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2016年4月24日 (日)

ノット/東響(2016/04/24)

2016年04月24日(日)14:00
サントリーホール

指揮:ジョナサン・ノット
東京交響楽団

(第639回定期演奏会)
ソプラノ:チェン・レイス
バス・バリトン&語り:クレシミル・ストラジャナッツ
混声合唱:東響コーラス

シェーンベルク:ワルシャワの生き残り
ベルク:「ルル」組曲
ブラームス:ドイツ・レクイエム

御無沙汰しておりました。
約2ヶ月ぶりの生演奏です。

前半のシェーンベルク、ベルクとも、複雑性に傾斜せず、官能性にも傾斜せず、中庸の純音楽的指向で、均質化されたサウンドをホール空間に満たした演奏。
やろうと思えば、もっと刺激的な演奏も可能でしょう。
事実、20世紀に録音されたCDなどは“20世紀音楽”の側面を強調した、まるで“現代音楽”のように感じる演奏もあると思います。
しかし、時代は流れ、20世紀音楽はすでに全盛期の音楽。
21世紀の指揮者には、21世紀のやり方があるのでしょう。
難解な側面は覆い隠して、“音の楽しみ”として楽しませてくれたように思います。
難しいものを難しく、複雑なものを複雑に演奏するのではなく、解釈と技術によって聴衆の前に変換するのが指揮者ならば、ノット監督は、前世紀の音楽を“音楽”として提示してくれたように思います。

そして、後半のドイツレクイエム。
極上の「手触り」と言いたくなるほどの響きの上質感、オケもコーラスも、独唱も、オルガンも。
いつくしむようなノット監督の棒のもと、浄化、浄化、浄化、高揚、浄化、そして安息。
魂が洗われるとはこういうことを言うのか、と思いました。
こちらも、刺激的要素はほとんど感じず、ひたすら美しい音楽が続き、心にしみいり、最後は充足感でいっぱいでした。
「いつまでも続いてほしい」と思わなかったのも不思議。
充足感が100%になったところで音楽がちょうど終わった体感。
ブラームスがそのように構築、作曲し、ノット監督がそのように構築、指揮したのでしょう。
ノット監督は、シェフと手兵の「あうんの呼吸」の一歩手前で、緊張感を維持しているようにも感じました。

東響コーラスが素晴らしいのはいつものことなので、言葉に出して褒めなくなっている自分に気がつきますが、この日も然り。
いつもの通り…ということはハイレベル、ハイクォリティの歌唱でした。

ブランクの期間、土日を中心に私事に忙殺され、疲弊していたので、耳がなまっているかと思います。
まだ本格復帰とはまいりませんが、ときどきは演奏会場に足を運びたいと思います。
そうでないと心身の「心」の方がまいってしまう…と、この日の演奏を聴いて、心底思いました。

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