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2015年1月の11件の記事

2015年1月31日 (土)

新国立「さまよえるオランダ人」(2015/1/31)

2015年1月31日(土)14:00
新国立劇場

ワーグナー:さまよえるオランダ人
(遅れていったので、第1幕途中から鑑賞)

水曜日の上演が素晴らしかったので、「最終日はさらに盛り上がるだろう」(「パルジファル」の最終日が輪をかけて凄かったので)と思って、思い切って散財しました。

この日以降は緊縮財政でいきます(行かざるを得ません、使いすぎです)。

この日も、事情があって遅れていきましたが、

今回は、遅れたけど、第1幕途中で1階最後列に入れてくれました。
オランダ人が登場する少し前です。

1階最後列は、典型的な“雨宿り”の席です。
音のパワーは弱めながらも、結構バランス良くまとまった音に感じました。
何よりも、モニタの音で聴くのとは大違いです。

休憩後の第2幕からは、購入した本来の席で鑑賞。

ミーハーと言われようが、ゼンタに萌え、萌え、萌え。
ピットの飯守マエストロは燃え、燃え、燃え、爆発!
ホルンは少しお疲れ?

とりあえず、第2幕のゼンタとオランダ人の二重唱や、第3幕の水夫の合唱から幽霊船が出てくるところなど、ツボにはまったところを再び聴けて幸せです。
ただ、水曜日の完成度と緊迫感には僅かに及ばなかった感も…。
そんな贅沢を言える身分ではないですが…。

世評の高くない演出は、前回は「そんなに悪くないんじゃない?」と思って、この日も引き続きそう思いましたが、続けて観ると、舞台上の動きが急に止まるところ(オランダ人が「救済は消えた」と現れた後とか)はちょっと気になったり…。

幕切れでゼンタが船とともに海に沈んだ後、陸で倒れたオランダ人は、のたうち回りながら「ううっ、ううっ」と声に出してうめいているのですが、水曜日はそのうめき声がはっきり聞こえたのに、この日はもっと舞台に近い席だったのに、あまり聞こえず。

そういえば、ゼンタの狂ったような視線、水曜日は「完全にいかれちゃってる」でしたが、この日はそれほどでもなかったような…。

まあ、水曜日が良すぎなたのかな。

それでも、飯守マエストロが日本でオランダ人を振るのは、確か、東京アカデミッシュ・カペレ(オケとコーラスはアマチュア団体)での演奏会形式(歌手はプロ)に続いて2回めのはずですから、次はいつあるかわかりません。
…ということで、通ってしまいました。

複数回鑑賞ゆえの偉そうな物言い、失礼しました。
いろいろ言いながらも、幸せな一週間でございました。

気持ちを切り替えて、緊縮財政スタート!

スタッフ
【指揮】飯守泰次郎
【演出】マティアス・フォン・シュテークマン
【美術】堀尾幸男
【衣裳】ひびのこづえ
【照明】磯野 睦

キャスト
【ダーラント】ラファウ・シヴェク
【ゼンタ】リカルダ・メルベート
【エリック】ダニエル・キルヒ
【マリー】竹本節子
【舵手】望月哲也
【オランダ人】トーマス・ヨハネス・マイヤー

【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京交響楽団

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2015年1月30日 (金)

小林研一郎/日本フィル(2015/1/30)

2015年1月30日(金)19:00
サントリーホール

指揮:小林研一郎
日本フィルハーモニー交響楽団

(第667回東京定期演奏会)
オーボエ:杉原由希子

【シベリウス生誕150周年】
グリーグ:ホルベルク組曲
モーツァルト:オーボエ協奏曲
シベリウス:交響曲第2番

杉原首席、オケの中で吹いても、2年前くらいの力みが消えて素晴らしくなってきていると、最近、毎回思っていましたが、さもありなん!という、完全にソリスト級の演奏。
急がず慌てず、たっぷりと美しく鳴らす。

私は“反対側”の席だったので、音色や音量についてコメントできる立場にありませんが、ほんと、うっとりと聴き惚れました。

全休止の後に、ソロとオケが一緒に音を出す場面のピッタリ感、外から招いたソリストだと、ここまでピッタリ合わないかも…と思いました。

ソロを吹くだけでなく、コンマスのお株を奪ってオケをリードしてしまったようにすら感じましたが、私の気のせい?
コンマスの扇谷さん、渋い顔をしていたように感じたのは私の気のせい?
(暴言失礼!扇谷さん、すみません!)

素晴らしいモーツァルトの前は、グリーグのホルベルク組曲。
日フィルの弦楽器群、たっぷりと鳴って美しい。
もしかして16型だったのでしょうか?
弦楽合奏にしては大編成と言って良いのでしょう。
それでも、もったりした印象はなく、切れ味もそれなりにありました。

そして休憩後は(モーツァルトとは比べものにならないくらい大人数の)管楽器群が合流し、シベリウス。

これが…。

素晴らしい瞬間も多々ありましたが、荒っぽいなぁ(特に管楽器群)という瞬間も多々多々多々あって、手放しでは喜べないけど、面白かったし、最後は盛り上がったので良かったけど、もう少し練って欲しい気も…という形容しがたい演奏。
(長い文章ですみません。)

第2楽章中盤までは、後半から参加した管楽器群と、前半から弾いていた弦楽器群との間に、音色の仕上がりの差を感じたのは私だけ?
後半楽章はさほど気にならなくなりましたが、翌日の2日目の演奏はもっと良くなる余地はあるような…。

曲の前半の方は、少々当惑しましたが、第3楽章はかなり素晴らしかったですし、第4楽章の一部でまた少し荒っぽい箇所も散見されましたが、鳴らす、鳴らすでワクワク感はあったので、最後は一応、「行って良かった」と。

それでも、私がこの日良かったのは、休憩前の前半の方、特に杉原首席のモーツァルトでした。

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2015年1月29日 (木)

井上道義/新日本フィル(2015/1/29)

2015年1月29日(木)19:15
サントリーホール

指揮:井上道義
新日本フィルハーモニー交響楽団

(第534回定期演奏会)
トロンボーン:山本浩一郎

武満徹:地平線のドーリア
吉松隆:トロンボーン協奏曲「オリオン・マシーン」
モーツァルト:レクイエムより
(アンコール)
リゲティ:ロンターノ
クセナキス:ノモス・ガンマ

井上さんが出てきた時のすごい拍手、お客さんの数、多くないのに。
前半の武満徹~吉松隆と、舞台転換で視覚的に全く違う世界になり、それが聴覚的にも全く違う世界に。

休憩後も、研ぎ澄ました感覚を聴衆にも要求するリゲティ、円形の配置で大音量と炸裂するリズムのクセナキス。

そう、前半も後半も、曲と曲の見事な対比。
そして、前半と後半の、見事な対照。
五感を呼び覚ます音楽会、いや、音響会。
客席も湧く、湧く、ワクワク。
新日本フィルの団員さんも(大変だったでしょうが)楽しそう。

理解したなどとは口が裂けても言えませんが、感じることは十分に出来ました。
こういう演目、快感、快感。

井上さん「今日は舞台転換が多いからしゃべります!」って、しゃべる、しゃべる。
前半は病気のことなど微塵も感じさせない内容でしたが、後半のクセナキスの前はさすがにその話題も。
でも、生還・回復した井上さんだからこそのエネルギーもあったに違いありません。

新日本フィルって、こういうプログラム、合ってますよね。
集客は大変だとは思いますが。

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2015年1月28日 (水)

新国立劇場「さまよえるオランダ人」(2015/01/28)

2015年1月28日(水)19:00
新国立劇場

ワーグナー:さまよえるオランダ人

この日は文句なし。
稀有の体験!と言ってもいいくらいです。

評判の芳しくなかった初日は観てないので想像するしかありませんが、おそらくピットの東響は、雲泥の差の、素晴らしい出来だったのでは?
うねる低音、微細なささやき、咆哮する金管…。
歌への寄り添いもぴったり。
飯守さんの求める音が、かなりのレベルで実現できていたのではないでしょうか。。

この日は私にしては珍しく席を奮発したので、ピットから出る音が上へ上がって反射して降ってくる体感を疑似体験。
(彼の聖地には行ったことなどありませんが…。)
ピットのオケが良いと歌手も歌いやすいのでは?という、指揮、オケ、声の三位一体。

序曲が終わったところで拍手が起きてしまいましたが…。
マエストロは指揮棒を構えて待ちました。
当然、一気に行きたかったところでしょう。
まあ、序曲からオケはよく鳴っていましたし、上の方の(私がいつも座るような)場所からは、ピットの指揮者は見えませんので、仕方ないかな。

第2幕から登場したゼンタは完全にスイッチ入っちゃって、何かに取り憑かれているかのようだし、それに絡むオランダ人も、エリックさえも、ハイテンション。
もちろん、煽って火をつけたのはピットのマエストロでしょうけど、オケにも火がついちゃって凄いのなんの。
寄せては返す音の荒波の気持ちよいこと!

マエストロはこの日もおそらく暗譜でキュー出しまくり。
(私の席からは譜面台は見えませんでしたが、マエストロの上半身は、譜面をめくっている素振り無し。)
ピットの東響は定期演奏会クオリティ、いや、この轟音はそれ以上だったかもしれません。
終演後のカーテンコールで、指揮者がピットの東響のメンバーを立たせた時のメンバーの皆さんの明るい表情、笑顔、笑顔、笑顔、…。
おそらく会心の演奏、会心の笑みだったのでは?

パルジファルでも、オランダ人でも、前回鑑賞時までは、飯守泰次郎さんが新国立で振る時には、ピットに東京シティ・フィルを呼ぶか、せめてゲストコンマスに戸澤さんと松野さんを呼んだ方が良いのでは?と思ってましたが、この日をもって撤回します。
水谷コンマスに深くお詫びいたします。m(_ _)m

あまり世評の高くない演出も、よく見ると細かい動きがあちこちに入っていて、照明効果も含めて音楽と相乗効果に私は感じました。

前回鑑賞時は席が3階だったので、第2幕でのゼンタの声は今ひとつボリュームが無いように感じたのですが、それはおそらく、やや奥まった位置での歌唱だったから、舞台装置を含めての音響上、3階席まで響きにくかったのだと想像します。
この日は奮発して1階席だったので、奥の方からでも、声がびんびん響いてきました。

おそらく、オケのコンサート以上にオペラでは、席の位置による印象の差が大きいものと思います、視覚的にも、音響的にも。
ひねくれた物言いで申し訳ありませんが、評論家の先生方の座る席と、通常私が座るD席とでは、天と地の差があるのではないでしょうか。
いや、この日1階席に座って、確信しました。
まさに、日付だけでなく、空間も一期一会、聴衆の数だけ、異なる体験があります。
いろいろな感じ方があって当然ですね。

スタッフ
【指揮】飯守泰次郎
【演出】マティアス・フォン・シュテークマン
【美術】堀尾幸男
【衣裳】ひびのこづえ
【照明】磯野 睦

キャスト
【ダーラント】ラファウ・シヴェク
【ゼンタ】リカルダ・メルベート
【エリック】ダニエル・キルヒ
【マリー】竹本節子
【舵手】望月哲也
【オランダ人】トーマス・ヨハネス・マイヤー

【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京交響楽団

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2015年1月25日 (日)

新国立劇場「さまよえるオランダ人」(2015/01/25)

2015年1月25日(日)14:00
新国立劇場

ワーグナー:さまよえるオランダ人
(遅れていったため、第2幕から鑑賞)

遅刻していって、居残りをしてきました。

開演に間に合わず、いっそ15:00開演の別の会場に当日券で行っちゃおうか…と一瞬魔が差したのですが、当初予定通りの会場へ行きました。

私は「さまよえるオランダ人」は、どちらかというと連続して一気に上演する方が好きなのですが、この日ばかりは「途中休憩あり」のありがたいこと!

…というわけで、第2幕からの鑑賞となりました。

今回のこの上演、初日の評判、特にピットの東響の評判が芳しくなかったので心配しましたが、少なくとも第3幕の白熱感は素晴らしい。
(新国立は、初日より、最終日に近い上演日を鑑賞した方が良いという意見には、私も大賛成です。例外はありますが、たいていはそうです。)
演奏自体は尻上がりに高揚した印象もありますが、第2幕開始の時点でそれなりに高揚はしていた印象。
でも、歌手も含めて、ゼンタのお父さんが出てきて声を出してから、一気に舞台が締まった感もあります。

この日の私の席は、D席だけどB席の隣で、ピットの指揮者がかろうじて見える席。
飯守泰次郎さんは、スコアすら置かずに暗譜での指揮。
東京シティ・フィルを振る時とは別人のように、細かく、わかりやすい棒の振り方だったように感じたのは私だけかな。
(素人が偉そうにすみません。)

ピットの東響は「終始文句無し」ではなかったのですが、それはまあ「欲を言えば…」であって、かなりのレベルまで上がってきている印象。
幽霊船が出た時などの耳をつんざくばかりの轟音は「飯守泰次郎さんの音」をかなり出せていたのではないでしょうか。
(もちろん、新国立の誇るコーラスの威力もありますが。)

「パルジファル」も「さまよえるオランダ人」も、新国立のピットに飯守泰次郎さんが立っているだけでファンの一人として感慨深いものがありますが、エキストラを増やしてでも東京シティ・フィルをピットに入れたら?という思いは残ります。
(私は、東響にはかなり好意的な方なのですが、それでも。)
いっそ、東フィルでも東響でも、新国立で飯守さんが振るときは、戸澤さん、松野さんの両コンマスをゲストコンマスにしては?とか。

なお、蛇足ですが、幽霊船に向かって水夫たちが次々に物を投げつける場面の直後、黒づくめの大道具の方?が、船に引っかかった物を取り外しに、船の後ろから上っていったのが、私の席からは見えてしまいました。
(新国立らしくないですね-。)

…というわけで、遅刻してでも「行って良かった!」の公演でしたが、この日は終演後に、飯守泰次郎さんが来季のラインナップの説明をするということが告知されていました。終演後、約30分後から、約1時間の予定とのこと。
もちろん、残って聞きました。

来季ラインナップ解説の前に、今回の「さまよえるオランダ人」では、再演ですが演出家が来日し、演技指導をしたとのことです。

来季から始まる「リング」については、飯守泰次郎さんは、演出の故ゲッツ・フィリードリヒさんに、かなり思い入れがある様子で熱く語ります。
フィリードリヒさんは、飯守さんがかつて新国立で「青ひげ公の城」を指揮した時も演出でしたが、その時はかなり健康状態が悪く、初日に立ち会えずに、1週間後くらいに亡くなったとのこと。

「リング」は1年1作だと任期に入りきらないので、2015年秋の「ラインの黄金」の次は、2016年秋に「ワルキューレ」、2017年初夏(6月頃)に「ジークフリート」、2017年秋に「神々の黄昏」で、全てにシュテファン・グールドさんが出演とのこと。
本当に良いテノールがいるときに出来ること(ローゲ、ジークムント、ジークフリートだったかな?)とのことです。

「イェヌーファ」は、ベルリン・ドイツ・オペラのプロダクションで歌った歌手陣を一人を除いてそのまま招聘するとのこと。

「ウェルテル」演出のジョエルさんは、バイロイト音楽祭の「リング」で、飯守泰次郎さんがブーレーズさんのアシスタント、ジョエルさんがシェローさんのアシスタントだった時に、長期間一緒に過ごした旧知の間柄とのこと。
ウェルテル役のファビアーノは、飯守さんが「ウェルテルに合っている」と思って打診したところ、本人も「前からウェルテルを歌いたいと思っていた」とのことで、新国立でウェルテル役デビューが決まったとのこと。

パンフレットで未定となっていたトスカ役は、「アンドレア・シェニエ」にも出演するマリア・ホセ・シーリさんが歌うとのこと。

「ローエングリン」、「夕鶴」と、「禁断の質問による悲劇作品」が並んでいるが、これは偶然ですとのこと。

マエストロは、「3時間指揮した後で汗びっしょりです」と言いながらも、見た目、全く疲れた様子もなく、聴衆に向かって「皆さん、お聴きになった後でお疲れでしょう」などとおっしゃって、余裕がある雰囲気。
以前にも「ワーグナーは何時間でも平気で、もう一回続けても大丈夫なくらいです。チャイコフスキーは一回でヘトヘトですけど」などとおっしゃっていましたが、本当にそんな感じでした。

新国立のオペラ監督に飯守泰次郎さんが就任するときに「欧州のオペラ界に人脈が豊富なわけではないし」という評が一部にあったような気がしますが(ご本人もこんなに大きな組織は経験無しともおっしゃっていたが)、この日のお話しを伺うと、若い頃のドイツでのアシスタントの時代の人脈も、相当に物を言っているご様子。
ファンの一人として、慶賀の至りです。

スタッフ
【指揮】飯守泰次郎
【演出】マティアス・フォン・シュテークマン
【美術】堀尾幸男
【衣裳】ひびのこづえ
【照明】磯野 睦

キャスト
【ダーラント】ラファウ・シヴェク
【ゼンタ】リカルダ・メルベート
【エリック】ダニエル・キルヒ
【マリー】竹本節子
【舵手】望月哲也
【オランダ人】トーマス・ヨハネス・マイヤー

【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京交響楽団

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2015年1月24日 (土)

ゲッツェル/神奈川フィル(2015/01/24)

2015年1月24日(土)14:00
横浜みなとみらいホール

指揮:サッシャ・ゲッツェル
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

(みなとみらいシリーズ第305回定期演奏会)
ソプラノ:チーデム・ソヤルスラン

コルンゴルト:組曲「シュトラウシアーナ」
R.シュトラウス:4つの最後の歌
ブルックナー:交響曲第9番
(ノヴァーク版)

前半は20世紀前半の爛熟したウィーンの香り満載。
美しすぎていまにも滅びそうな美の極致。
4つの最後の歌のソプラノの声はもちろん、石田コンマスのソロの音も美の極致。
今週も、音がきちんと出来上がっています、神奈川フィル。

コルンゴルトの曲は、コルンゴルト風の音のヨハン・シュトラウスみたいな曲で…って、タイトル通りですね。
4つの最後の歌は、私は普段はあまり良さのわからない苦手曲なのですが、この曲をこんなに陶然となって聴いたのは初めてかもしれません。
おそらく、石田コンマスのソロのおかげです。

後半のブルックナーも、冒頭の微弱音も繊細に鳴る。
かつて、シュナイトさん就任の頃の、恐る恐る音を出していて、聴いていてハラハラする神奈川フィルも経験しているだけに、ちょっと驚きです。

いや、あれから約7年が経過しています。
1年に数回しか神奈川フィルを聴かないのに、偉そうにすみません。
いや、1年に数回しか聴かないからこそ感じる変化もあるかもしれません。
本当にモチベーションの高い音を鳴らすオケに変貌しました。
演奏している奏者の皆さんの姿も、揺れる上半身、力演。

オーボエやフルートの首席の方のソロの音、本当に素晴らしい。
弦楽の艶やかな音も本当に素晴らしい。
石田コンマス孤軍奮闘のオケではなくなってきているのではないでしょうか。
見た感じ、世代交代もあるのでしょうが、でも、ずっと頑張ってきた石田コンマス、山本首席等も、頑張った甲斐があるのではないでしょうか。

ブルックナーでは、まだ目指すべき上のレベルはあるとは思いました。
ほんのの微細なところの音のつなぎ目など、やはり都響や東響のレベルに上がるには、95点を98点にする必要があるでしょう。
(これが難しいのでしょう。90点を95点にするよりも。)
あるいは、第3楽章の金管だけで弱音、緩やかな旋律の部分は、もう少し練り上げることも可能なような気もします。
あまり重量感を感じなかったのは、ゲッツェルさんの音作りなのかな。
第3楽章の最後も、割とあっさりと、さっさと切り上げた印象もありましたが、これもゲッツェルさんの音作りなのかな。

でも、神奈川フィルからこんなに艶やかな音と壮大な音が出たのは、7年前(←ピンポイントですみません)からは考えられない進歩でしょう。
もちろん、その間にも、いろいろ、素晴らしい演奏も聴いていますが。

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2015年1月18日 (日)

ゲッツェル/神奈川フィル(2015/01/18)

2015年1月18日(日)14:00
相模女子大学グリーンホール

(相模原市文化会館)大ホール

指揮:サッシャ・ゲッツェル
神奈川フィルハーモニー管弦楽団

特別演奏会 相模女子大学グリーンホール
~ウィーンの風 ― 甦る名曲たち~
ピアノ:小山実稚恵

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
ショパン:マズルカOp.67-4
(アンコール)
ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
ヨハン・シュトラウスⅡ世:ポルカ「浮気心」
(アンコール)

前日と曲目が違うので多少危惧したのですが、ちゃんと主催公演クオリティの演奏。
…と思ったのは私の勘違いで、前日のミューザでの演奏会とは前半の曲目が違いますが、その前の県民ホールシリーズでの演奏会と同じ曲目。
どうりで、仕上がりが良いはずです。
小山さんはもちろん、オケに関してもさすがはゲッツェルさん、特に第2、第3楽章の弦楽器の歌いっぷりや、木管(特に、オーボエとフルート)のソロに節回しに、「おっ!」と思う箇所多数。
良かった!!

後半のベートーヴェンは、しなやかで美しい演奏。
それなりのスピード感はありますが、せかせかの海賊テンポではありません。
中庸の極致なのかもしれませんが、随所に多少のアクセント、スパイスも効かせての快演。
前半は通常の配置でしたが、後半は対向配置に。
その、両翼にわかれたヴァイオリンの競演!
特に第2ヴァイオリンのモチベーションの高い演奏。
「対抗」配置!
もちろん、その奥の、左のチェロ、右のヴィオラも「対抗」配置!

2年前のゲッツェルさんの指揮する神奈川フィルの演奏会を聴いたときに、「これだけテンションの高い神奈川フィルのサウンドは、(私は)初めてかも」と、偉そーな感想を述べましたが、この日もテンション…いや、モチベーションの高い神奈川フィル!

しなやかなベートーヴェンから、アンコールのヨハン・シュトラウスになると、急にフォルクスオーパーのオケのように(←どちらかと言うとネガティヴな意味で)になってしまったのはご愛嬌ですが、それはそれで面白かった!!

相模女子大学グリーンホール(旧称、グリーンホール相模大野)は、私は2回目です。
2回とも同じような席の場所、2回ともゲッツェルさんの指揮する神奈川フィルだったので、断言は出来ませんが、新しめのホールらしく、そこそこの残響があり、空調の暗騒音も感じず、多目的ホールにしては好印象です。

なお、蛇足ですが、私は本当は前日のミューザでの演奏会に行く予定だったのですが、極度の肩こり(いや、全身のこり)で体調が悪くて断念。
鍼治療の予約がこの日しか取れず、でも体調には代えられなくて、鍼治療へ。

鍼の効果は絶大で、それまでの絶不調がウソのように体調がV字回復したので、急きょ、前日の自粛分のリベンジをすることに。
(鍼治療終了時刻からでは、都内での14:00開演の公演は間に合わないので)。

前日のチケットを無駄にした上に(あ、空席をつくってすみません!)さらに当日券代を払ったわけですが、「追い銭」をして良かったです。
聴けて良かったです。

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2015年1月16日 (金)

準・メルクル/読響(2015/01/16)

2015年1月16日(金)19:00
サントリーホール

指揮:準・メルクル
読売日本交響楽団

(第544回定期演奏会)
ピアノ:金子 三勇士

ウェーベルン:パッサカリア作品1
シューマン:ピアノ協奏曲
ブラームス(シェーンベルク編曲):ピアノ四重奏曲第1番(管弦楽版)

この日は個人的に、肉体疲労か、精神疲労か、その両方か…で、演奏にのめりこめず、私にしては珍しく、カーテンコール1回で席を立ちました。
会場は大喝采だったので、私だけの問題です。すみません。

会場に向かうまでは体調は悪くなかったのですが、席についてから、強い疲労感を感じました。
それでも座り続けたのは、音楽にオーラをもらって演奏会が終わる頃には疲労感が吹き飛んでいた経験を何度もしたから。

でも、この日は違いました。
音楽に心が入り込めない。

メルクルさんのピアノ四重奏曲第1番は、どかん、どかんと鳴らして自家薬籠中の曲のはず。
私は、こういう演奏に、大興奮、大絶賛の感想を述べる時も多々あるので、完全に個人的体調のためだろうと思います。

前半に関しても、ウェーベルンは、カンブルラン様が振ったら、もっと精緻な演奏になるのかな?と思ったり、ピアノ協奏曲は、特に第1楽章で、ゆっくりの部分は極度に遅く、速い部分は普通に速くと、ややデフォルメ感を感じてしまったり…。

すみません。
体調の調整を誤った私が悪いのです。

この体調不良は、翌日以降も尾を引きました。

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2015年1月12日 (月)

秋山和慶/東響(2015/01/12)

2015年01月12日(月)14:00
ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:秋山和慶
東京交響楽団

(名曲全集第104回)
ピアノ:中村紘子

J.シュトラウスⅡ:ワルツ 「春の声」
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
ショパン:エチュードOp.12-10「革命」
(アンコール)
ショパン:ポロネーズ第1番(アンコール)
ラフマニノフ:前奏曲Op.32-12(アンコール)
ドヴォルザーク:交響曲第9番 「新世界より」
J.シュトラウスⅠ:ラデツキー行進曲
(アンコール)

シモーネ・ヤングさんと勝負させたくなるような女傑?中村紘子さんがアンコール3曲を弾いて、長い前半が終了。
この物凄い気迫は並ではありません。

中村紘子さんって、もっと若い頃は“乱暴な打鍵”の印象があってあまり好きではなかったのですが、最近は円熟と風格が加わって、私はかなり好印象に変わってきています。
技巧的には少し加齢を感じますし、協奏曲の冒頭でひやりとする場面あって、一瞬、大丈夫かな?と思いましたが、流れ出せば無問題。
いや、若手の頃のようには指は回りませぬ。
回りませぬが、全く妥協していません。
若手の指が回るピアニストが逆立ちしたってかなわない気迫。

…にしても、息詰まる勝負の協奏曲に、空間を支配するソロのアンコール3曲、恐れ入りました。

いくら、ミューザの名曲全集とは言え、ブラボーを叫ぶ人は、それなりの人と推測しますが(声の感じも、叫び慣れている人と推測)、それが2~3人の複数かかっていて、スタオベしている人までいました。
正直、私は、秋山さんを聴きに行ったのですが(失礼)、恐れ入りました。
3曲のアンコールも冗長には感じませんでした。

後半の「新世界より」は、すでに前半の協奏曲からオケには火がついているっぽかったですが、音が揃い、音色のニュアンスも申し分なし。
公演回数を重ねていることもあるのか、定期演奏会で聴く秋山さんの音にかなり近いレベルまで到達していたかもしれません。

秋山さんのファンを自認している私にしては、東響のニューイヤーコンサートは2年ぶり2回目。
チャイコフスキーのピアノ協奏曲と「新世界より」という演目に食指が動かず、足を運んでいませんでした。
しかし、前回、聴いて、結構良くて、また聴こうと思って、今回が2回目です。

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2015年1月11日 (日)

準・メルクル/読響(2015/1/11)

2015年1月11日(日) 14:00
横浜みなとみらいホール

指揮:準・メルクル
読売日本交響楽団

(第78回みなとみらいホリデー名曲シリーズ)
Vc:ダニエル・ミュラー=ショット
S:安藤赴美子
T:永田峰雄

ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
ワーグナー:歌劇「ローエングリン」〜「はるかな国」
ワーグナー:歌劇「ローエングリン」第3幕への前奏曲
ワーグナー:歌劇「タンホイザー」から「おごそかなこの広間よ」
ワーグナー:歌劇「タンホイザー」序曲
チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」から
チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲
ラヴェル(ミュラー=ショット編):ハバネラ
(アンコール)
チャイコフスキー:イタリア奇想曲

私は準・メルクルさんをそんなに聴いているわけではありませんが、こんなに鳴らす人だったっけ?と思いました。
鳴らすけど粗野ではないし、芯が通っています。
随所には木のぬくもりのような暖かい温色も織り交ぜて。

ただ、前半のワーグナーは、尻上がりに良くなっていった感も少々。
と言っても、最初の方の演奏がいまひとつというわけではなく、「比較すれば」のレベル。
「比較すれば」、「マイスタージンガー」前奏曲は、「タンホイザー」序曲ほど、音が凝集していなかったかな…という程度です。

歌の伴奏も、「ローエングリン」の出だしは、一瞬、あれれ?とも思ったのですが、滑り出せば、伴奏というお仕事モードの演奏ではなく、協奏に近くなりました。

後半のチャイコフスキーも、楽しい、楽しい、鳴る、鳴る。
かつての常連オケを振った時よりも、はるかに楽しそう(暴言失礼!)なメルクルさん。
ロココ変奏曲もほのぼのと言うよりは、ノリノリの真剣勝負。
オケの曲も楽しく炸裂、爽快。
読響からはドイツっぽい音色も聞こえたりして、このコンビ、相性、かなり良いかも。

なお、全くの私事ですが、この日は、いろいろ思い出してしまいました。
1年11ヶ月前、みなとみらいホールで、準・メルクル/N響を聴き、ハシゴで高崎の群響定期へ向かう新幹線の車中で父が倒れたとの連絡を受けました。
高崎駅到着後すぐに引き返しましたが、父は意識が戻らず、翌朝に死去。

あれから、いろいろなことがありました。(涙目)

あと1ヶ月もすると、亡き父の三回忌。
三回忌は一区切りですかね。
その時期に、再び、準・メルクルさんの指揮する演奏会を、みなとみらいホールで聴いたというのも、何かの縁かな、と思ってしまいました。
全くの、一聴衆の、個人的事情ではございますが。

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2015年1月10日 (土)

ウィーン・リング・アンサンブル(2015/1/10)

2015年1月10日(土)14:00
茅ヶ崎市民文化会館

ウィーン・リング・アンサンブル
 Vn:ライナー・キュッヒル
 Vn:ダニエル・フロシャウアー
 Va:ハインリヒ・コル
 Vc:ロベルト・ナジ
 Cb:ミヒャエル・ブラデラー
 Fl:カール=ハインツ・シュッツ
 Cl:ペーター・シュミードル
 Cl:ヨハン・ヒントラー
 Hrn:ヴォルフガング・トムベック

ニューイヤーコンサート2015
J.シュトラウスⅡ:オペレッタ「インディゴと40人の盗賊」序曲
J.シュトラウスⅡ:ワルツ「春の声」
ヨゼフ・シュトラウス:ポルカ・マズルカ「とんぼ」
J.シュトラウスⅡ:ニコ・ポルカ
ツィーラー:ポルカ・シュネル「人生は喜び」
オッフェンバック:オペレッタ「天国と地獄」~カンカン
ワルトトイフェル:ワルツ「スケートをする人々」
         
(スケーターズ・ワルツ)
         (ワルトトイフェル没後100年記念)
J.シュトラウスⅠ:ジプシーのガロップ
J.シュトラウスⅡ:ワルツ「シトロンの花咲くところ」
J.シュトラウスⅡ:オペレッタ「こうもり」~カドリール
ランナー:ワルツ「求婚者」
ヨゼフ・シュトラウス:ジョッキー・ポルカ
J.シュトラウスⅡ:「騎士パズマン」~チャールダーシュ
(アンコール)
J.シュトラウスⅡ:ワルツ「美しく青きドナウ」(アンコール)
J.シュトラウスⅠ:ラデツキー行進曲(アンコール)

このアンサンブルを聴くのはかなり久しぶり。
前回はたぶん10年以上前でしょう。
その昔の記憶の中の印象からすると、演奏にシャープさとスピード感がやや強まっているように感じましたが、それは昨今のウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートの演奏のトレンドの影響か、それとも、私の記憶の問題か…。

年始に来日する“出稼ぎ団体”(失礼!)とは別格の皆さん。
“出稼ぎ団体”の中には、「メンバーの皆さん、普段は何をしているの?」というような団体もあるよう気もしますが、このアンサンブルのメンバーは、普段何をしているのかは明白!

前半も二流の演奏ではなかったですが、休憩後の後半の方が、より興がのった演奏。
客席の拍手も、それに正直に反応。

ジョッキー・ポルカでは、キュッヒルさんが打楽器を演奏。
その趣向は面白いですし、素人が出来る仕事ではありませんが、いくらウィーン・フィルのコンマスとは言え、打楽器の本職でないことは、素人の私が見ても(聴いても)わかる。
それよりも、アンサンブルから“コンマス”が欠けるマイナスの方が大きかったような印象。
アンコールで、キュッヒルさんがヴァイオリン・トップに戻ってホッとしました。

そう、メンバー一人一人が素晴らしいのですが、やはりキュッヒルさんがトップで弾いている存在の大きさは動かしがたい事実。
自然体で、一人突出してはいませんが、名手の他のメンバーも、キュッヒルさんが居るから、これだけ音がそろい、溶け合って、ウィーン・フィルの縮小版のような珠玉のアンサンブルを奏でているのかな。

私は最近は、こういうウィンナ・ワルツのニューイヤー・コンサートに足を運ばなくなりましたが、一時期、毎年のように、いくつかの来日団体の演奏会に行っていた時期があって、その時の結論は、ウィーン・リング・アンサンブルは本物、他のほとんどは偽物…でした(暴言失礼)。
久しぶりの鑑賞となりましたが、今回も「本物」の印象は変わりませんでした。

20150110

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