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2016年1月15日 (金)

井上道義/東フィル(2016/01/15)

2016年1月15日(金)19:00
サントリーホール

指揮:井上道義
東京フィルハーモニー交響楽団

(第872回サントリー定期シリーズ)

ハチャトゥリアン:「ガイーヌ」第1組曲
ショスタコーヴィチ:交響曲第7番「レニングラード」

前半の「ガイーヌ」、客席がおおいに沸きましたが、お祭り騒ぎとか、楽しいにぎやかな…と言うよりは、割とシリアスな…意思の芯のある演奏に感じました。
ネガティヴな意味ではなく、後半の曲の前に置くのにふさわしい演奏。
遊び心が皆無という意味では決してありません。
真剣勝負だな…という意味です。

井上さんの指揮は、細かい拍を刻むと言うよりは、表情付けと方向性を全身で示すような動作。
その分、井上さんが動作を止めたときは、コンサートマスターの席に座った(一時的に戻った)荒井さんがかなり拍をとっていたようにも見えました。

後半のショスタコーヴィチは、なんと美しい演奏なんでしょう!
この曲の弱音部で、突き刺さるような冷徹さをほとんど感じなかったのは私は初めてかもしれません。
それだからこそ、終結部が高らかに、まるで浄化されたかのように朗々と響きわたる。

私は、あの伝説の日比谷公会堂でのツィクルスは聴いていないので比較はできませんが、井上さんのショスタコーヴィチって、こういう音なんですね。

(これだけ繊細で美しい音…美弱音も大強奏も…を鳴らすのを聴くと、某劇場のピットで噛み合わない時を酷評したくなるのもわかるような気が…。
あの劇場のピットが東フィルの全てじゃないんですよね…と、暴言すみません。
ほめてるつもりが…。)

東フィルのメンバーの演奏している姿を見ると、渾身の力演と言って良いのですが、それが荒っぽい音にならず、綺麗にブレンドされ、格調高く響く。
このスタイルを受容できるなら(私は「こういう音になるとは!!」と喜んで受容しました)、最高の仕上がりと言って良い演奏でしょう。

このプログラム、井上さんが病気で降板したとき、代役で指揮した尾高さんが曲目変更して、とっておいた曲目とのことです。
カーテンコールの拍手をいったん制止して、井上さんからスピーチがありました。
(東フィルのホームページにも事前に掲載されていたので、私は知っていましたが。)

その「取っておいた曲」の復活、そしてこれだけの演奏になったことは慶賀の至りですが、プログラム冊子の文章はちょっと…。
「昨年7月に演奏される予定だった」「4月に咽頭がんが」「10月に復帰」って、いつ書いた文章ですかね???
私は、最初に読んだとき「ん???」となって、一瞬、理解できませんでした。
2016年1月の定期演奏会で読まれる文章であることくらいは、プロのライターなら想定して書いていただかないと…。(偉そうにすみません。)

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