォニーホール

新日本フィルハーモニー交響楽団
(特別演奏会2014)

〈第1部〉
指揮:十束尚宏
ハイドン:交響曲第104番「ロンドン」

〈第2部〉
指揮:小澤征爾
バルトーク:弦楽のためのディヴェルティメント
ベートーヴェン:序曲「レオノーレ」第3番

力強い十束さんのハイドンの後、20分の休憩をはさんで、小澤さんが出て来て弦楽だけで万華鏡のような色彩感!
さらに10分の休憩をはさんで、シンフォニック、ファンタスティック、エキサイティング、レオノーレ!

小澤さんは、指揮台の上に大きな椅子を置いての指揮。
椅子の高さは高めで、深く腰掛けると小澤さんの足が浮くくらい。
バルトークは浅く腰掛けて指揮している時間の方が長い。
座ったって、身振りが往時に比べて小さくたって、凄い音が出るじゃないですが、小澤さん。
立つ必要無いですよ、座って指揮しても十分。

小澤さんには、もっと深く腰掛ける椅子を用意して、立ち上がらないようにシートベルトをかけてもらった方が良いのでは?とも思いましたが、ほとんど立って振ったレオノーレの迫力たるや、凄かったので、前言は翻さざるを得ません…。

後半だけ振るのもいかがなものか…いや、後半だって振れないかもしれないではないか…と思いつつ、やっぱり小澤さんの居る空間を再体験したくてチケットを買ってしまい、聴いた後は、後半だけでも振ってくれて感謝、感激。
いつものNJPの音じゃないですもん。
小澤さんには、ずっと座りっぱなしでもいいから、短いプログラムでもいいから、やっぱり振ってほしい。

前半の十束さんのハイドンは、もしやNJPにブリュッヘンの影が残っている?…という細部のかみ合いの微妙さはあったにせよ、この力強いベートーヴェンのようなハイドンは結構魅力的。
演奏会全部を十束さんでハイドンを聴いてみたくなります。
小澤さんの“前座”のハンディは仕方ないですね…。
終演後のロビーで「音が全く違ったね」と言われる損な役回り。
万一に備えてのスタンバイの役割も背負っていたのでしょうかね。

小澤さんが振ったときは、こんな凄い音が出せるんだから、NJPよ、普段からしっかりせんかい!と言うのはお門違いで、小澤さんに対して失礼ですね。
小澤さんが振ったから、こんな凄い音が出せるんですよね。
偉そうにすみません。

バルトークも、レオノーレも、白黒のブラウン管テレビが、いきなりハイビジョンになったような体感でございました。
微弱音からフルスケールの音へのダイナミックレンジも凄いこと!

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2014年5月 4日 (日)

児玉桃(P)(2014/5/4)

2014年5月4日(日)14:30
よみうり大手町ホール

ピアノ:児玉桃
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン
公演番号283

「音楽の捧げもの<最期の音楽>」
ショパン:4つのマズルカOp.41
ショパン:ピアノ・ソナタ第3番
ショパン:マズルカOp.24-1
(アンコール)

初めてのホールです。
多目的ホールではありますが、内装は落ち着いた感じで音楽ホールの雰囲気。
音響も比較的好印象でした。
残響は多くない(可変?)印象なので、弦楽器はどう響くかわかりませんが。

さて、そのホールでの桃さんのピアノ。
弾き始めは、ずいぶん音が硬質な印象を受けました。
ホールの音響のせいか、ピアノのコンディションのせいか、はたまた普段はPブロックややRA、LAブロックに座っている私が、正面に座ったせいか…。
しかし、徐々にその硬質な印象が取れていったように感じたのは私の気のせい?
桃さんが弾きながら指先を絶妙に変化させた結果のような気もしますが…。
ソナタの終楽章は強打しても音が硬くならず。
クールに見えて内は熱い桃さん流。
第2楽章もクールに見えて叙情的。

ソナタが終わった時点で、「前半終了、休憩時間」の体感。
もっと聴きたい…。
いや、ここまでで終わっても十分に満足ですが、でも、もっと聴きたい!
その気分に応えてくれたアンコールに感謝!

なお、蛇足ですがこのホール、私の席では床がつるつるで、革靴の底がこすれると、キュッキュッと結構な音がしました。
開演前に気がついたので足を動かさないように気をつけて鑑賞しました。

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2014年5月 3日 (土)

ハーディング/新日本フィル(2014/5/2)

2014年5月2日(金)19:15
サントリーホール

指揮:ダニエル・ハーディング
新日本フィルハーモニー交響楽団

(第525回定期演奏会)

ブラームス:交響曲第2番
ブラームス:交響曲第3番

2曲とも起承転結ならぬ、起「転」「承」結で描いた…と言ったら言い過ぎでしょうか?
第2楽章の、美しく、力強いこと!
ハーディング先生の100点満点には到達していないかもしれませんが、特に3番の美しさには、身じろぎ出来ず。

第2番では、16型なのにスリムな響き。
厚みよりもオケの機動力にものを言わせた演奏か…と思いましたが、後半の第3番での音の溶け合いと豊かなニュアンスはさらに1.5ランク上のサウンド。
芳醇な香しい音は、エルガーのようなブラームス(←暴言?)。

前半の第2番は、前日の公開リハーサルで“第2楽章の聴きどころ”をたっぷり教わったので、本当に楽しかったです。
私、これまで、第2番の第2楽章って、いまひとつ退屈に感じていたんです。
それが、前日のリハーサルで、1時間近くみっちりとハーディングさんがオケに表情を付けるのを聴いて、私の耳は生まれ変わりました。

もっとも、ホールだけでなく、舞台に対する席の位置関係も全く違うので、ずいぶん違った響きに聴こえましたが…。
あ、着席率による吸音の差もありますよね…。
この日のサントリーホールは全席完売でした。

ちなみにこの日の客席は、少なくとも私の周りはノイズは極少、気持ち良く演奏に没頭出来ました。
指揮棒への集中力は会場全体に行き届いていて、2番も3番も、第3楽章から第4楽章への短い間合いに咳払いは起きず、フラブラも無し。

“ハーディング様のブラームスが聴きたくて、ハーディング様料金の一回券を買った人々”の集会に、私も混ぜていただいたんだなーと思いました。

あ、私は、新日本フィルのサントリー定期は外様です。偉そうにすみません。

今シーズン、チケットマイプランで買った5公演のうち、2公演のチケットを無駄にしてしまいましたが、この日の演奏をそれなりの席で聴けただけでも、買った甲斐がありました(と自分に言いきかせております)。
まだ3勝2敗で勝ち越せる(?)可能性も残っていますし。

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2014年5月 1日 (木)

ハーディング/新日本フィル(2014/5/1)

2014年5月1日(木)10:30
すみだトリフォニーホール

指揮:ダニエル・ハーディング
新日本フィルハーモニー交響楽団

(公開リハーサル)

ブラームス:交響曲第2番~第2、第3、第4楽章

新日本フィルの公開リハーサルは久しぶりです。
ふだんは平日の午前にトリフォニーホールへは、なかなか行けません。

ホールに足を踏み入れると、楽団員の皆さんの大半はステージ上に揃っていて、音を出しています。
その音の威力のあること!

チューニングの後、ハーディングさんが登場し、オケの皆さんに「おはようございます」と言った後、客席にも「おはようございます」と。

まずはブラームスの第2番の第2楽章を通して指揮。
素人の感覚としては「もう仕上がっているではないですか」という域から、細かく区切って、時には分奏を入れての徹底。
劇的に変わると言うよりは、じわじわと音に威力が増す印象。

休憩後は第3楽章。
こんどは通さずに止めながら。
続けて第4楽章に入り、やはり止めながら。
「第4楽章の途中で公開リハーサルは終わりかな?」と思いましたが、終わりまで指揮し、客席側を振り返ったので、拍手喝采。
公開リハーサルの聴衆へのサービスでしょうかね。

正直、素人の耳には、止めて直すことで音の威力は格段に上がったように感じる場面もあれば、じわじわっと良くなったように感じる場面もあり、自分の耳が甘いのかな?とも思いましたが、まあ、直す前だってハーディングさんが結構気合いを入れて振っているのですからね。

公開リハーサルをそんなに多く聴いているわけではありませんが、数少ない私の経験からすると、リハーサルの演奏がかなり素晴らしくても、本番はさらに素晴らしいのが通例でした。
すなわち「あ、リハーサルは8割か9割の力で演奏していたのね」と本番を聴いて気がつくという体験。
よって、リハーサルでこのレベルなら、本番は相当に期待して良いかもしれません。
新日本フィルの調子も上がってきていますしね。

ちなみに新日本フィルの公開リハーサル、まだ日程は未定ですがが、6月にもハーディングさんのブラームスで一回予定しているとのことです。
チケットの売れ行きも良いようで、やはり良い演奏をすれば、お客さんは戻ってきますよね。

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