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2014年7月の3件の記事

2014年7月21日 (月)

インバル/都響(2014/7/21)

2014年7月21日(月・祝)14:00
サントリーホール

指揮:エリアフ・インバル
東京都交響楽団

(都響スペシャル)

マーラー:交響曲第10番(クック版)

徹頭徹尾、完璧かどうかはともかく、これはやはり稀有の体験と言うべきでしょう。
心底感動している自分と、“体験をさせてくれたこと”に(理性的に)感謝している自分とが同居しているような精神分裂気味の感情でしたが、その半分の“心底感動”だけでも凄い。
個人的に体調がいまひとつだったことを考慮すると、本当に凄い。

マーラーがこの後も書き続けたら、第15番はどんな奇怪な曲になったのでしょう?…と、あらぬ想像を…。
第9番にも、第7番にさえも、その片鱗や前兆は出ているのかもしれませんが…。

第9番までのインバルさんと都響の演奏とは少々違うかな?
それとも、あの第7番で、あれだけ調和感のある演奏をしたこのコンビだから、この曲でもこのスタイルに“収まった”と言うべきなのでしょうか?
そもそもこの曲、演奏回数(経験)が第9番までとは異なるのかな。
都響だからこういう演奏にまとまったと言うべきかな?
まとまった“だけ”の演奏では、決してありませんが。

プログラム冊子のインバルさんの言葉「彼は全ての小節を書き、全曲を通して欠落は無かった」。
モーツァルトのレクイエムを聴かないことはないのと同様に、この曲も聴かないわけにはいきませんね。

モーツァルトのレクイエムについて「ジェスマイヤーが書いた部分は明らかに劣る」という評論家や学者の先生の文章はよく見ますが、ある時「そうは言っても、モーツァルトの指示なしにジェスマイヤー単独でこの音楽を書けたとは思えない」という文章を見たことがありました。
今日はなぜかそれを思い出しました。

インバルさんが都響とのツィクルスの続編として振ってくれたことに感謝!
インバルさん自身は“続編”ではなく、“完結編”の意気込みだったそうですが、終演後の熱狂的なソロカーテンゴール2回、本当に嬉しかったことでしょう。

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2014年7月19日 (土)

メッツマッハー/新日本フィル(2014/7/19)

2014年7月19日(土)14:00
すみだトリフォニーホール

指揮:インゴ・メッツマッハー
新日本フィルハーモニー交響楽団

(第529回定期演奏会)
バス:ローマン・トレーケル
語り:松原 友、多田羅迪夫

ベートーヴェン:バレエ音楽「プロメテウスの創造物」序曲
ツィンマーマン:私は改めて、太陽の下に行われる虐げのすべてを見た
(日本初演)
ベートーヴェン:交響曲第5番

鮮烈!
爆裂!
炸裂!
現代音楽(と言っても数十年前)が面白くない責任の多くは指揮者にあるのでは?…と思えてくるメッツマッハー様々の気合いの指揮。
予習せずとも、テキストを理解せずとも、壮絶な体験!

この壮絶なツィンマーマンが全て…の演奏会ではないところが凄い。

「プロメテウスの創造物」序曲、も、交響曲第5番も、この壮絶なツィンマーマンを挟んで、ベートーヴェンの音楽がいかに革新的だったかを体感させられる体験。

暴力的にぶっ叩くだけのベートーヴェンでないことは、旋律が前面に出た時の比類のない美しさ、淡白でない歌わせ方が物語っています。
定期演奏会で聴くベートーヴェン、それもメッツマッハー様の指揮で聴くベートーヴェンの素晴らしさ!

気迫みなぎる演奏ですが、メッツマッハー様の指揮の動作は非常に効率的!
比較的コンパクトな動作で、しかし結構細かく、力みは感じないけど、決してぬるい動きではなく、ここぞというときは瞬発的に爆発する。
素人目の印象ですが、オケの皆さん、指揮者が何をやりたいか、本当によくわかるのではないでしょうか。

もしかして、(今頃、すみません!)新日本フィルとメッツマッハー様の相性って、もの凄く良いのではないでしょうか?(と就任前から一応感じてはいましたが…)。
いや、メッツマッハー様そのものが、もの凄い指揮者なのでしょうが…。
かつての、アルミンク様とぎくしゃくする前の新日本フィルに抱いていたイメージが復活し、さらにパワーアップした嬉しさ!
本当に良いシェフを迎えましたね(今頃、すみません!)。

メッツマッハー様を迎えるトリフォニーホールの拍手、暖かいですねー。
それが、一曲目が終わり、二曲目が終わり…とだんだん熱くなっていく様は嬉しいですねー。
入場者数は盛況とは言えなかったように見えましたが、こういう演奏を聴けるなら、また足を運ぼうかという気になりますでしょうねー。

東京でメッツマッハー様が定期的に聴ける幸せを、忘れないようにしないといけませんねー。

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2014年7月 6日 (日)

ウィグルスワース/東響(2014/7/06)

2014年07月06日(日)14:00
ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:マーク・ウィグルスワース
東京交響楽団

(川崎定期演奏会第46回)
ピアノ:小菅優

リスト:ピアノ協奏曲第2番
リスト:コンソレーション第3曲
(アンコール)
ワーグナー(フリーハー編):楽劇「ニーベルングの指環」
         ~オーケストラル・アドベンチャー~

初回客演の時が「普通に良い演奏」レベルの印象だったので、正直あまり期待していなかったのですが、こんなスケールの大きい音を鳴らす人だったのか!と思いました。

まずはリストの協奏曲。
やはりミューザの音響で聴く小菅さんの音は格別です。
微細な音から一気に駆け上がるフルスケールの音まで、飽和せずに全てがきれいに響きます。
“反対側”で聴いているハンディをほとんど感じませんでした。

ニーベルングの指環の70分を、“相対的に短い”と見るか、“一般的には長い”と見るかは微妙です。
聴いた後の体感は物足りなさはなく、それなりに堪能した気分です。
歌劇場でもこういう音で鳴らす人なのかどうかは存じ上げませんが、まさに副題の“アドベンチャー”の体感。
重厚な音ではなく、どちらかと言うとスッキリ系の音かもしれませんが、シンフォニックではあります。
そういう意味では、楽劇と言うよりは、やはり副題の“オーケストラル”の演奏だとは思いますが、ミューザの音響で聴くのになんの不足がありましょうか。
初回客演のブラームスの時よりも、オケと指揮者がかみ合ってきたのか、指揮者がパワーアップしたのか、その両方か…。

指揮者が最初に引っ込んだ時の東響の皆さんのはじけっぷりを見ると、ノセられてしまった、今日は(も?)凄かった…だと拝察しますが、前日の演奏はどうだったんのしょう?
個人的には前回鑑賞の印象でパスしなくて良かった!と思いました。

なお、蛇足ながら、後日、東条碩夫先生のブログを拝見すると、前日のサントリーホールの演奏、文章から拝察するに、前回鑑賞の時の私の印象に近いように思えてきました。
2日続けて聴いたわけではないので、うかつなことは言えませんが、当たりはずれがあるのでしょうか???
知ったかぶりの暴言、妄言、すみません。

20140710

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