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2016年4月の2件の記事

2016年4月29日 (金)

準・メルクル/新日フィル(2016/04/29)

2016年4月29日(金・祝)14:00
サントリーホール

指揮:準・メルクル
新日本フィルハーモニー交響楽団

(第558回定期演奏会)
ヴァイオリン:豊嶋泰
ハープ:平野花子

ドビュッシー:民謡の主題によるスコットランド行進曲
ブルッフ:スコットランド幻想曲
メンデルスゾーン:交響曲第3番「スコットランド」

前半、分解能をあまり感じないオケの音だけど、これは私の席の音響のせいかな?と思いましたが、どうやら違ったようです。
後半「は」鮮烈!
スコットランド交響曲、ピリオドではありませんが、ピリオドでのキビキビの要素もモダンスタイルにに取り入れた演奏なのでしょうか?
往年の指揮者(サヴァリッシュとか)とは全く違うはつらつとした演奏。
飛び跳ねるような音の切れ味、速いけどせかせかの印象はなくさわやかな清涼感。
しかし、時折見せる歌わせる場面もしっとりとしています。
軽い印象はありません(重い印象のありませんが)。

終わり良ければすべて良し…で、めでたしめでたし。
NJPのアンサンブルが徹頭徹尾完璧だったとは言えないにせよ(特に音の出だしの揃い具合)、ワクワク感を与えていただいて私は満足。
そして、NJPの木管首席陣はこの日も入魂のソロ。
古部さんのオーボエ、重松さんのクラリネット、両首席のコンビは私は大好きです。
準・メルクルさん、終演後のカーテンコールで、真っ先に重松さんを起立させました。

前半は、私がぼ~っとしていたせいもあるかもしれませんが、あれれ?こんなもん?と思ったことは事実です。
(後半の目の覚めるような演奏で、肯定されてしまいましたが…。)
もちろんプロオケですから、90点と60点…などということはなく、98点と95点という程度の差ですが、その3点は、素人の耳にもそれなりにわかる。
分解能をあまり感じないオケの音ですが、その分しっかりとしたまとまりのある音で…と言うのはポジティヴな表現であって、ネガティヴに言えば、ちょっと団子状態とも言えなくもない。
好みの問題かなぁと思いましたが、指揮の切れ味へのオケの反応は尻上がりに良くなっていった感もあり、やはり後半が白眉でした。

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2016年4月24日 (日)

ノット/東響(2016/04/24)

2016年04月24日(日)14:00
サントリーホール

指揮:ジョナサン・ノット
東京交響楽団

(第639回定期演奏会)
ソプラノ:チェン・レイス
バス・バリトン&語り:クレシミル・ストラジャナッツ
混声合唱:東響コーラス

シェーンベルク:ワルシャワの生き残り
ベルク:「ルル」組曲
ブラームス:ドイツ・レクイエム

御無沙汰しておりました。
約2ヶ月ぶりの生演奏です。

前半のシェーンベルク、ベルクとも、複雑性に傾斜せず、官能性にも傾斜せず、中庸の純音楽的指向で、均質化されたサウンドをホール空間に満たした演奏。
やろうと思えば、もっと刺激的な演奏も可能でしょう。
事実、20世紀に録音されたCDなどは“20世紀音楽”の側面を強調した、まるで“現代音楽”のように感じる演奏もあると思います。
しかし、時代は流れ、20世紀音楽はすでに全盛期の音楽。
21世紀の指揮者には、21世紀のやり方があるのでしょう。
難解な側面は覆い隠して、“音の楽しみ”として楽しませてくれたように思います。
難しいものを難しく、複雑なものを複雑に演奏するのではなく、解釈と技術によって聴衆の前に変換するのが指揮者ならば、ノット監督は、前世紀の音楽を“音楽”として提示してくれたように思います。

そして、後半のドイツレクイエム。
極上の「手触り」と言いたくなるほどの響きの上質感、オケもコーラスも、独唱も、オルガンも。
いつくしむようなノット監督の棒のもと、浄化、浄化、浄化、高揚、浄化、そして安息。
魂が洗われるとはこういうことを言うのか、と思いました。
こちらも、刺激的要素はほとんど感じず、ひたすら美しい音楽が続き、心にしみいり、最後は充足感でいっぱいでした。
「いつまでも続いてほしい」と思わなかったのも不思議。
充足感が100%になったところで音楽がちょうど終わった体感。
ブラームスがそのように構築、作曲し、ノット監督がそのように構築、指揮したのでしょう。
ノット監督は、シェフと手兵の「あうんの呼吸」の一歩手前で、緊張感を維持しているようにも感じました。

東響コーラスが素晴らしいのはいつものことなので、言葉に出して褒めなくなっている自分に気がつきますが、この日も然り。
いつもの通り…ということはハイレベル、ハイクォリティの歌唱でした。

ブランクの期間、土日を中心に私事に忙殺され、疲弊していたので、耳がなまっているかと思います。
まだ本格復帰とはまいりませんが、ときどきは演奏会場に足を運びたいと思います。
そうでないと心身の「心」の方がまいってしまう…と、この日の演奏を聴いて、心底思いました。

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