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2016年5月28日 (土)

下野竜也/新日フィル(2016/05/28)

2016年5月28日(土)14:00
すみだトリフォニーホール

指揮:下野竜也
新日本フィルハーモニー交響楽団

(第559回定期演奏会)
ピアノ:トーマス・ヘル
合唱:東京藝術大学合唱団

三善晃:管弦楽のための協奏曲
矢代秋雄:ピアノ協奏曲
バッハ(ブゾーニ編):我、汝を呼ぶ、主イエス・キリストよ
(アンコール)
黛敏郎:涅槃交響曲

曲のタイトルは別として、序曲、協奏曲、ソリストアンコール、交響曲の「普通の」定期演奏会。
普通に素晴らしい定期演奏会。
「難しい曲を並べた」演奏会にせず、「普通の」「音を楽しむ」演奏会に導いたのは下野さんです。

この日の作品を「現代」音楽と呼ぶ時代は既に終わったかのよう。
指揮者やソリストが曲に思い入れを持って演奏しているのが伝わってきます。

後半の涅槃交響曲は、緊張や葛藤から調和と高揚へ…と単純に考えて良いのかわかりませんが、単純でない作りの大作をここまでエネルギーを凝縮し、発散させた下野さんに脱帽。
1階客席に陣取ったバンダによる天然サラウンドも素晴らしい。
下野さん、この曲がドヴォルザークの6番と同じくらい好きなのでは?…と言いたくなるくらいの作品に対する敬愛すら感じられた指揮。
前回の読響定期で指揮したときも凄かったです。)
作品は、何回聴いても「なんじゃこりゃ」に始まって、最後は精神の高揚に至る不思議な曲ですが、まさに「交響曲」かもしれません。

東京藝術大学合唱団の皆さん、普段と違う発声をして、元に戻すの、大丈夫ですか?と言いたくなるような合唱ですが、すでに「古典」に入りつつある涅槃交響曲を、オケの定期で歌う機会を得たことは貴重でしょう。

演奏会全般を通して、ごく一部に、まだ音の多少の磨き上げの余地はあったかもしれません。
しかし、演奏される機会の多くはない曲を定期に持ってきて、定期レベルの演奏に仕上げただけでなく、「とりあえず音にしてみました」などというレベルではない熱演をしてくれて、文句を言うどころか、感謝してもしたりない充足感。

日本人作曲家の作品って、やっぱり、「お呼ばれ」のステージではなく、オケの主催公演である定期演奏会で聴きたいと思います。
(都響定期で聴いたときなどにも、そう思います。)
集客を始め、なかなか一筋縄でいかないことは理解してはおりまするが…。

演奏会冒頭に1曲、義理で演奏するかのような日本人作曲家の作品は、面白くないことが多いような…。
日本人作曲家と言えども、鳴らす責任は指揮者にあるのであって、指揮者が本気だと、演奏も面白くなるのは古典だろうと現代音楽だろうと同じ。
下野さんが、NJPの定期演奏会で振るからには、面白くなるのは必至でした。

なお、開演前にはロビーコンサートがありました。

新日本フィル・パーカッションセクション

ライヒ:木片のための音楽

「間もなくロビーコンサートが始まりま~す … 始まりましたぁ」
「え?」
打楽器セクションの皆様が木片を叩きながら、一人一人登場。
ただの木片(かどうかはともかく)がプロが叩くとこういう音が鳴るという見本。
新日本フィルのロビーコンサートを聴くのは私は2回目ですが、2回目とも、本編の演目とのつながりも考えて選曲しているのではないかというセンスの良さ。
好感です。
トークも面白くてウケてました。
早めに行って良かったです。

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