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2014年9月の2件の記事

2014年9月29日 (月)

メッツマッハー/新日本フィル(2014/09/29)

2014年9月29日(月)19:15
サントリーホール

指揮:インゴ・メッツマッハー
新日本フィルハーモニー交響楽団

(第530回定期演奏会)
語り:長谷川孝治

ツィンマーマン:大オーケストラのためのプレリュード「フォトプトシス」
ツィンマーマン:「ユビュ王の晩餐のための音楽」
ベートーヴェン:交響曲第7番

「とりあえず音にしてみました」ではない、気合い入りまくりのツィンマーマン。
名曲コンサートではなく、定期演奏会クオリティのベートーヴェン。
メッツマッハーさんの音楽が、定期演奏会で聴ける喜び!
通りすがりの来日演奏会ではなく、なおかつ、ツィクルスとうたっていなくても、これは紛れもないツィクルスです。
客席の人数は今ひとつでしたが、みんなメッツマッハーさんに期待して足を運んでいる。客席のメッツマッハーさんに対する拍手の温かく、そして終演後は熱い!

まずは、ツィンマーマン。
7月定期も凄かったので、これも「前座」の演奏ではないだろうと予想していましたが、その通り。
メッツマッハーさんがこの作曲家を続けて取り上げる理由が体感できる演奏。

「ユビュ王の晩餐のための音楽」では、どこかで聴いたような旋律の見え隠れで、「あ、後半のベートーヴェンへの橋渡しの選曲なのね」などと斜に構えて聴いていたら、終結では、見え隠れどころか堂々と鳴り響き…。
それも、ひとつではなく…。
そして、それが絡まり合い…。
その圧倒的な異様さに叩きのめされました。
凄い…。
やっぱり凄い…。
前回の鑑賞経験があったので、予想はしていましたが、凄い…。

後半のベートーヴェンも、これだけ快速系で瞬発的な鳴らしを随所に入れているのに、暴力的にぶっ叩くだけのベートーヴェンにならないのが凄い。
ピリオド・アプローチでなくたって、ここまで刺激的な演奏。
NJPの持つシャープな音色にも合っていますね。
この響きの新しさは、まさに21世紀のベートーヴェン。
第2楽章の、速めながらも比類のない美しいニュアンスにも陶然。

メッツマッハーさん、期待を裏切りませんが、毎回驚きが待っています。

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2014年9月28日 (日)

ブロムシュテット/N響(2014/9/28)

2014年9月28日(日)15:00
NHKホール


指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
NHK交響楽団

(第1789回定期公演Aプログラム)

モーツァルト:交響曲第41番「ジュピター」
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」

御無沙汰いたしました。
海外出張があったり、プライベートでも想定外のハプニングがあったりして、遅ればせながら、この日が私の秋シーズンの開幕です。
すでに今回のブロムシュテットさんの最終日ではありますが、間に合って良かった!!と言うべきでしょう。

ここ数年、「ブロムシュテットさんも今回が最後かな…」と思いつつ、毎年、それが覆る嬉しさ!!

「ジュピター」と「悲愴」で、2つの異なる完成系を、巨大空間に構築した演奏でしょうか。
急がず、慌てず、見事に昇華した普遍的な音を紡ぎ、圧倒的スケールにただただ、恐れ入るのみ。
本気にさせられた時のN響のうまさも舌を巻くしかありません。
最後は満場総立ちのソロカーテンコールでした。

「ジュピター」は、終結に向かって突進することもなく、さりとて躍動感が無いわけでもなく、しなやか。
前述のように、空間にひとつの完成系を構築した演奏という意味では、まるで名画を見ているような体感?
興奮でもスリリングでもなく、ただただ、ひたすら幸せな空間に居合わせた幸運を喜ぶのみです。

「悲愴も、おどろおどろしい情念も綺麗に昇華し、のたうちまわるような感情も見事な構築美に変容し、圧倒的な構造物として空間を制圧した演奏。
老大家の枯れた演奏などではなく、豪腕の荒削りの演奏でもなく、勢いだけではない懐の深さ。
こういう音が鳴ってしまった、9月のひと時、ひと空間。
体験できたことを感謝するしかありません。

前日のNHK-FMでの生中継で、ブロムシュテットさんがN響で「悲愴」を振るのは、N響に初めて客演したとき以来と言っていました。
私はその時の演奏は生では聴いてはいませんが、N響の名誉指揮者に迎えられるきっかけの圧倒的な演奏だったのでしょう。

そして、時は流れ、一時期、音楽雑誌などに「名誉指揮者(4人)のうち、実質的に指揮が出来るのは、ブロムシュテットさん一人しかいない」と書かれていたN響。
「実質的に」どころか、存命はただ一人になってしまいましたが、元気、元気。
去年は、なんと退任するコンサートマスターの山口さんを“送り出す側”に回ったり。

ちなみに「本気にさせられた時のN響はやっぱり凄い」と、悪口も含んだ賞賛の仕方をしましたが、ここ2-3年の私は、1階前方に座るための予算捻出のために、巨大ホールに足を運ぶ回数を絞っており、「おやおや」という演奏には、ほとんど(←「全く」とまでは言えませんが)出会っていません。

カーテンコール時に、起立せずにブロムシュテットさんに拍手を贈るN響メンバ-。
このコンビが、少しでも長く、続きますように。

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