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2016年6月 4日 (土)

新国立劇場「ローエングリン」(2016/06/04)

2016年5月26日(木)19:00
新国立劇場

ワーグナー:ローエングリン

最終日の高揚感!
第3幕にピークを持ってきたフォークト様の神々しく、神がかった歌唱!
ピットの東フィルも、合唱も、歌手陣も、気合いの入った演奏で大団円。
終演後のブラボーの嵐と、熱い拍手、カーテンコールの長かったこと!

第1幕からして、オケの音も揃い、融合し、分厚く高揚する。
エルザも騎士も、悪役2人も、第1幕からやる気満々の歌唱。
あえて言えば、王様が(頑張っているけど)存在感が少し頼りなく見えてしまうのは、配役上、仕方ないですかね。
なにせ、エルザと騎士とオルトルートと…。

この日は、これまで一度も座ったことのない位置の席だったので、いつもと音響的にかなり(良い方に)違うように感じました。
なので、単純比較は出来ませんが、ピットのオケの音も艶やか。
舞台上も含めて「ディテールよりも音のかたまり」のようになる傾向があるのは飯守マエストロ本来の音作りでしょう。
その分、分厚い重量感が迫ってきます。

そして、舞台上の歌手の表情もそれなりに見える席。
こうして見ると4階席とは別世界で、ああ、4階席の双眼鏡無しで見て、演出を酷評しちゃいかんな…と反省。
ただしこの日の席も、舞台が半分強くらいしか見えなかったので、これで決めつけて語っても駄目かもしれません…。
このプロダクションの鑑賞は3回目だと思いますが、この日の席で見たら、初めて、いろいろな仕草や動きが散りばめられていることに気づきました。
ただ、4階席からじゃわからないようなことをやるのって、どうなんでしょうね?
小劇場向けのプロダクションをレンタルして持ってきたのではなく、新国立向けのプロダクションのはずですし。
(あ、4階から気がつかなかった私の方が悪いのかな?)

第2幕は、この日も悪役2人がこの幕にテンションのピークを持ってきたのでしょう。
声も凄いが形相も凄い。
怖い。
劇場の外でああいう夫婦に出会ったら避けて歩くでしょう。
剛腕の“飯守節”も、単調な音色にならず、しっとり歌わせるところは魅惑の旋律美。

そして第3幕は、最初に書いたように圧倒的と言って良い高揚感、見終わった私たちは幸福感。
白鳥から人間に戻った弟君が一人取り残される舞台上のフィナーレ。
熱狂的な、長い、長いカーテンコールが終わったた後は、まさに宴の後。
終わってしまいました。
本当に素晴らしい最終日でしたが、終わってしまいました。
寂しい。

飯守泰次郎さんの新国のピットは、ネット上の口コミも含めて推測すると、日によって結構違う(悪く言えば当たりハズレがある)のでしょうか??
私は今回のローエングリンは、当たり2本ひいたっぽいですが…。

パルジファル2回(うち1回は第2幕から)、オランダ人3回(うち1回は第2幕から、もう1回は第1幕途中から)、ラインの黄金0回(チケットは◯回買ってあったが…)、ローエングリン2回。私は比較的、当たりを引いている気もしますが、多くの人にとって公演は一期一会ですからねぇ…。

飯守泰次郎さん、本番の公演を振った経験がどれくらいか存じ上げませんが、年齢を重ね、ようやく「この規模の劇場で本番を何回もまとめて振る機会を得た」に近いような気もします。
私は、その飯守さんの「今」の「挑戦」を楽しみたい。
「ペーター・シュナイダーを呼べ」という意見の方もいらっしゃるかもしれませんが、今、飯守さんに振ってもらわないで、いつ振ってもらうのか。
年齢的にも、体力的にも、「今」でしょう。

なお、蛇足ですが、新国立の今シーズン、この後は「夕鶴」。
飯守泰次郎さんは、2015年1月のオランダ人の公演終演後、2015-16シーズンのラインナップを1階客席でお話しになられましたが、「シーズン最後に「ローエングリン」と「夕鶴」という「禁断の質問」の作品が2つ並んでいますが、」と思わせぶりに言った後、「単なる偶然です」とあっさり…。
偶然にしてはよくできていると思います。

スタッフ
指揮:飯守泰次郎
演出:マティアス・フォン・シュテークマン
美術・光メディア造形・衣裳:ロザリエ
照明:グイド・ペツォルト
舞台監督:大澤裕

キャスト
ハインリヒ国王:アンドレアス・バウアー
ローエングリン:クラウス・フロリアン・フォークト
エルザ・フォン・ブラバント:マヌエラ・ウール
フリードリヒ・フォン・テルラムント:ユルゲン・リン
オルトルート:ペトラ・ラング
王の伝令:萩原潤
ブラバントの貴族Ⅰ:望月哲也
ブラバントの貴族Ⅱ:秋谷直之
ブラバントの貴族Ⅲ:小森輝彦
ブラバントの貴族Ⅳ:妻屋秀和

合唱指揮:三澤洋史
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
協力:日本ワーグナー協会
芸術監督:飯守泰次郎

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